宇宙天気ニュース (これは過去のニュースです)

 
当時「情報通信研究機構宇宙環境計測グループ」よりお届けした記事です
太陽フレア・磁気嵐・オーロラ活動など、宇宙天気の最新情報をお知らせするページです。

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これまでの経過 (過去のニュースの全リスト)
2007/ 8/ 5 10:50 太陽風は低速になっています(350km/秒)。やがて次の高速風がやって来るでしょう。
2007/ 8/ 6 10:29 太陽風の速度は300km/秒に下がり、低速状態です。これからコロナホールの影響が始まるでしょう。
2007/ 8/ 7 09:35 高速太陽風が始まりました(600km/秒)。オーロラも活発に発生しています。
2007/ 8/ 8 13:20 600km/秒台の高速太陽風が続いています。オーロラ活動も活発です。
2007/ 8/ 9 12:05 太陽風の速度は450km/秒に下がりました。続いて、明日以降、もう一度高速風がやって来るでしょう。
最新のニュース

2007/ 8/10 10:48 更新
太陽風は通常の速度に戻り、磁気圏は穏やかです。これから次の高速風がやって来るでしょう。

担当 篠原

昨日450km/秒に速度を落としていた太陽風は、
その後も速度の低下が続き、現在は380km/秒と低速気味になっています。
磁場強度も2nTに弱まっていましたが、
こちらは逆に強まる傾向にあり、そろそろ6nTになろうとしています。

27日周期の図を見てください。
前周期は、7月14日(図は世界時です)に2回めの速度上昇が始まっています。
これを今周期にもってくると、ちょうど今くらいからとなります。
磁場強度の強まりは、次の高速風の始まりに繋がっているのではないかと思います。
これからしばらく、太陽風の変化に注目してください。

太陽風の変化が前周期と同様だとすると、
やって来る高速風は、比較的小規模となるでしょう。


太陽風の速度が普通のレベルに下がり、磁場強度も弱まっているため、
磁気圏のオーロラ活動は穏やかです。
シベリアの磁場データはほぼ平坦になっています。
AE指数でも、300nTくらいの小さな変化が見えている程度で、穏やかです。

高速風の始まりまでは、磁気圏はこのまま穏やかでしょう。
磁場強度が強まって、南向きが大きくなってくると、
オーロラも活発に変わります。


SOHO EIT284の太陽コロナを見ると、まん中にぽつんと明るい領域があります。
ここは、966黒点群です。
黒点の近くでは、コロナは逆に明るく光って見えます。

966黒点群の左右(東西)に、それぞれコロナホールが見えています。
今日の写真ではかなり淡いので、分かりにくいかもしれません。
右のコロナホールは、これから地球にやって来ると予想している高速風の発生源です。
左のコロナホールは、これから太陽の中心線を過ぎ、
その後、地球に高速風をもたらすでしょう。
27日周期の図で、7月20日に始まっている高速風の回帰です。
8月16日くらいになりそうです。


放射線帯の高エネルギー電子は、あっさりと増加が止まっています。
赤線のGOES11は、10,000まで達しませんでした。
それでも、高めの状態ですので注意してください。
この後に高速風が始まると、影響を受けて一気に減少すると思います。

太陽のフレア活動は穏やかです。
太陽写真では、966黒点群がまん中にぽつんと見えています。
SOHO EIT284と位置を比べてみてください。



SOHO衛星EIT284カメラの映像
(c) SOHO (ESA & NASA)

最新映像


ACEが観測した太陽風の磁場(1番上の枠、白線は全体の強度、赤線は南北成分)
および、太陽風の密度(3番目の橙線)、速度(4番目の黄線)
(c) NOAA/SEC



シベリアで観測された3日間の磁場データ
右側の3分の1が、昨日のデータになります。グラフが上がったり下がったりすると、オーロラ活動が活発化しています。
(c) NICT



27日の太陽周期に合わせたデータプロット
太陽が同じ面を地球に向けていた27日前の変化から、今後を予想することができます。
(c) NICT
太陽X線
○はM以上
太陽風速度
km/sec
セクター
Bx (nT)
IMF Bz,Bt
nT
沖縄変動
nT
沖縄短期変動
nT
静止軌道電子
/cm^2 s sr
太陽X線
○はM以上
太陽風速度
km/sec
セクター
Bx (nT)
IMF Bz,Bt
nT
沖縄変動
nT
沖縄短期変動
nT
静止軌道電子
/cm^2 s sr
GOES衛星による、静止衛星軌道における高エネルギー電子の変化
(c) NOAA/SEC



GOES衛星の太陽X線データ
(c) NOAA/SEC



SOHO衛星のMDIカメラによる太陽黒点
(c) SOHO (ESA & NASA)





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篠原 学( shino@kagoshima-ct.ac.jp )宛てお知らせ下さい。