宇宙天気ニュース (これは過去のニュースです)

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太陽フレア・磁気嵐・オーロラ活動など、宇宙天気の最新情報をお知らせするページです。

ニュース発行時の
宇宙天気概況

Y. Obana
最新状況 (11:30)
今日、X1.4の大規模フレアが発生しました。
また、X2.1の大規模フレアが一昨日発生しています。
太陽風は速度、南向き磁場ともに静かです。
磁気嵐がやや発達しています。
太陽放射線が非常に強くなっています。放射線帯電子は静穏です。

フレア (GOES)
発生日 JST 検出
10/10 10:52 C5.8
08:03 M7.7
05:06 C7.5
00:42 X1.4
10/ 9 19:52 C6.1
18:52 C6.3
14:11 M1.6
13:24 M2.1
10:28 X1.8
05:17 C8.0
04:00 C4.1
02:46 C5.8
10/ 8 20:47 C5.4
17:45 M1.2
17:15 C7.4
14:13 C8.3
13:22 C5.1
04:02 X2.1
03:06 M1.3

黒点 10/10 (NOAA)
磁場 フレア
3842 9 βγ X2
3848 14 βγδ X2
3849 18 βγ M2
3850 8 β ---
3852 8 βγ ---

太陽風 (DSCOVR)
時刻
JST
速度
km/s
南北磁場
nT
11:25 442 -1.0
-2 h 440 -0.2
-4 h 449 -0.4
-6 h 454 -0.6
-8 h 457 +1.6
-10 h 452 -1.3
-12 h 465 -1.6

磁気圏 (京大)
時刻
JST
Dst
nT
 
nT
10:30 -40 -/ -
-2 h -28 -/ -
-4 h -33 -/ -
-6 h -35 -/ -
-8 h -38 -/ -
-10 h -50 -/ -
-12 h -51 -/ -

放射線 (GOES)
時刻
JST
プロトン
10MeV
電子
2MeV
最新 889 6x10^2
10/10 1140 1x10^3
10/ 9 1070 3x10^2
10/ 8 3 2x10^2
10/ 7 0 6x10^2
10/ 6 0 3x10^2

静か 激しい 非常に


















リアルタイムデータ
27日周期短期
太陽写真 (swnews)
黒点動画 (SDO)
X線3日1日 (GOES)
SolarMonitor (TCD)
Latest Events (SolarSoft)
AIA193動画 (SDO)
AIA304動画 (SDO)
AIA131動画 (SDO)
SUVI195 (GOES)
SUVI131 (GOES)
LASCO (SOHO)
STEREO (STEREO)
太陽風 1日 (DSCOVR)
太陽風 7日 (DSCOVR)
ACE1日7日 (ACE)
太陽風予報 (NOAA)
衛星電子 (GOES)
衛星陽子 (GOES)
衛星磁場 (GOES)
AE指数 (京都大学)
Dst (京都大学)
K指数 (NOAA)
地上磁場 (NICT)
Canada (AuroraMAX)
昭和基地カメラ (NIPR)
TromsoLongyear...

情報ページ
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これまでの経過 (過去のニュースの 閲覧全リスト)
2024/10/ 5 09:52 太陽風は穏やかな状態が続いています。X9.0フレアによる太陽風の乱れが近付いています。
2024/10/ 6 08:43 太陽風は平均的な状態が続いています。CMEによる乱れはまだ到来していません。
2024/10/ 7 11:59 太陽風の乱れが到来しましたが、比較的規模の小さい変化でした。
2024/10/ 8 10:27 X2.1の大規模フレアが発生しました。太陽風磁場が南向きに強まって、磁気圏の活動が強まっています。
2024/10/ 9 11:27 紫金山・アトラス彗星が進んでいます。X1.8の大規模フレアが発生しました。
最新のニュース

2024/10/10 11:30 更新
X1.8大規模フレアのCMEによる太陽風の乱れは地球に向かっています。

担当 篠原

昨日のニュース作成の頃、
9日10時半(世界時9日1時半)に発生したX1.8の大規模フレアについて、
詳しくお知らせします。

フレアは太陽の中心部北側の3848黒点群で発生しました。
SDO衛星AIA131による、
昨日よりもより長い時間の動画を掲載します。
フレアの輝きは長い時間続いています。

また、SDO衛星AIA193を見ると、
広い範囲でコロナのガスが激しく変化している様子が分かります。

このフレアに伴ってCME(コロナ質量放出)が発生しています。
SOHO衛星LASCO C2、C3の動画では、
太陽を丸く囲むようにコロナのガスが広がっています。
画像の時間間隔との関係もありますが、
ガスの広がる速度も速そうに見えます。

NOAA/SWPCの太陽風予報によると、
このCMEによる太陽風の乱れは、
今夜遅く、10日23時(世界時10日14時)頃に
地球に到来する可能性があります。
この場合、フレアの発生から1日半で地球までやって来ることになり、
太陽風の速度はだいぶ高まることになりそうです。

速度の高まりとともに磁場の強まりがやって来て、
南向きに強まった場合は、磁気圏の活動が激しくなります。
どの程度の乱れになるかは、
太陽風の変化が始まらないと分かりませんが、
今後の推移に注目して下さい。


SOHO衛星LASCO C3で見えている、
紫金山・アトラス彗星の様子も紹介します。
10日9時半(世界時10日0時半)までの動画です。
彗星は太陽の上側まで進んでいて、
明日には画面から出て行きそうです。

この動画の途中から、白いノイズが目立つようになっています。
これは、X1.8大規模フレアに関係して増加している
太陽放射線(非常に高速の陽子)によるものです。
その見え方から snowstorm (吹雪)と呼ばれることがあります。


太陽では、南西の端(右下)に達した3842黒点群で、
10日0時半(世界時9日15時半)にX1.4の大規模フレア、
10日8時(世界時9日23時)にM7.7の中規模フレアが発生しています。
現在の可視光写真では、
3842群は太陽の向こう側に進んで、ほとんど見えなくなっています。

一方、X1.8フレアを起こした3848群は、
その後は特に活動は発生していません。


太陽風は、速度は450km/秒から430km/秒へ少し下がっていますが、
平均的な状態です。
磁場強度は7nTから5nTへ少し下がり、こちらも平均的な値です。

磁場の南北成分は、グラフの前半は -3nT前後の南寄りでしたが、
後半は0nT付近で変化する様になっています。

磁気圏の活動もこれに対応して、
AE指数は、グラフの途中までは
500〜1000nTの中規模の変化が続いていますが、
その後は300nT程度の小規模の変化になっています。


X1.8大規模フレアに関係して、
非常に高速の陽子(太陽放射線)の数値が
GOES衛星の観測で高まっています。
10MeV以上の陽子を示す赤線は、1000に達していて、
これは6月8日の高まり以来です。
SOHO衛星LASCO C3の白いノイズの増加は、
この変化に関係しています。




3848黒点群で発生した、X1.8の大規模フレア。
(c) SDO衛星AIA131 (NASA)、(動画加工 : 宇宙天気ニュース)


広い範囲でコロナのガスが変化している様子が分かります。
(c) SDO衛星AIA193 (NASA)、(動画加工 : 宇宙天気ニュース)


CMEは、太陽を丸く囲むように広がるハロー型になっています。
(c) SOHO衛星LASCO C2、C3 (ESA & NASA)、(動画加工 : 宇宙天気ニュース)


太陽風の乱れは、10日23時(世界時10日14時)頃に地球に到来する可能性があります。
(c) NOAA/SWPC


太陽の横を通過する、紫金山・アトラス彗星。
(c) SOHO衛星LASCO C3 (ESA & NASA)、(動画加工 : 宇宙天気ニュース)


SDO衛星のAIA193カメラによる太陽コロナの様子
(c) SDO (NASA)



SDO衛星による太陽の可視光写真。マウスの矢印を写真に重ねると、黒点番号付きの写真に切り替わります。
(c) SDO (NASA)



GOES衛星の太陽X線強度。赤・橙 = 0.1〜0.8 nm、青・紫 = 0.05〜0.4 nm
(c) データ:NOAA/SWPC、作図:宇宙天気ニュース



ACEが観測した太陽風の磁場(黒線は全体の強度、赤線は南北成分)
磁場の向き、プラズマの密度、速度、温度
(c) データ:NOAA/SWPC、作図:宇宙天気ニュース



AE指数(速報値)
下段のAEグラフの値が高くなると、オーロラ活動が活発化しています。
(c) 京都大学WDC




27日の太陽周期に合わせた図
太陽が同じ面を地球に向けていた27日前の変化から、今後を予想することができます。
(c) 作図:宇宙天気ニュース
コロナ
太陽X線
○はM以上
太陽風速度
km/sec
セクター
φ (度)
磁場 Bz,Bt
nT
Dst
nT
磁場短期変動
nT
イプシロン
MW
GOES 電子
/cm^2 s sr
GOES 陽子
/cm^2 s sr

コロナ
太陽X線
○はM以上
太陽風速度
km/sec
セクター
φ (度)
磁場 Bz,Bt
nT
Dst
nT
磁場短期変動
nT
イプシロン
MW
GOES 電子
/cm^2 s sr
GOES 陽子
/cm^2 s sr



GOES衛星による、静止衛星軌道における高エネルギー陽子の変化
(c) データ:NOAA/SWPC、作図:宇宙天気ニュース




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篠原 学( shino@kagoshima-ct.ac.jp )宛てお知らせ下さい。