宇宙天気ニュース (これは過去のニュースです)

 
当時「情報通信研究機構宇宙環境計測グループ」よりお届けした記事です
太陽フレア・磁気嵐・オーロラ活動など、宇宙天気の最新情報をお知らせするページです。

ニュース発行時の
宇宙天気概況

Y. Obana
最新状況 (10:11)
太陽フレアは静かです。
太陽風が非常に高速です。
磁気圏の最新データがありません。
放射線帯電子がやや強くなっています。太陽放射線は静穏です。

フレア (GOES)
発生日 JST 検出
2/12 --- ---
2/11 --- ---
2/10 --- ---

黒点  2/12 (NOAA)
磁場 フレア
なし --- --- ---

太陽風 (ACE)
時刻
JST
速度
km/s
南北磁場
nT
10:06 720 +2.1
-2 h 694 +1.0
-4 h 674 +0.7
-6 h 675 +2.0
-8 h 665 -1.3
-10 h 670 -0.9
-12 h 705 -1.9

磁気圏 (NICT)
時刻
JST
環電流
nT
沖縄擾乱
nT
10:30 - -/ -
-2 h - -/ -
-4 h - -/ -
-6 h - -/ -
-8 h - -/ -
-10 h - -/ -
-12 h - -/ -

放射線 (GOES)
時刻
JST
プロトン
10MeV
電子
2MeV
最新 0.2 6x10^3
2/12 0.4 8x10^3
2/11 0.6 1x10^3
2/10 0.5 3x10^3
2/ 9 0.5 5x10^3
2/ 8 0.6 6x10^3

静か 激しい 非常に


















リアルタイムデータ
27日周期 (NICT)
短期太陽風電子
太陽黒点 (SOHO)
太陽X線 (GOES)
活動領域 (NASA)
EIT284 (SOHO)
EIT195 (SOHO)
LASCO C2 (SOHO)
LASCO C3 (SOHO)
STEREO (STEREO)
コロナホール (NAOJ)
太陽風 1日 (ACE)
太陽風 7日 (ACE)
セクター構造 (NICT)
太陽放射線 (GOES)
衛星磁場 (GOES)
衛星電子 (GOES)
衛星環境 (GOES)
衛星電子予測 (JAXA)
沖縄磁場変動 (NICT)
Dst予測 (NICT)
AE指数 (NICT)
AE指数 (京都大学)
Dst (京都大学)
NICT磁力計 (NICT)
シベリア磁場 (NICT)
昭和基地 (NICT)
オーロラ帯 (CARISMA)
Alaskaカメラ (SALMON)

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これまでの経過 (過去のニュースの全リスト)
2008/ 2/ 7 11:58 太陽風の速度は下がっていますが(380km/秒)、安定した南向き磁場のため、磁気圏がやや活動的になっています。
2008/ 2/ 8 12:23 太陽風がやや乱れています。明日くらいから高速太陽風がやって来そうです。
2008/ 2/ 9 10:17 太陽風は速度380km/秒で穏やかです。これから高速太陽風がやってきます。
2008/ 2/10 12:20 高速太陽風がこれから始まりそうです。太陽に小さな黒点が見えています。
2008/ 2/11 13:27 700km/秒の高速太陽風になっています。激しいオーロラ活動が発生しています。
最新のニュース

2008/ 2/12 10:11 更新
700km/秒の高速太陽風が続いています。オーロラ活動も活発に続いています。

担当 篠原

今日の1枚めの図は、1週間の太陽風のグラフです。
10日に始まった高速太陽風の、立ち上がりの様子がよく分かります。

速度(黄色線)の上昇は、世界時で10日に入ってしばらくたって始まりました。
一方、磁場強度(白線)と、プラズマ密度(橙色線)の上昇は、
速度よりも半日ほど早く、9日のうちに始まっています。
速度の高い太陽風に押し込まれた様な姿です。
コロナホールによる高速風が来る時は、時間的にこの様な変化が見られます。

磁場の南北成分(赤線)を見ると、
磁場強度が強まるとともに、大きく南北に振動していることが分かります。
頻繁に南向きが現れたため、磁気圏に大きなエネルギーが流れ込み、
一昨日、昨日と活発なオーロラ活動を引き起こしているのです。


現在の太陽風は、速度が700km/秒前後でたいへん高い速度を保っています。
最大で740km/秒まで上がっています。
磁場強度は5nTと、普通の強さです。
初めに書いた様に、南向き磁場が頻繁に起こっていて、磁気圏を刺激し続けています。

AE指数を見ると、500〜1000nTの中規模活動が大きく4回ほど発生しています。
磁気圏は活発な状態が続いています。
アラスカのライブカメラでも、きれいなオーロラの活動を見ることができました。
高速風が続いていますので、まだまだ活発なオーロラは続くでしょう。


今後の高速風ですが、
SOHO EIT195の太陽コロナ写真で、コロナホールの様子を27日前の写真と比べて下さい。
左が現在、右が27日前です。
ほとんど同じ分布をしています。
このため、今後の太陽風の変化も、前周期と同じ様な展開になりそうです。
そう見ると、2月17-18日まで、まだたっぷりと高速風が続きそうです。


放射線帯高エネルギー電子が、一気に増加しています。
青線のGOES11が、警戒ラインまであと一歩のところまで上がっています。
この後も増加して、警戒レベルに達することになるでしょう。
衛星の運用では、しばらく注意が必要になります。

太陽は無黒点で、とても穏やかです。



ACE衛星による、7日間の太陽風の変化。10日より高速の太陽風が始まっている。速度は黄色線、磁場強度は白線。
(c) NOAA/SWPC


SOHO衛星EIT195カメラの映像
(c) SOHO (ESA & NASA)

2/12 00:36 UT

1/16 00:36 UT


ACEが観測した太陽風の磁場(1番上の枠、白線は全体の強度、赤線は南北成分)
および、太陽風の密度(3番目の橙線)、速度(4番目の黄線)
(c) NOAA/SWPC



リアルタイムAE指数
下段のAEグラフの値が高くなると、オーロラ活動が活発化しています。
(c) 京都大学, NICT



シベリアで観測された3日間の磁場データ
右側の3分の1が、昨日のデータになります。グラフが上がったり下がったりすると、オーロラ活動が活発化しています。
(c) NICT



27日の太陽周期に合わせたデータプロット
太陽が同じ面を地球に向けていた27日前の変化から、今後を予想することができます。
(c) NICT
太陽X線
○はM以上
太陽風速度
km/sec
セクター
Bx (nT)
IMF Bz,Bt
nT
沖縄変動
nT
沖縄短期変動
nT
静止軌道電子
/cm^2 s sr
太陽X線
○はM以上
太陽風速度
km/sec
セクター
Bx (nT)
IMF Bz,Bt
nT
沖縄変動
nT
沖縄短期変動
nT
静止軌道電子
/cm^2 s sr
GOES衛星による、静止衛星軌道における高エネルギー電子の変化
(c) NOAA/SWPC



SOHO衛星のMDIカメラによる太陽黒点
(c) SOHO (ESA & NASA)



GOES衛星の太陽X線データ
(c) NOAA/SWPC





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篠原 学( shino@kagoshima-ct.ac.jp )宛てお知らせ下さい。