宇宙天気ニュース (これは過去のニュースです) |
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当時「情報通信研究機構宇宙環境計測グループ」よりお届けした記事です |
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太陽フレア・磁気嵐・オーロラ活動など、宇宙天気の最新情報をお知らせするページです。 |
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2007/ 7/30 10:15 更新 高速の太陽風がやって来ました(550〜600km/秒)。オーロラ活動が続いています。 担当 篠原 高速の太陽風がやって来ました。 昨日のニュースの後、太陽風の速度はゆっくりと上がり続け、 半日ほど経過した昨夜、29日23時(世界時29日14時)に500km/秒になりました。 そこで急に上昇のペースが速くなり、 1時間後の30日0時(世界時29日15時)に600km/秒に達しました。 それから10時間ほど経過していますが、 現在も、550〜600km/秒の高速の太陽風が続いています。 速度の上昇が本格化するとともに、 太陽風の磁場強度、プラズマ密度は減少して行きました。 磁場強度は10nTから4nTに弱まり、密度は30個/cm^3から3個/cm^3程度に減少しています。 これらの様子から、高速風は既に最高速の領域に達していると思われます。 高速風の影響で、磁気圏ではオーロラ活動が活発化しています。 ただし、太陽風磁場の南北成分は北寄り(プラス側)に偏っていて、 磁気圏へのエネルギーの流れ込みはそれほど大きくないようです。 オーロラ活動は比較的小規模にとどまっています。 AE指数では500nT前後の活動が続いています。 その様子はシベリアの磁場データでも見られ、 小幅の変化が途絶えること無く続いています。 27日周期の図を見てください。 今回、高速風の到来は一日半程度早まりました。 磁場強度の乱れ方や、最高速度への上がり方などは、前周期と似ています。 今日はSTEREOの太陽写真を掲載していますが、 高速風の発生源であるコロナホールは、東西に長く広がり、 最後尾(左端)はまだ太陽の中心付近にあります。 このため、前周期と違って、高速風の継続期間はもっと長くなるのではないでしょうか。 コロナホールの広がりから見て、これから4日程度続く可能性もあると思います。 27日周期の図で、前周期との違いを見比べながら今後の変化を追ってみてください。 速度が再上昇したりなど、細かい変化が見られるかもしれません。 放射線帯の高エネルギー電子は、 太陽風の乱れに伴って、大きく減少しています。 今後、増加に転じると思われますので、明日以降の変化に注目してください。 太陽のフレア活動は穏やかです。 965黒点群が小さく太陽の中心付近に見えていますが、静かな領域です。 STEREO衛星紫外線望遠鏡EUVI195の太陽写真。7月30日6時(世界時7月29日21時) (c) NASA ACEが観測した太陽風の磁場(1番上の枠、白線は全体の強度、赤線は南北成分) および、太陽風の密度(3番目の橙線)、速度(4番目の黄線) (c) NOAA/SEC シベリアで観測された3日間の磁場データ 右側の3分の1が、昨日のデータになります。グラフが上がったり下がったりすると、オーロラ活動が活発化しています。 (c) NICT 27日の太陽周期に合わせたデータプロット 太陽が同じ面を地球に向けていた27日前の変化から、今後を予想することができます。 (c) NICT
(c) NOAA/SEC SOHO衛星のMDIカメラによる太陽黒点 (c) SOHO (ESA & NASA) GOES衛星の太陽X線データ (c) NOAA/SEC | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
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