宇宙天気ニュース (これは過去のニュースです)

 
当時「情報通信研究機構宇宙環境計測グループ」よりお届けした記事です
太陽フレア・磁気嵐・オーロラ活動など、宇宙天気の最新情報をお知らせするページです。

ニュース発行時の
宇宙天気概況

Y. Obana
最新状況 (11:53)
太陽フレアは静かです。
太陽風が非常に高速です。
磁気圏内がやや活動的になっています。
放射線帯電子が非常に強くなっています。太陽放射線は静穏です。

フレア (GOES)
発生日 JST 検出
3/ 2 --- ---
3/ 1 --- ---
2/29 --- ---

黒点  3/ 2 (NOAA)
磁場 フレア
なし --- --- ---

太陽風 (ACE)
時刻
JST
速度
km/s
南北磁場
nT
11:42 706 -0.2
-2 h 748 +0.7
-4 h 742 -1.4
-6 h 761 -1.0
-8 h 771 +0.5
-10 h 749 +1.6
-12 h 748 +0.2

磁気圏 (NICT)
時刻
JST
環電流
nT
沖縄擾乱
nT
10:59 -16 -29/ 12
-2 h -19 -32/ 5
-4 h -17 -32/ 10
-6 h -15 -22/ 5
-8 h -15 -26/ 11
-10 h -18 -22/ 20
-12 h -16 -23/ 9

放射線 (GOES)
時刻
JST
プロトン
10MeV
電子
2MeV
最新 0.2 4x10^4
3/ 2 0.4 5x10^4
3/ 1 0.6 2x10^4
2/29 0.5 2x10^3
2/28 0.5 3x10^3
2/27 0.6 3x10^3

静か 激しい 非常に


















リアルタイムデータ
27日周期 (NICT)
短期太陽風電子
太陽黒点 (SOHO)
太陽X線 (GOES)
活動領域 (NASA)
EIT284 (SOHO)
EIT195 (SOHO)
LASCO C2 (SOHO)
LASCO C3 (SOHO)
STEREO (STEREO)
コロナホール (NAOJ)
太陽風 1日 (ACE)
太陽風 7日 (ACE)
セクター構造 (NICT)
太陽放射線 (GOES)
衛星磁場 (GOES)
衛星電子 (GOES)
衛星環境 (GOES)
衛星電子予測 (JAXA)
沖縄磁場変動 (NICT)
Dst予測 (NICT)
AE指数 (NICT)
AE指数 (京都大学)
Dst (京都大学)
NICT磁力計 (NICT)
シベリア磁場 (NICT)
昭和基地 (NICT)
オーロラ帯 (CARISMA)
Alaskaカメラ (SALMON)

情報ページ
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これまでの経過 (過去のニュースの全リスト)
2008/ 2/23 11:35 太陽風の速度はゆっくりと低下に向かっています。やがて通常の太陽風に戻りそうです。
2008/ 2/26 17:55 太陽風の速度は通常レベルで、磁気圏も比較的穏やかです。983黒点群が見えています。
2008/ 2/28 16:30 高速太陽風が始まりました。激しいオーロラ活動も起こっています。
2008/ 2/29 14:44 太陽風の速度がもう一段上昇して、600km/秒台に上がっています。活発な磁気圏活動が続いています。
2008/ 3/ 1 11:45 750km/秒のかなり速い高速太陽風になっています。オーロラ活動も活発に続いています。
最新のニュース

2008/ 3/ 2 11:53 更新
かなり高速の太陽風が続いています。後半に入りつつあるので、これから速度が下がるでしょう。

担当 篠原

たいへん高速の太陽風が続いています。
昨日のニュース以降、750〜800km/秒の高速風が安定して続いています。
コロナホール起源の高速風としては、かなり高い速度になっています。

一方、高速風領域としてはピークを過ぎつつある様です。
磁場強度は5nTをやや下回る様になりました。
速度も、ACEの最新のデータ(右端)では700km/秒近くに落ちており、
高速風は後半に入りつつあることをうかがわせています。


昨日以降のオーロラの活動は、やや規模が小さくなっています。
AE指数では、700nTくらいの中規模活動が何度も発生しており、活発ではありましたが、
昨日のAEの図と比べると、活発さが一段落ちていることは確かです。
時間の推移としても、後半は次第に変動が弱まっています。

これは、太陽風の磁場強度が弱まりつつあるため、
南向きの変動が小さくなっていることによります。
速度はたいへん高いのですが、もうひとつの要素である南向き磁場が弱まれば、
磁気圏へのエネルギーの流れ込みは弱まって行くのです。


高速太陽風は、これから速度の低下が始まると予想されます。
27日周期の図では、前周期は2月4-5日に速度の低下が見られました。
これは今周期の今日、明日に相当します。

ただ、今回は高速風がかなり強まっていますから、後半は少し長引くかもしれません。
今日の変化を見ると、ある程度予想も立つのではないかと思います。

また、この高速太陽風が通過した後、
今度は3月8日くらいから次の高速太陽風がやって来ます。


高速太陽風の影響で、放射線帯高エネルギー電子がかなり強まっています。
10,000のレベルを超えて、赤線のGOES11は50,000近くまで上がっています。
衛星の運用では障害が発生しやすくなっています。
更に、もう一段上がる可能性もあり、注意が必要です。
この高い状態は、1週間程度続く可能性があります。

太陽は無黒点で、たいへん穏やかです。





SOHO衛星EIT195カメラの映像
(c) SOHO (ESA & NASA)

3/ 2 02:00 UT


ACEが観測した太陽風の磁場(1番上の枠、白線は全体の強度、赤線は南北成分)
および、太陽風の密度(3番目の橙線)、速度(4番目の黄線)
(c) NOAA/SWPC



リアルタイムAE指数
下段のAEグラフの値が高くなると、オーロラ活動が活発化しています。
(c) 京都大学, NICT



シベリアで観測された3日間の磁場データ
右側の3分の1が、昨日のデータになります。グラフが上がったり下がったりすると、オーロラ活動が活発化しています。
(c) NICT



27日の太陽周期に合わせたデータプロット
太陽が同じ面を地球に向けていた27日前の変化から、今後を予想することができます。
(c) NICT
太陽X線
○はM以上
太陽風速度
km/sec
セクター
Bx (nT)
IMF Bz,Bt
nT
沖縄変動
nT
沖縄短期変動
nT
静止軌道電子
/cm^2 s sr
太陽X線
○はM以上
太陽風速度
km/sec
セクター
Bx (nT)
IMF Bz,Bt
nT
沖縄変動
nT
沖縄短期変動
nT
静止軌道電子
/cm^2 s sr
GOES衛星による、静止衛星軌道における高エネルギー電子の変化
(c) NOAA/SWPC



SOHO衛星のMDIカメラによる太陽黒点
(c) SOHO (ESA & NASA)



GOES衛星の太陽X線データ
(c) NOAA/SWPC





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篠原 学( shino@kagoshima-ct.ac.jp )宛てお知らせ下さい。