宇宙天気ニュース (これは過去のニュースです)

 
当時「情報通信研究機構宇宙環境計測グループ」よりお届けした記事です
太陽フレア・磁気嵐・オーロラ活動など、宇宙天気の最新情報をお知らせするページです。

リアルタイムデータ
27日周期 (NICT)
短期太陽風電子
太陽黒点 (SOHO)
太陽X線 (GOES)
活動領域 (NASA)
EIT284 (SOHO)
EIT195 (SOHO)
LASCO C2 (SOHO)
LASCO C3 (SOHO)
STEREO (STEREO)
コロナホール (NAOJ)
太陽風 1日 (ACE)
太陽風 7日 (ACE)
セクター構造 (NICT)
太陽放射線 (GOES)
衛星磁場 (GOES)
衛星電子 (GOES)
衛星環境 (GOES)
衛星電子予測 (JAXA)
沖縄磁場変動 (NICT)
Dst予測 (NICT)
AE指数 (NICT)
Dst (京都大学)
NICT磁力計 (NICT)
シベリア磁場 (NICT)
昭和基地 (NICT)
オーロラ帯 (CARISMA)
Alaskaカメラ (SALMON)
オーロラ(衛星) (NICT)

情報ページ
宇宙天気用語集
宇宙天気日報
宇宙天気臨時情報
NICT宇宙天気情報センター
宇宙環境計測グループ
Space Environment Center
これまでの経過 (過去のニュースの全リスト)
2007/ 7/25 09:56 穏やかな宇宙天気が続いています。太陽風は低速(320km/秒)。無黒点が続いています。
2007/ 7/26 10:01 低速の太陽風が続き、磁気圏はとても穏やかです。これから高速風が始まると思われます。
2007/ 7/27 10:13 太陽風に乱れがやってきました。やや高速になっています(450km/秒)。
2007/ 7/28 12:12 太陽風の速度は下がり、通常の状態に戻りました。次のコロナホールが太陽の中心に来ています。
2007/ 7/29 10:50 太陽風に変化が見られ、高速風がやって来そうです。小さな黒点が出現しています。
最新のニュース

2007/ 7/30 10:15 更新
高速の太陽風がやって来ました(550〜600km/秒)。オーロラ活動が続いています。

担当 篠原

高速の太陽風がやって来ました。
昨日のニュースの後、太陽風の速度はゆっくりと上がり続け、
半日ほど経過した昨夜、29日23時(世界時29日14時)に500km/秒になりました。

そこで急に上昇のペースが速くなり、
1時間後の30日0時(世界時29日15時)に600km/秒に達しました。
それから10時間ほど経過していますが、
現在も、550〜600km/秒の高速の太陽風が続いています。

速度の上昇が本格化するとともに、
太陽風の磁場強度、プラズマ密度は減少して行きました。
磁場強度は10nTから4nTに弱まり、密度は30個/cm^3から3個/cm^3程度に減少しています。
これらの様子から、高速風は既に最高速の領域に達していると思われます。


高速風の影響で、磁気圏ではオーロラ活動が活発化しています。
ただし、太陽風磁場の南北成分は北寄り(プラス側)に偏っていて、
磁気圏へのエネルギーの流れ込みはそれほど大きくないようです。
オーロラ活動は比較的小規模にとどまっています。

AE指数では500nT前後の活動が続いています。
その様子はシベリアの磁場データでも見られ、
小幅の変化が途絶えること無く続いています。


27日周期の図を見てください。
今回、高速風の到来は一日半程度早まりました。
磁場強度の乱れ方や、最高速度への上がり方などは、前周期と似ています。

今日はSTEREOの太陽写真を掲載していますが、
高速風の発生源であるコロナホールは、東西に長く広がり、
最後尾(左端)はまだ太陽の中心付近にあります。
このため、前周期と違って、高速風の継続期間はもっと長くなるのではないでしょうか。
コロナホールの広がりから見て、これから4日程度続く可能性もあると思います。

27日周期の図で、前周期との違いを見比べながら今後の変化を追ってみてください。
速度が再上昇したりなど、細かい変化が見られるかもしれません。


放射線帯の高エネルギー電子は、
太陽風の乱れに伴って、大きく減少しています。
今後、増加に転じると思われますので、明日以降の変化に注目してください。

太陽のフレア活動は穏やかです。
965黒点群が小さく太陽の中心付近に見えていますが、静かな領域です。



STEREO衛星紫外線望遠鏡EUVI195の太陽写真。7月30日6時(世界時7月29日21時)
(c) NASA


ACEが観測した太陽風の磁場(1番上の枠、白線は全体の強度、赤線は南北成分)
および、太陽風の密度(3番目の橙線)、速度(4番目の黄線)
(c) NOAA/SEC



シベリアで観測された3日間の磁場データ
右側の3分の1が、昨日のデータになります。グラフが上がったり下がったりすると、オーロラ活動が活発化しています。
(c) NICT



27日の太陽周期に合わせたデータプロット
太陽が同じ面を地球に向けていた27日前の変化から、今後を予想することができます。
(c) NICT
太陽X線
○はM以上
太陽風速度
km/sec
セクター
Bx (nT)
IMF Bz,Bt
nT
沖縄変動
nT
沖縄短期変動
nT
静止軌道電子
/cm^2 s sr
太陽X線
○はM以上
太陽風速度
km/sec
セクター
Bx (nT)
IMF Bz,Bt
nT
沖縄変動
nT
沖縄短期変動
nT
静止軌道電子
/cm^2 s sr
GOES衛星による、静止衛星軌道における高エネルギー電子の変化
(c) NOAA/SEC



SOHO衛星のMDIカメラによる太陽黒点
(c) SOHO (ESA & NASA)



GOES衛星の太陽X線データ
(c) NOAA/SEC





この情報ページについて、コメント、要望などがありましたら、
篠原 学( shino@kagoshima-ct.ac.jp )宛てお知らせ下さい。