宇宙天気ニュース (これは過去のニュースです)

 
当時「情報通信研究機構宇宙環境計測グループ」よりお届けした記事です
太陽フレア・磁気嵐・オーロラ活動など、宇宙天気の最新情報をお知らせするページです。

ニュース発行時の
宇宙天気概況

Y. Obana
最新状況 (11:35)
太陽フレアは静かです。
太陽風の速度が高くなっています。
磁気圏内が荒れています。
太陽放射線と放射線帯電子はともに静穏です。

フレア (GOES)
発生日 JST 検出
6/15 --- ---
6/14 --- ---
6/13 --- ---

黒点  6/15 (NOAA)
磁場 フレア
なし --- --- ---

太陽風 (ACE)
時刻
JST
速度
km/s
南北磁場
nT
11:30 604 -1.2
-2 h 523 +3.9
-4 h 566 -1.9
-6 h 468 -13.4
-8 h 436 +1.8
-10 h 349 +6.3
-12 h 314 -2.5

磁気圏 (NICT)
時刻
JST
環電流
nT
沖縄擾乱
nT
09:59 -20 3/ 33
-2 h -28 52/ 51
-4 h -40 19/ 22
-6 h -3 34/ 23
-8 h -4 41/ 11
-10 h -9 46/ 4
-12 h -9 33/ 23

放射線 (GOES)
時刻
JST
プロトン
10MeV
電子
2MeV
最新 0.2 1x10^1
6/15 0.6 4x10^2
6/14 0.6 3x10^2
6/13 0.6 4x10^2
6/12 0.5 5x10^2
6/11 0.7 7x10^2

静か 激しい 非常に


















リアルタイムデータ
27日周期 (NICT)
短期太陽風電子
太陽黒点 (SOHO)
太陽X線 (GOES)
活動領域 (NASA)
EIT284 (SOHO)
EIT195 (SOHO)
LASCO C2 (SOHO)
LASCO C3 (SOHO)
STEREO (STEREO)
コロナホール (NAOJ)
太陽風 1日 (ACE)
太陽風 7日 (ACE)
セクター構造 (NICT)
太陽放射線 (GOES)
衛星磁場 (GOES)
衛星電子 (GOES)
衛星環境 (GOES)
衛星電子予測 (JAXA)
沖縄磁場変動 (NICT)
Dst予測 (NICT)
AE指数 (NICT)
AE指数 (京都大学)
Dst (京都大学)
NICT磁力計 (NICT)
シベリア磁場 (NICT)
昭和基地 (NICT)
オーロラ帯 (CARISMA)
Alaskaカメラ (SALMON)

情報ページ
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宇宙環境計測グループ
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これまでの経過 (過去のニュースの全リスト)
2008/ 6/10 09:43 速度400km/秒の、平均的な太陽風になっています。しばらく穏やかな状態が続きます。
2008/ 6/11 10:06 太陽風の速度は370km/秒に下がり、磁気圏もとても穏やかです。
2008/ 6/12 10:06 太陽風は低速風になっています(320km/秒)。金星が太陽の東側に姿を現しました。
2008/ 6/13 10:23 太陽風の速度は300km/秒で安定し、低速状態が続いています。磁気圏もとても穏やかです。
2008/ 6/14 11:14 太陽風速度は低速で、磁気圏も穏やかです。これから高速風がやって来るでしょう。
最新のニュース

2008/ 6/15 11:35 更新
高速の太陽風が始まりました(600km/秒)。強い南向き磁場の影響で、強いオーロラ活動も発生しています。

担当 篠原

太陽風の乱れがやって来ました。
と言っても、昨日のニュースの直後ではなく、昨夜遅くになってからです。

昨日のニュースの頃の磁場の強まりは、高速風の始まりではなく、
そのまま、300km/秒程度の遅い太陽風が続きました。
そして、昨夜、14日21時(世界時14日12時)に、
太陽風磁場のセクターが切り替わり(ACEの図の水色線の跳び)
その頃から、本格的な乱れが始まりました。

初めに変化したのは、磁場でした。
強度が一気に15nT近くに上がり、その後も10〜15nTの範囲で強まった状態が続きました。
そして、プラズマの密度が10個/cm^3に増加。
続いて、速度が上昇を始め、6時間ほどで、15日7時(世界時14日22時)に600km/秒まで高まりました。


磁気圏の影響は、乱れの始まりでは、磁場が北寄りになっていたため、静かでしたが、
15日3時(世界時14日18時)頃から南にも大きく振れる様になり、
一時、-20nT近い強い南向きも発生しました。
この頃から、速度も高速になり、磁気圏への影響も一気に強まりました。

その結果、AE指数で最大1300nTに達する激しい変化が発生しています。
シベリアでも、西向きの強いオーロラ電流の変化が観測されています。


27日周期の図を見ると、高速風の始まりは、2日ほど早まりました。
コロナホールの広がりが、高速風領域の広がりをもたらしています。

現在の太陽風は、速度が600km/秒と高速になっていますが、
磁場強度は既に弱まり始め、5nT近くに下がっています。
このことから、速度の上昇は、一旦落ち着きそうです。
また、磁場強度が弱まったことから、強い南向きが発生する可能性もなくなり、
磁気圏の乱れも、今後は中規模程度にとどまると思われます。

SOHO EIT195では、コロナホールは、太陽の中心にどっかりと座っています。
ここからの速い太陽風が、地球に向かって飛び出しているところです。
高速風領域の主力は、まだこれからやって来ます。
高速風は、今後、5-6日程度続きそうです。


放射線帯の高エネルギー電子は、磁気圏の乱れを受けて、一気に数を減らしています。
しかし、この後、大きく増加すると思われますので、注意が必要です。

太陽は無黒点で、とても穏やかです。



SOHO衛星EIT195カメラの映像
(c) SOHO (ESA & NASA)

6/15 01:48 UT


ACEが観測した太陽風の磁場(1番上の枠、白線は全体の強度、赤線は南北成分)
および、太陽風の密度(3番目の橙線)、速度(4番目の黄線)
(c) NOAA/SWPC



リアルタイムAE指数
下段のAEグラフの値が高くなると、オーロラ活動が活発化しています。
(c) 京都大学, NICT



シベリアで観測された3日間の磁場データ
右側の3分の1が、昨日のデータになります。グラフが上がったり下がったりすると、オーロラ活動が活発化しています。
(c) NICT



27日の太陽周期に合わせたデータプロット
太陽が同じ面を地球に向けていた27日前の変化から、今後を予想することができます。
(c) NICT
太陽X線
○はM以上
太陽風速度
km/sec
セクター
Bx (nT)
IMF Bz,Bt
nT
沖縄変動
nT
沖縄短期変動
nT
静止軌道電子
/cm^2 s sr
太陽X線
○はM以上
太陽風速度
km/sec
セクター
Bx (nT)
IMF Bz,Bt
nT
沖縄変動
nT
沖縄短期変動
nT
静止軌道電子
/cm^2 s sr
GOES衛星による、静止衛星軌道における高エネルギー電子の変化
(c) NOAA/SWPC



SOHO衛星のMDIカメラによる太陽黒点
(c) SOHO (ESA & NASA)



GOES衛星の太陽X線データ
(c) NOAA/SWPC





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篠原 学( shino@kagoshima-ct.ac.jp )宛てお知らせ下さい。