宇宙天気ニュース (これは過去のニュースです) |
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2023/ 3/24 13:21 更新 太陽風磁場の強まりが到来し、磁場が南向きに強まって磁気圏の活動が激しくなっています。 担当 篠原 太陽風磁場の強まりが到来して、 南向きに強まった状態が続いています。 これにより磁気圏の活動がとても活発になっています。 太陽風磁場の強まりは、 昨夕、23日18時(世界時23日9時)頃から始まり、 それまでの5nTと平均的な値から、 10nT程度へ強まりました。 磁場の南北成分も南向きに強まり、 -10nTくらいの強い南向きが続く様になります。 このため、磁気圏の活動は強まって、 AE指数は1000〜1300nTの大規模な変化が 連続するようになっています。 (AE指数の1枚目の図の中盤の変化) そして、深夜、23日23時(世界時23日14時)に、 太陽風の磁場は更に強まって、20nTに達しました。 この頃、磁場の南北成分は北寄りになっていたのですが、 24日2時(世界時23日17時)に南向きに切り替わり、 以降 -15nTと南向きにかなり強まった状態になります。 以降、磁場の強い南向きは半日にわたって続いていて、 現在は少し弱くなり始めていますが、 それでも -11nTに強まった状態です。 これにより磁気圏の活動は一段と激しくなり、 AE指数は1500nTに達する激しい変化が 度々発生する様になっています。 (AE指数の1枚目の図の後半から2枚目にかけて) この間、太陽風の速度は、 450km/秒から490km/秒に高まり、 グラフの最後で430km/秒に下がるという、 緩やかな小幅の変化に留まっています。 値も平均的かやや高速程度と特に高まってはいません。 磁気圏活動の強まりは、Dst指数でも見ることができます。 速報値は、-184nTに達していて、 現在の第25活動周期の最大の変化になっています。 (Dst指数はマイナス方向に発達します) Dst指数がここまで発達したのは、 2015年6月23日の -198nT以来で8年ぶりです。 (2018年8月26日に -175nTとかなり近い記録はあります) 今回の太陽風の乱れの原因ですが、 3月21日のニュースで紹介した、 太陽の左上寄りに飛び出していたCME(コロナ質量放出) の可能性があります。 このCMEは、 20日23時(世界時20日14時)に発生した C4.4の小規模フレアの時に発生しています。 SDO衛星AIA193の動画を掲載します。 CMEは左上を中心に飛び出していましたが、 フレアの発生地点は太陽の中心に比較的近かったので、 地球の方向にも噴出が起きていた様です。 参考に、STEREO Ahead衛星COR2による CMEの動画も掲載します。 ほぼ同時に右下にも噴出が起きていますが、 これは太陽の向こう側で発生した別の現象です。 太陽風磁場の南向きの強まりは続いていますが、 値は少しずつ下がり始めています。 速度も少し下がって来たので、 AE指数を見ると、磁気圏活動の規模は下がり始めている様です。 この後、活動の強まりはどこまで続くでしょうか。 引き続き注目してください。 現在の太陽は、X線グラフは変化がなくなっていて、 穏やかな状態です。 (c) 京都大学WDC 3月20日23時(世界時20日14時)に発生したC4.4の小規模フレア。 (c) SDO衛星AIA193 (NASA)、(動画加工 : 宇宙天気ニュース) 3月20日のフレアに伴って発生したCMEの様子。 (c) STEREO Ahead衛星COR2 (NASA)、(動画加工 : 宇宙天気ニュース) SDO衛星のAIA193カメラによる太陽コロナの様子 (c) SDO (NASA) SDO衛星による太陽の可視光写真。マウスの矢印を写真に重ねると、黒点番号付きの写真に切り替わります。 (c) SDO (NASA) DSCOVRが観測した太陽風の磁場(黒線は全体の強度、赤線は南北成分) 磁場の向き、プラズマの密度、速度、温度 (c) データ:NOAA/SWPC、作図:宇宙天気ニュース AE指数(速報値) 下段のAEグラフの値が高くなると、オーロラ活動が活発化しています。 (c) 京都大学WDC 27日の太陽周期に合わせた図 太陽が同じ面を地球に向けていた27日前の変化から、今後を予想することができます。 (c) 作図:宇宙天気ニュース
GOES衛星の太陽X線強度。赤・橙 = 0.1〜0.8 nm、青・紫 = 0.05〜0.4 nm (c) データ:NOAA/SWPC、作図:宇宙天気ニュース | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
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