宇宙天気ニュース (これは過去のニュースです)

 
当時「情報通信研究機構宇宙環境計測グループ」よりお届けした記事です
太陽フレア・磁気嵐・オーロラ活動など、宇宙天気の最新情報をお知らせするページです。

ニュース発行時の
宇宙天気概況

Y. Obana
最新状況 (10:25)
太陽フレアは静かです。
太陽風の速度がやや高くなっています。
磁気圏内が荒れています。
放射線帯電子が強くなっています。太陽放射線は静穏です。

フレア (GOES)
発生日 JST 検出
5/ 1 --- ---
4/30 --- ---
4/29 --- ---

黒点  5/ 1 (NOAA)
磁場 フレア
なし --- --- ---

太陽風 (ACE)
時刻
JST
速度
km/s
南北磁場
nT
10:19 509 +3.5
-2 h 511 +2.1
-4 h 475 +3.3
-6 h 435 +6.5
-8 h 418 -3.4
-10 h 387 -1.2
-12 h 383 -1.1

磁気圏 (NICT)
時刻
JST
環電流
nT
沖縄擾乱
nT
04:59 -15 6/ 37
-2 h -14 29/ 20
-4 h -16 12/ 5
-6 h -10 10/ 7
-8 h -14 16/ 3
-10 h -16 -/ -
-12 h -15 -/ -

放射線 (GOES)
時刻
JST
プロトン
10MeV
電子
2MeV
最新 0.2 3x10^3
5/ 1 0.6 1x10^4
4/30 0.5 1x10^4
4/29 0.6 2x10^4
4/28 0.4 3x10^4
4/27 0.7 5x10^4

静か 激しい 非常に


















リアルタイムデータ
27日周期 (NICT)
短期太陽風電子
太陽黒点 (SOHO)
太陽X線 (GOES)
活動領域 (NASA)
EIT284 (SOHO)
EIT195 (SOHO)
LASCO C2 (SOHO)
LASCO C3 (SOHO)
STEREO (STEREO)
コロナホール (NAOJ)
太陽風 1日 (ACE)
太陽風 7日 (ACE)
セクター構造 (NICT)
太陽放射線 (GOES)
衛星磁場 (GOES)
衛星電子 (GOES)
衛星環境 (GOES)
衛星電子予測 (JAXA)
沖縄磁場変動 (NICT)
Dst予測 (NICT)
AE指数 (NICT)
AE指数 (京都大学)
Dst (京都大学)
NICT磁力計 (NICT)
シベリア磁場 (NICT)
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オーロラ帯 (CARISMA)
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これまでの経過 (過去のニュースの全リスト)
2008/ 4/26 12:10 太陽風の速度は460km/秒に下がり、高速風は終わりに近づいています。放射線帯が強まっています。
2008/ 4/27 12:06 Bクラスのフレアが起こり、CMEが発生しています。太陽風はやや高速の状態が続いています。
2008/ 4/28 10:28 太陽風の速度は480km/秒と高まったままです。放射線帯も強まった状態が続いています。
2008/ 4/29 11:24 太陽風の速度は下がり、通常の状態に戻っています。今夜以降、CMEの影響がやって来そうです。
2008/ 4/30 10:57 太陽風は通常の速度に下がり、穏やかな状態です。CMEの影響はまだ見られません。
最新のニュース

2008/ 5/ 1 10:25 更新
太陽風の速度が、500km/秒に上がっています。高速風の始まりです。

担当 篠原

太陽風の乱れが始まりました。
昨日、4月30日15時(世界時4月30日6時)頃から、
太陽風の密度が、1個/cm^3から4個/cm^3に上がりました。
続いて、日が変わった5月1日0時(世界時4月30日15時)以降、本格的な変化が始まり、
密度、磁場強度、速度とそれぞれ増加しています。

密度は、10個/cm^3を超えて、40個/cm^3まで上がりました。
磁場強度も、5nTを超え、最大10nTくらいに強まっています。
速度は、それまでの400km/秒からゆっくり上がって、
現在500km/秒を超えたところです。
CMEの影響と、高速風の回帰の始まりが、一緒になってやって来たという印象です。


5月1日0時(世界時4月30日15時)から4時間ほどの、太陽風密度の大きな強まりが、
地球に特徴的な磁場変化を作っています。
今日、1枚めの図は、GOES衛星が観測した、静止軌道上の磁場変化です。
右端近くに、磁場が大きく強まった部分があります。
これは、太陽風の密度が高まったため、太陽風の圧力が強まり、
磁気圏がより圧縮されて、衛星周辺の磁場が強くなったのです。

この変化は、地上でも見られています。
沖縄の磁場変化を見て下さい。
5月1日1時(世界時4月30日16時)から4時間ほど、磁場が急に強まっています。
GOESと同じ磁場の強まりを見ているのだと思います。

ちなみに、太陽風の密度変化の時間から1時間ほど遅れていますが、
これは、ACEを通過した太陽風が地球へ到達するまでに、このくらいかかるためです。


さて、高速風の影響ですが、
速度の変化が始まる頃に、太陽風磁場が-7nTくらいに大きく南を向きました。
そのため、AE指数で700nTほどのオーロラ活動が発生しています。
しかし、それ以降は、太陽風磁場が北向きに変わったため、
磁気圏は穏やかになっています。

現在の太陽風は、速度500km/秒、磁場強度5nTと、それほど高まってはいません。
磁場が南向きになっても、急に大きく乱れることはないでしょう。

SOHO EIT195を見ると、コロナホールの本体部分は、
ちょうど今、太陽の中心から南半球へ大きく広がっています。
高速太陽風の本番はこれからです。


放射線帯高エネルギー電子は、今回の乱れの影響で、強度が下がっています。
しばらく低いレベルになるでしょう。

太陽はとても穏やかです。





GOES衛星が観測した北向き磁場の、3日間の変化。磁気圏が圧縮されたため、右端に急に上昇している部分がある。
(c) NOAA/SWPC


SOHO衛星EIT195カメラの映像
(c) SOHO (ESA & NASA)

5/ 1 00:48 UT


ACEが観測した太陽風の磁場(1番上の枠、白線は全体の強度、赤線は南北成分)
および、太陽風の密度(3番目の橙線)、速度(4番目の黄線)
(c) NOAA/SWPC



沖縄の磁場擾乱
下へ下がるほど、擾乱が発達している事を意味します。
(c) NICT



リアルタイムAE指数
下段のAEグラフの値が高くなると、オーロラ活動が活発化しています。
(c) 京都大学, NICT



シベリアで観測された3日間の磁場データ
右側の3分の1が、昨日のデータになります。グラフが上がったり下がったりすると、オーロラ活動が活発化しています。
(c) NICT



27日の太陽周期に合わせたデータプロット
太陽が同じ面を地球に向けていた27日前の変化から、今後を予想することができます。
(c) NICT
太陽X線
○はM以上
太陽風速度
km/sec
セクター
Bx (nT)
IMF Bz,Bt
nT
沖縄変動
nT
沖縄短期変動
nT
静止軌道電子
/cm^2 s sr
太陽X線
○はM以上
太陽風速度
km/sec
セクター
Bx (nT)
IMF Bz,Bt
nT
沖縄変動
nT
沖縄短期変動
nT
静止軌道電子
/cm^2 s sr
GOES衛星による、静止衛星軌道における高エネルギー電子の変化
(c) NOAA/SWPC



SOHO衛星のMDIカメラによる太陽黒点
(c) SOHO (ESA & NASA)



GOES衛星の太陽X線データ
(c) NOAA/SWPC





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篠原 学( shino@kagoshima-ct.ac.jp )宛てお知らせ下さい。