宇宙天気ニュース (これは過去のニュースです) |
|
当時「情報通信研究機構宇宙環境計測グループ」よりお届けした記事です |
|
太陽フレア・磁気嵐・オーロラ活動など、宇宙天気の最新情報をお知らせするページです。 |
| ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
|
2007/ 8/11 10:45 更新 高速の太陽風がやって来ました(550km/秒)。オーロラも活発に活動しています。 担当 篠原 高速の太陽風がやって来ました。現在の速度は550km/秒です。 10日17時(世界時10日8時)頃から、太陽風の磁場強度が本格的に上がり始めました。 それまでの5nTから、6時間後の10日23時(世界時10日14時)には、15nTにまで強まりました。 そして、ちょうどその頃から速度が上昇を始め、 400km/秒から、4時間ほどで570km/秒にまで上がりました。 この後、速度の変化は止まり、550km/秒の高速風が7時間続いています。 速度が上がり始めるとともに、磁場強度は弱まって行き、5nTに戻りました。 このことから、高速風は既に最高速度の状態になっていると思われます。 太陽風磁場が強まった時に、南北成分がかなり南に偏った状態になりました。 -5nTから、最大で-10nTに達する南向きが、8時間近く続いています。 この影響で、オーロラ活動が活発化しました。 速度が高まる前だったので、規模自体は中規模に留まっていますが、 AE指数で500〜1000nTの変動が半日に渡って続いています。 シベリアの磁場データも、右側のところで急に大きな活動を記録しています。 プラス側に大きく上がっているのも、マイナス側に大きく下がっているのも、 それぞれオーロラ電流の影響です。 観測点の上空を流れた電流が、 東を向いていたか、西を向いていたかの違いによるものです。 オーロラ活動の影響は、沖縄の磁場も乱しています。 10日21時〜11日3時(世界時10日12-18時)に見える細かい上下動は、 磁気圏が乱れたために発生した変化です。 27日周期の図を見てください。 前周期と同様のタイミングで太陽風の変化がやって来ました。 太陽風磁場の南向きが強まるという傾向も良く似ています。 今後も、前回と同様の経過をたどると考えると、速度が高いのも今日までで、 明日以降はゆっくりと通常の速度へと戻って行くでしょう。 磁場強度が弱まって来ているので、 今後のオーロラ活動は規模が小さくなって行くと思われます。 放射線帯の高エネルギー電子は、今回の磁気圏変動の影響で、 一気に数を減らしています。 この後、高速風の影響で再び増加すると思われますが、 高速風の規模から考えると、大きく増加することはないだろうと思います。 太陽のフレア活動は穏やかです。 966黒点群が次第に西へ移動しています。 SOHO衛星のEIT284カメラの映像 (c) SOHO (ESA & NASA)
ACEが観測した太陽風の磁場(1番上の枠、白線は全体の強度、赤線は南北成分) および、太陽風の密度(3番目の橙線)、速度(4番目の黄線) (c) NOAA/SEC シベリアで観測された3日間の磁場データ 右側の3分の1が、昨日のデータになります。グラフが上がったり下がったりすると、オーロラ活動が活発化しています。 (c) NICT 沖縄の磁場擾乱 下へ下がるほど、擾乱が発達している事を意味します。 (c) NICT 27日の太陽周期に合わせたデータプロット 太陽が同じ面を地球に向けていた27日前の変化から、今後を予想することができます。 (c) NICT
(c) NOAA/SEC GOES衛星の太陽X線データ (c) NOAA/SEC SOHO衛星のMDIカメラによる太陽黒点 (c) SOHO (ESA & NASA) | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
|