宇宙天気ニュース (これは過去のニュースです)

 
当時「情報通信研究機構宇宙環境計測グループ」よりお届けした記事です
太陽フレア・磁気嵐・オーロラ活動など、宇宙天気の最新情報をお知らせするページです。

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これまでの経過 (過去のニュースの全リスト)
2007/ 8/ 2 09:53 太陽風の速度は再び上昇し、600km/秒を超えています。オーロラも活動的になっています。
2007/ 8/ 3 10:42 太陽風の速度が下がり始めました。高速風は終盤を迎えています。
2007/ 8/ 4 11:40 太陽風の速度は下がり(400km/秒)、穏やかになっています。
2007/ 8/ 5 10:50 太陽風は低速になっています(350km/秒)。やがて次の高速風がやって来るでしょう。
2007/ 8/ 6 10:29 太陽風の速度は300km/秒に下がり、低速状態です。これからコロナホールの影響が始まるでしょう。
最新のニュース

2007/ 8/ 7 09:35 更新
高速太陽風が始まりました(600km/秒)。オーロラも活発に発生しています。

担当 篠原

太陽風の速度が上昇し、高速風が始まりました。
現在の速度は600km/秒で、引き続き上昇する可能性があります。

ACE衛星の観測によると、
昨夜、6日22時(世界時6日13時)頃から磁場強度が上昇を始めました。
それまでの5nTから、今朝、7日8時(世界時6日23時)には、
20nT近くにまで上昇しています。
そこでがくんと下がって、現在は10nTです。
それでも、まだ強まった状態です。

磁場強度が強まるとともに、太陽風の速度もゆっくりと上昇を始めたのですが、
磁場強度が最大に達したところで、一気に600km/秒に上がりました。
かなり高い速度ですが、磁場強度がまだ強まったままであることから、
もう一段上昇する可能性があります。


27日周期の図を見ると、高速風の始まりは前周期とそれほど変わりませんでした。
磁場強度の強まり具合もよく似ています。

SOHO EIT284の太陽写真を見ると、
最後尾のコロナホールがちょうど太陽の中心を通過しています。
これから1週間近くに渡って、太陽風は乱れた状態が続くでしょう。


太陽風の乱れが始まって、磁気圏活動も活発化しています。
磁場強度が強まるとともに、-5〜-7nT程度の強めの南向き磁場が続きました。
このため、AE指数では500nTから1000nTの中規模のオーロラ活動が観測されています。
シベリアの磁場データも活発に変化しています。

現在、速度が高まった上に、磁場強度も強まった状態が続いています。
太陽風磁場が南を向くことによって、活発な磁気圏擾乱が発生するでしょう。


放射線帯の高エネルギー電子は、減少の傾向にあります。
高速風が一段落着く頃から上昇に転じる可能性がありますので、
今後の変化に注目してください。

太陽では、966黒点群がC1の小規模フレアを2回起こしています。
黒点群の規模は特に変化がなく、今のところ活発な活動には繋がりそうにありません。
基本的に太陽は穏やかな状態を保ちそうです。




SOHO衛星EIT284カメラの映像
(c) SOHO (ESA & NASA)

最新映像


ACEが観測した太陽風の磁場(1番上の枠、白線は全体の強度、赤線は南北成分)
および、太陽風の密度(3番目の橙線)、速度(4番目の黄線)
(c) NOAA/SEC



シベリアで観測された3日間の磁場データ
右側の3分の1が、昨日のデータになります。グラフが上がったり下がったりすると、オーロラ活動が活発化しています。
(c) NICT



27日の太陽周期に合わせたデータプロット
太陽が同じ面を地球に向けていた27日前の変化から、今後を予想することができます。
(c) NICT
太陽X線
○はM以上
太陽風速度
km/sec
セクター
Bx (nT)
IMF Bz,Bt
nT
沖縄変動
nT
沖縄短期変動
nT
静止軌道電子
/cm^2 s sr
太陽X線
○はM以上
太陽風速度
km/sec
セクター
Bx (nT)
IMF Bz,Bt
nT
沖縄変動
nT
沖縄短期変動
nT
静止軌道電子
/cm^2 s sr
GOES衛星による、静止衛星軌道における高エネルギー電子の変化
(c) NOAA/SEC



SOHO衛星のMDIカメラによる太陽黒点
(c) SOHO (ESA & NASA)



GOES衛星の太陽X線データ
(c) NOAA/SEC





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篠原 学( shino@kagoshima-ct.ac.jp )宛てお知らせ下さい。