宇宙天気ニュース (これは過去のニュースです) |
|
当時「情報通信研究機構宇宙環境計測グループ」よりお届けした記事です |
|
太陽フレア・磁気嵐・オーロラ活動など、宇宙天気の最新情報をお知らせするページです。 |
| ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
|
2007/ 7/15 15:01 更新 600km/秒の高速太陽風がやってきました。南向き磁場の影響で、活発なオーロラ活動も発生しています。 担当 篠原 予想よりも立派な高速太陽風がやって来ました。 太陽風は、今朝、15日3時(世界時14日18時)までは、 400〜470km/秒の間を変化していて、やや高速といった状態でした。 しかし、その後、どんどん速度を上げて行き、現在、600km/秒にまで達しています。 かなり高速の太陽風です。 SOHO EIT284の太陽写真で見えていたコロナホールは、 規模が比較的小さいうえに、南に寄っていたので、 あまり大きな影響はないだろうと考えましたが、 実際には、このような高速風がやって来ました。 27日周期の図で、前周期(6月17日頃)の太陽風の様子と比較してください。 ほぼ安定して推移していた所に、急に磁場と速度の山ができています。 速度の上昇も重要ですが、 それに先立って、太陽風の磁場が長時間南を向いていました。 -6nTくらいの強さで、ほぼ半日、11時間続いています。 この影響で、磁気圏では活発なオーロラ活動が発生しています。 シベリアの磁場データを見てください。 この1日(右側3分の1)で、変化が急に激しくなっています。 AE指数でも、1000nTに達する激しい活動が連続して見られています。 この時点では、太陽風の速度はまだ大きく上昇していませんでした。 主に、南向き磁場の影響で、この活発な変動が起きたと見ることができます。 現在は太陽風磁場の強度が下がり、南向きも弱まっているので、 磁気圏の活動も落ち着きつつあります。 600km/秒にまで速度が上がった太陽風ですが、 高速風自体はそれほど長く続かないと思います。 それは、太陽風磁場の強さが、既に4nTに弱まっていることと、 発生源と見られるコロナホールの規模などから考えてです。 明日には速度はもう下がり始めるのではないでしょうか。 放射線帯の高エネルギー電子は、低いレベルに下がっています。 今回の高速風の影響がどの程度見られるのか、明日にかけての変化に注目です。 太陽のフレア活動はたいへん穏やかです。 963、964の黒点群は見えていますが、 昨日の写真と比べると、規模は小さくなっている様です。 今日は更新が遅くなり、申し訳ありませんでした。 SOHO衛星のEIT284カメラの映像 (c) SOHO (ESA & NASA)
ACEが観測した太陽風の磁場(1番上の枠、白線は全体の強度、赤線は南北成分) および、太陽風の密度(3番目の橙線)、速度(4番目の黄線) (c) NOAA/SEC シベリアで観測された3日間の磁場データ 右側の3分の1が、昨日のデータになります。グラフが上がったり下がったりすると、オーロラ活動が活発化しています。 (c) NICT 27日の太陽周期に合わせたデータプロット 太陽が同じ面を地球に向けていた27日前の変化から、今後を予想することができます。 (c) NICT
(c) NOAA/SEC SOHO衛星のMDIカメラによる太陽黒点 (c) SOHO (ESA & NASA) GOES衛星の太陽X線データ (c) NOAA/SEC | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
|