宇宙天気ニュース (これは過去のニュースです) |
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太陽フレア・磁気嵐・オーロラ活動など、宇宙天気の最新情報をお知らせするページです。 |
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2015/ 3/18 11:09 更新 CMEによる太陽風の乱れが到来し、磁気圏が激しく乱れています。イエローナイフのオーロラをどうぞ。 担当 篠原 昨日のニュースの直後、 17日13時(世界時17日4時)に、太陽風の乱れが到来しました。 磁場が大きく南に振れて、激しい磁気圏活動を起こしています。 その報告の前に、 カナダの高坂雄一さんよりいただいた、 現地15日23時〜0時(世界時16日5〜6時)頃に、 イエローナイフで撮影された素晴らしいオーロラの写真を紹介します。 この夜は、この冬でも一二というくらい 色の豊富なオーロラが現れたそうです。 CMEの乱れがやって来る1日前のオーロラです。 太陽風のデータを見ると、 ちょうどこの頃に磁場が南に強く振れていました( -10nTくらい)。 この変化が影響した様です。 1枚目は赤い光の帯がぐるぐるとねじられたように、 2枚目は頭上からオーロラのシャワーが降り注ぐように、 どちらも息を飲むような光景です。 見事な写真をありがとうございます。 素晴らしい現象が重なっていますが、 CMEによる太陽風の乱れでは、 初めに、磁場は25nT、速度は500km/秒へ強まりました。 擾乱は17日13時45分(世界時17日4時45分)頃に地球に達し、 磁気圏を圧縮しています。 地磁気観測所の磁場データを見ると(3枚目の図)、 擾乱の始まりが、急な磁場強度の強まりとして観測されています。 太陽風磁場の南北成分は、初めは北向きに振れました。 しかし、1時間ほど経ったところで南向きに転じて、 -20nTとかなり強く振れました。 この状態が3時間ほど続いて、再び北向きに切り替わり、 その後、再度、南向きに変わって、 -20nT近い強い南向きが11時間にわたって続いています。 速度も、最高で650km/秒まで上がり、 擾乱全体で、550〜600km/秒の高速風が続いています。 この太陽風の乱れのため、磁気圏はかなり激しく乱れています。 AE指数のグラフは、2000nTを越える激しい変化が発生しています。 特に、上側のAU、ALのグラフに注目して欲しいのですが、 太くなっているグラフの帯の上端が、 活動が高まるとともに下へ下がっています。 これは、オーロラの活動領域が低緯度側へ広がってしまったためで、 こうなると、AE指数は乱れの大きさを測定できなくなってしまいます。 そして、京都大学WDCによるDst指数は、大きくマイナス側に振れて、 -221nTと激しい変化になっています。 Dst指数が -200nTを超えるのは、 現在の太陽の第24活動周期では初のことで、 前回は10年前、2005年5月15日の -247nT以来です。 Dst指数の変化としては、特別な大イベントではありませんが、 今回の第24期にとっては記録的なイベントとなっています。 この他にも面白い変化が発生しています。 静止衛星であるGOES衛星の磁場南北成分のグラフを紹介します。 静止衛星は普段は地球の磁気圏内にいるため、 磁場は北向き(プラス方向)になっています。 ところが、激しい太陽風の乱れ(特に南向きの磁場の強まり)がやって来ると、 磁気圏が押し込まれ、磁場がはぎ取られして、 静止衛星の軌道が磁気圏の外側に出てしまうことがあるのです。 今日のGOES衛星のグラフでは、 中央の部分に、磁場が南向き(マイナス方向)に振れている時間帯があります。 ここで、衛星が磁気圏から飛び出し(正しくは、磁気圏の境界が引っこんで)、 太陽風の中に入ってしまった様です。 現在の太陽風は、速度は550km/秒と高速風が続き、 磁場強度も20nT近くと強まっています。 しかし、磁場の南北成分は、今朝くらいから0nTに近づいていて、 そろそろ北向きに切り替わるかもしれません。 磁気圏の擾乱も、この辺りで一段落となりそうです。 太陽は、今朝、18日7時(世界時17日23時)に、 2297黒点群でM1.0の中規模フレアが発生しています。 X線グラフの変化は、少なくなっていて、 2297群の活動の弱まりを感じさせます。 久しぶりに、超長文になりました・・・ (c) 高坂雄一氏 カナダ・イエローナイフで、高坂雄一さんにより現地15〜16日の夜に撮影されたオーロラ。 (c) 高坂雄一氏 日本の地上で観測された磁場の変化。太陽風の乱れによって、急な強まりが発生している。 (c) 気象庁地磁気観測所 Dst指数(速報値)は -221nTまで下がり、大きな規模の磁気嵐になっています。Dst指数はマイナス方向に強まります。 (c) 京都大学WDC GOES衛星の磁場南北成分の変化。太陽風の乱れにより、磁場が南向きに変化している時間帯がある。 (c) NOAA/SWPC SDO衛星のAIA193カメラによる太陽コロナの様子 (c) SDO (NASA) SDO衛星による太陽の可視光写真。マウスの矢印を写真に重ねると、黒点番号付きの写真に切り替わります。 (c) SDO (NASA) ACEが観測した太陽風の磁場(1番上の枠、白線は全体の強度、赤線は南北成分) および、太陽風の密度(3番目の橙線)、速度(4番目の黄線) (c) NOAA/SWPC リアルタイムAE指数 下段のAEグラフの値が高くなると、オーロラ活動が活発化しています。 (c) 京都大学, NICT 27日の太陽周期に合わせたデータプロット 太陽が同じ面を地球に向けていた27日前の変化から、今後を予想することができます。 (c) 作図:宇宙天気ニュース
(c) NOAA/SWPC | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
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