宇宙天気ニュース (これは過去のニュースです)

 
当時「情報通信研究機構宇宙環境計測グループ」よりお届けした記事です
太陽フレア・磁気嵐・オーロラ活動など、宇宙天気の最新情報をお知らせするページです。

ニュース発行時の
宇宙天気概況

Y. Obana
最新状況 (08:51)
太陽フレアは静かです。
太陽風の速度が高くなっています。
磁気圏は静かです。
太陽放射線と放射線帯電子はともに静穏です。

フレア (GOES)
発生日 JST 検出
11/26 --- ---
11/25 --- ---
11/24 --- ---

黒点 11/25 (NOAA)
磁場 フレア
なし --- --- ---

太陽風 (ACE)
時刻
JST
速度
km/s
南北磁場
nT
08:45 598 -0.3
-2 h 577 +0.7
-4 h 584 +2.4
-6 h 567 +1.4
-8 h 578 +0.8
-10 h 587 +2.5
-12 h 593 +0.6

磁気圏 (NICT)
時刻
JST
環電流
nT
沖縄擾乱
nT
07:59 -16 18/ 6
-2 h -15 17/ 9
-4 h -17 15/ 8
-6 h -18 9/ 8
-8 h -19 8/ 16
-10 h -19 6/ 16
-12 h -11 21/ 8

放射線 (GOES)
時刻
JST
プロトン
10MeV
電子
2MeV
最新 0.2 1x10^1
11/26 0.6 2x10^1
11/25 0.7 5x10^1
11/24 0.9 4x10^1
11/23 0.6 5x10^1
11/22 0.6 5x10^1

静か 激しい 非常に


















リアルタイムデータ
27日周期 (NICT)
短期太陽風電子
太陽黒点 (SOHO)
太陽X線 (GOES)
活動領域 (NASA)
EIT284 (SOHO)
EIT195 (SOHO)
LASCO C2 (SOHO)
LASCO C3 (SOHO)
STEREO (STEREO)
コロナホール (NAOJ)
太陽風 1日 (ACE)
太陽風 7日 (ACE)
セクター構造 (NICT)
太陽放射線 (GOES)
衛星磁場 (GOES)
衛星電子 (GOES)
衛星環境 (GOES)
衛星電子予測 (JAXA)
沖縄磁場変動 (NICT)
Dst予測 (NICT)
AE指数 (NICT)
AE指数 (京都大学)
Dst (京都大学)
NICT磁力計 (NICT)
シベリア磁場 (NICT)
昭和基地 (NICT)
オーロラ帯 (CARISMA)
Alaskaカメラ (SALMON)

情報ページ
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宇宙環境計測グループ
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これまでの経過 (過去のニュースの全リスト)
2008/11/21 09:03 太陽風は低速で、磁気圏活動も静穏です。コロナホールが太陽の中心に近づいています。
2008/11/22 10:35 太陽風の速度は280km/秒とかなり低速になっています。磁気圏も静穏です。
2008/11/23 15:43 太陽風は290km/秒と低速で、磁気圏もとても静かです。コロナホールが太陽の中心に来ています。
2008/11/24 10:14 太陽風は、280km/秒と低速で、磁気圏も穏やかです。今後、高速太陽風の回帰が始まります。
2008/11/25 09:03 太陽風の速度は270km/秒に下がり、かなり低速です。高速風の到来が近づいています。
最新のニュース

2008/11/26 08:51 更新
高速太陽風が始まりました。速度は600km/秒に上昇しています。オーロラ活動もある程度発生しています。

担当 篠原

高速の太陽風が、一気に始まりました。
昨日のニュースの直後から、太陽風磁場(ACEの白線)は強まり始め、
それまでの3nTから、6時間ほどで20nTを超えるほどになりました。

磁場とともに、プラズマの密度(橙色線)も大きく増加しています。
こちらは、1個/cm^3から、40個/cm^3へと増加しています。

これらの変化による地上磁場の増加現象が、沖縄で観測されています。
沖縄の磁場データを見てください。
25日9時(世界時25日0時)に、20nTほどの急な増加が観測されています。
これは、太陽風の圧力が強まった(密度の増加による)ことで、
磁気圏が急に押しつぶされて発生した変化です。
磁気圏全体が圧縮されるため、この変化は沖縄に限らず、
世界各地で観測されています。


磁場強度が強まりきった25日12時(世界時25日3時)頃から、
太陽風の速度(ACEの黄色線)も上昇を始めました。
300km/ほどだった速度は、8時間ほどで600km/秒に上昇し、
一気に高速風が始まりました。

27日周期の図で、前周期の変化と比較してください。
磁場の強まりが非常に大きく、速度も短時間で大きく上昇しています。


この変化による磁気圏活動への影響は、それほど大きくなっていません。
AE指数では、500nTほどの小さめの中規模活動が断続的に発生している程度です。
その原因は、太陽風磁場の南北成分が、概ね北寄りで推移しているためです。
ACEの図に戻ると、磁場の南北成分(赤線)は、
最初の部分で-10nTを超えるほどの南向きを示していますが、
以降、北寄りに転じ、その後もほぼ0nTか、プラス側に偏っています。
速度が上がっても、磁気圏活動があまり強まっていないのはこのためです。


27日周期の図より見積もると、
高速太陽風は、これから3-4日程度続くと予想されます。
現在も磁場強度は5nTほどありますので、速度はもう少し上昇するかもしれません。

明日くらいまでは、磁気圏活動もある程度活発に続きそうです。
速度が高まっている間は、
磁場の傾向が南寄りになると、一気に活動度も増します。
注目してください。


放射線帯高エネルギー電子は、現在は低いレベルに留まっています。
今後、増加が始まると予想されますので、注意してください。

太陽は無黒点が続いています。
活動は静かです。



SOHO EIT195による、太陽コロナの様子。26日1時半(世界時25日16時半)。
(c) SOHO (ESA & NASA)


ACEが観測した太陽風の磁場(1番上の枠、白線は全体の強度、赤線は南北成分)
および、太陽風の密度(3番目の橙線)、速度(4番目の黄線)
(c) NOAA/SWPC



沖縄の磁場擾乱
下へ下がるほど、擾乱が発達している事を意味します。
(c) NICT



リアルタイムAE指数
下段のAEグラフの値が高くなると、オーロラ活動が活発化しています。
(c) 京都大学, NICT



シベリアで観測された3日間の磁場データ
右側の3分の1が、昨日のデータになります。グラフが上がったり下がったりすると、オーロラ活動が活発化しています。
(c) NICT



27日の太陽周期に合わせたデータプロット
太陽が同じ面を地球に向けていた27日前の変化から、今後を予想することができます。
(c) NICT
太陽X線
○はM以上
太陽風速度
km/sec
セクター
Bx (nT)
IMF Bz,Bt
nT
沖縄変動
nT
沖縄短期変動
nT
静止軌道電子
/cm^2 s sr
太陽X線
○はM以上
太陽風速度
km/sec
セクター
Bx (nT)
IMF Bz,Bt
nT
沖縄変動
nT
沖縄短期変動
nT
静止軌道電子
/cm^2 s sr
GOES衛星による、静止衛星軌道における高エネルギー電子の変化
(c) NOAA/SWPC



SOHO衛星のMDIカメラによる太陽黒点
(c) SOHO (ESA & NASA)



GOES衛星の太陽X線データ
(c) NOAA/SWPC





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篠原 学( shino@kagoshima-ct.ac.jp )宛てお知らせ下さい。