宇宙天気ニュース (これは過去のニュースです)

 
当時「情報通信研究機構宇宙環境計測グループ」よりお届けした記事です
太陽フレア・磁気嵐・オーロラ活動など、宇宙天気の最新情報をお知らせするページです。

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これまでの経過 (過去のニュースの全リスト)
2007/ 8/29 08:51 高速の太陽風が続いています。オーロラも活発でした。今朝より速度が下がり始めた様です。
2007/ 8/30 10:11 500km/秒の高速太陽風が続いています。この後、地球は高速風を抜け出すでしょう。
2007/ 8/31 10:17 太陽風の速度が下がり、通常の状態に戻っています。明日くらいから、次の高速風がやって来るでしょう。
2007/ 9/ 1 12:02 穏やかな太陽風が続いています。これから、高速風がやって来るでしょう。
2007/ 9/ 2 11:09 太陽風の速度がゆっくりと上昇し、高速風になっています。オーロラも活発化しつつあります。
最新のニュース

2007/ 9/ 3 10:22 更新
太陽風は600km/秒台の高速風になっています。かなり活発なオーロラ活動も見られています。

担当 篠原

昨日のニュースのすぐ後、
太陽風の速度はもう一段上がって、600km/秒になりました
2日22時(世界時2日13時)くらいからは、更に640km/秒くらいに上がっています。
今周期も、かなり高速の太陽風となりました。
今朝に入って少し下がって、現在の速度はちょうど600km/秒です。

太陽風の磁場強度は、速度の上昇とともに10nTから5nTへ下がっています。
太陽風の密度も減少しており、高速風は速度のピークの領域に入っていると思われます。


太陽風磁場の南北成分を見ると、-5nTくらいの南向きが度々現れています。
速度が600km/秒台に上がっているので、オーロラ活動がかなり活発になっています。
AE指数では、1000nTを超える激しい変動が観測されています。
シベリアのデータも乱れっぱなしになっていて、その振幅も大きいです。
極域ではにぎやかなオーロラを観望することができたでしょう。


太陽風の磁場強度は、5nTのレベルを保っており、
本格的な速度の低下はもう少し先だと思います。
600km/秒台の速度が、今日いっぱいは続くかもしれません。

そして、SOHO EIT284の太陽写真を見てください。
最後尾のコロナホールが、ちょうど太陽の中心部を通過しているところです。
ここの影響は、3-4日後に地球にやって来ますので、
そのくらいまでは太陽風の高速状態が続くでしょう。
ただ、600km/秒台が続くということはなく、
明日くらいからは500km/秒台に下がるのではないかと思います。


放射線帯の高エネルギー電子の密度が一気に増加しています。
GOES11(青線)の方は、警戒ラインである10,000の線に達しつつあります。
これから更に増加すると予想されますので、衛星の運用などでは注意が必要です。

太陽面では、969黒点群が西に没して行きました。
現在見えているのは、970黒点群だけです。
X線のグラフは、低いレベルで小さな変動が見えています。
969黒点群による変化ではないかと思うのですが、
そうであれば、この後は静かになるでしょう。
引き続き変化が残るようであれば、970群が発生源だったということになります。




SOHO衛星EIT284カメラの映像
(c) SOHO (ESA & NASA)

最新映像


ACEが観測した太陽風の磁場(1番上の枠、白線は全体の強度、赤線は南北成分)
および、太陽風の密度(3番目の橙線)、速度(4番目の黄線)
(c) NOAA/SEC



シベリアで観測された3日間の磁場データ
右側の3分の1が、昨日のデータになります。グラフが上がったり下がったりすると、オーロラ活動が活発化しています。
(c) NICT



27日の太陽周期に合わせたデータプロット
太陽が同じ面を地球に向けていた27日前の変化から、今後を予想することができます。
(c) NICT
太陽X線
○はM以上
太陽風速度
km/sec
セクター
Bx (nT)
IMF Bz,Bt
nT
沖縄変動
nT
沖縄短期変動
nT
静止軌道電子
/cm^2 s sr
太陽X線
○はM以上
太陽風速度
km/sec
セクター
Bx (nT)
IMF Bz,Bt
nT
沖縄変動
nT
沖縄短期変動
nT
静止軌道電子
/cm^2 s sr
GOES衛星による、静止衛星軌道における高エネルギー電子の変化
(c) NOAA/SEC



SOHO衛星のMDIカメラによる太陽黒点
(c) SOHO (ESA & NASA)



GOES衛星の太陽X線データ
(c) NOAA/SEC





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篠原 学( shino@kagoshima-ct.ac.jp )宛てお知らせ下さい。