宇宙天気ニュース (これは過去のニュースです)

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太陽フレア・磁気嵐・オーロラ活動など、宇宙天気の最新情報をお知らせするページです。

ニュース発行時の
宇宙天気概況

Y. Obana
最新状況 (12:02)
昨日、M2.4の中規模フレアが発生しています。
太陽風南向き磁場がやや強くなっています。
磁気圏は静かです。
太陽放射線が非常に強くなっています。放射線帯電子は静穏です。

フレア (GOES)
発生日 JST 検出
6/ 8 --- ---
6/ 7 14:48 M2.4
6/ 6 --- ---

黒点  6/ 8 (NOAA)
磁場 フレア
1226 3 β M3
1227 3 β ---
1228 8 β ---
1232 4 β ---

太陽風 (ACE)
時刻
JST
速度
km/s
南北磁場
nT
11:56 509 -4.6
-2 h 478 -3.7
-4 h 478 -5.3
-6 h 448 -0.1
-8 h 465 -2.0
-10 h 435 -3.3
-12 h 400 +0.8

磁気圏 (NICT)
時刻
JST
環電流
nT
沖縄擾乱
nT
09:29 - -3/ 14
-2 h - -6/ 5
-4 h -18 -3/ 19
-6 h -22 5/ 14
-8 h -19 0/ 4
-10 h -16 0/ 6
-12 h -15 -/ -

放射線 (GOES)
時刻
JST
プロトン
10MeV
電子
2MeV
最新 33 1x10^2
6/ 8 73 8x10^2
6/ 7 53 5x10^2
6/ 6 5 4x10^2
6/ 5 4 2x10^4
6/ 4 0 1x10^4

静か 激しい 非常に


















リアルタイムデータ
27日周期短期 (swnews)
黒点群番号 (SOHO)
SDO黒点動画 (SDO)
太陽X線 (GOES)
SolarMonitor (TCD)
EIT195 (SOHO)
AIA193動画 (SDO)
AIA304動画 (SDO)
EIT284 (SOHO)
LASCO C2 (SOHO)
LASCO C3 (SOHO)
STEREO (STEREO)
コロナホール (NAOJ)
太陽風 1日 (ACE)
太陽風 7日 (ACE)
セクター構造 (NICT)
太陽放射線 (GOES)
衛星磁場 (GOES)
衛星電子 (GOES)
衛星環境 (GOES)
衛星電子予測 (JAXA)
沖縄磁場変動 (NICT)
Dst予測 (NICT)
AE指数 (NICT)
AE指数 (京都大学)
Dst (京都大学)
NICT磁力計 (NICT)
シベリア磁場 (NICT)
昭和基地磁場 (NICT)
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情報ページ
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これまでの経過 (過去のニュースの 閲覧全リスト)
2011/ 6/ 4 14:36 太陽風は低速になっています。明日以降、CMEによる太陽風の乱れが始まりそうです。
2011/ 6/ 5 11:01 太陽風の乱れが到来しました。強い磁場の変化を受けて、オーロラ活動が強まっています。
2011/ 6/ 6 11:51 CMEによる太陽風の乱れは終息に近づいています。太陽ではフィラメントの噴出が発生しています。
2011/ 6/ 7 10:42 太陽風は平均的な速度になり、磁気圏活動も穏やかです。
2011/ 6/ 7 21:17 M2.5の中規模フレアが発生し、CMEが激しく噴出しています。
最新のニュース

2011/ 6/ 8 12:02 更新
昨日、M2.5の中規模フレアに伴って、非常に激しいCMEが発生しています。

担当 篠原

昨夜、速報でお知らせしましたが、
昨日の7日15時(世界時7日6時)に、太陽南西部(右下)の1226黒点群で、
M2.5の中規模フレアが発生しました。
フレアとしては、特に大きな現象ではないのですが、
とても華々しいCME(太陽ガスの放出現象)を起こしています。


京都大学の柴田一成先生(お勧め記事)にお願いして、
この現象についてコメントを頂きました。

大変おもしろいフィラメント噴出ですね。
おそらくかなり質量が含まれていたのでしょう。
かなり落下していますね。
また、散り散りばらばらに飛び散っている様子が珍しいと思います。
落下物で太陽表面が光っているのも珍しいです。
黒点もそれほど大きいわけではないので、
コロナ磁場の強さは大したことはないのでしょう。
それで磁場による噴出物のコントロールが効かず、
普通のフィラメント噴出で見られる規則正しい筋模様形状が
あまり顕著ではないのかもしれません。
まるで地球大気中の爆発のように見えます。

柴田一成


CMEの様子は、英文ですが、
Spaceweather.com ( 6月7日記事6月8日記事(明日以降)) でも紹介されています。
海の向こうでも興奮している様子が伝わってきます。

掲載してるSDO AIA193は昨夜と同じ動画です。
同じSDOのAIA304は、データが更新されていたので、時間を延長しました。
SOHOについては、噴出前後の写真が追加されていたので、
その部分を含めて時間を延長しています。

また、STEREO Aheadの様子も掲載します。
地球のある左側に向かって、
コロナのガスが激しく噴き出している様子が撮影されています。


こうして画像を充実させてしまった結果、
昨夜よりさらに負荷の重いページになってしまいました。
昨夜は、速報の公開直後にTwitter経由のアクセスが急増して、
サーバーがダウンするという事態になりました。
ふと気付くと、CPUの負荷が100%に達し、
サーバーは何もページを送信しない状態になっていたのです。
ある意味とてもエキサイティングな体験でした。

そのお陰で、現在の運用環境の様々な限界が見えてきたのですが、
今日のこの記事も更に厳しい状態になるかもしれません。
サーバーのダウンは避けたいと思っていますが、
ページの表示がたいへん重くなるのではないかと思います。
しかし、削るには惜しい写真ばかりですので、どうかのんびりとお待ち下さい。


今回のCMEは、地球から見ると太陽の端近くで発生しているので、
普通であれば地球への影響はあまり及ばないのですが、
今回のCMEは噴出がすごいため、地球方向へもガスが飛びだしている様です。
SOHO LASCO C3(青の写真)を良く見ると、
とても淡いガスになりますが、太陽全体を囲む様に広がっているのが見えます。
これは、噴き出したガスが地球方向に向かっている時の特徴的な見え方です。

ただし、噴出の周辺部ですし、フレアの規模としても特に大きくはなかったので、
特別激しい擾乱が地球へ来ることはないのではないかと思います。
(普通に見られる程度の激しい擾乱にはなるかもしれません)
6月10日、11日頃の太陽風の変化に注目してください。


今回のフレア、CMEでは、太陽放射線も増加しています。
昨日の図よりももう少し高まって、最高は70くらいになっています。
現在は、30程度に下がっていますが、警戒レベルは続いています。



それでは、現在の太陽風ですが、
昨夜より速度が上がって、500km/秒と高速風に入っています。
磁場強度も、一時、10nTに強まりましたが、現在は5nTと落ち着きつつあります。

磁場が強まって、南を向いているため、
磁気圏のオーロラ活動も、AE500程度と中規模の変化が発生しています。

この高速風の原因は、SDOでははっきりとは見えませんでしたが、
弱いコロナホールがあったのかもしれません。
この高速風は、それほど長く続かないだろうと思います。
(CMEによる擾乱は別の要因として)


太陽の活動は、昨日のM2.5以降は穏やかです。
M2.5のフレアを起こした1226黒点群は、
今日の写真では見えなくなっています。



SDO衛星のAIA193カメラによる、M2.5のフレアの様子。フレアの後にコロナのガスが噴出する様子が見えている。
(c) SDO (NASA)、 (動画加工 : 宇宙天気ニュース)


SDO衛星のAIA304カメラによる、M2.5のフレアの様子。コロナのガスが激しく噴き上がっている。
(c) SDO (NASA)、 (動画加工 : 宇宙天気ニュース)


SOHO LASCO C2、C3カメラによる、CMEの様子。
(c) SOHO (ESA & NASA)、 (動画加工 : 宇宙天気ニュース)


STEREO Aheadによる、CMEの様子。地球は左方向にあります。
(c) STEREO (NASA)、 (動画加工 : 宇宙天気ニュース)


SDO衛星のAIA193カメラによる太陽コロナの様子
(c) SDO (NASA)



SDO衛星による太陽の可視光写真。マウスの矢印を写真に重ねると、黒点番号付きの写真に切り替わります。
(c) SDO (NASA)



ACEが観測した太陽風の磁場(1番上の枠、白線は全体の強度、赤線は南北成分)
および、太陽風の密度(3番目の橙線)、速度(4番目の黄線)
(c) NOAA/SWPC



GOES衛星の太陽X線データ
(c) NOAA/SWPC



GOES衛星の太陽放射線データ
(c) NOAA/SWPC



ACEが観測した太陽風の磁場(1番上の枠、白線は全体の強度、赤線は南北成分)
および、太陽風の密度(3番目の橙線)、速度(4番目の黄線)
(c) NOAA/SWPC



リアルタイムAE指数
下段のAEグラフの値が高くなると、オーロラ活動が活発化しています。
(c) 京都大学, NICT



27日の太陽周期に合わせたデータプロット
太陽が同じ面を地球に向けていた27日前の変化から、今後を予想することができます。
(c) 作図:宇宙天気ニュース
太陽X線
○はM以上
太陽風速度
km/sec
セクター
Bx (nT)
IMF Bz,Bt
nT
沖縄変動
nT
沖縄短期変動
nT
静止軌道電子
/cm^2 s sr
太陽X線
○はM以上
太陽風速度
km/sec
セクター
Bx (nT)
IMF Bz,Bt
nT
沖縄変動
nT
沖縄短期変動
nT
静止軌道電子
/cm^2 s sr
GOES衛星による、静止衛星軌道における高エネルギー電子の変化
(c) NOAA/SWPC




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このニュースについて、コメントなどがありましたら、
篠原 学( shino@kagoshima-ct.ac.jp )宛てお知らせ下さい。