宇宙天気ニュース (これは過去のニュースです)

 
当時「情報通信研究機構宇宙環境計測グループ」よりお届けした記事です
太陽フレア・磁気嵐・オーロラ活動など、宇宙天気の最新情報をお知らせするページです。

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これまでの経過 (過去のニュースの全リスト)
2007/ 7/ 7 11:56 太陽風はやや速い状態で安定しています(450km/秒)。磁気圏は概ね静穏です。
2007/ 7/ 8 10:12 963黒点群が上がって来て、小さなフレア活動が起こっています。太陽風は穏やかです。
2007/ 7/ 9 12:12 963黒点群が小規模フレアを起こしています。太陽風、磁気圏は静穏です。
2007/ 7/10 11:10 963黒点群が、C4クラスの小規模フレアを起こしています。太陽風は低速で、穏やかです。
2007/ 7/11 08:23 963黒点群が活発に活動し、最大でC8.2の小規模フレアを起こしています。
最新のニュース

2007/ 7/12 08:10 更新
太陽風の速度が上昇し(590km/秒)、活発なオーロラ活動が発生しました。963群の活動は落ち着いています。

担当 篠原

活発に小規模フレアを起こしていた963黒点群は、
昨日に入って、一旦穏やかになり、
目立った活動は、11日21時(世界時11日12時)のB7.8の小さなフレアに留まっています。
963黒点群は規模が小さくなり、磁気的な複雑さも下がっているそうです。

963群の活動は、このまま落ち着いてしまうのかもしれません。
しかし、一日程度お休みして、また活発化するということも多いので、
もうしばらく様子を見る必要があるでしょう。


昨日は、太陽風の変化も大きくなっています。
ニュースの後、11日10時(世界時11日1時)頃から本格的に速度が上がり始め、
11日14時(世界時11日5時)頃に550km/秒へ達し、
その後もう一段上がって、
12日2時(世界時11日17時)以降は、590km/秒とかなり高い速度で安定しています。

速度が上り続けた頃、太陽風の磁場強度は10nTを超える強さを保っていました。
南北成分がゆっくりと大きく南北に変化し、
+10nTと大きく北を向いたり、-10nTまで大きく南を向いたりしています。

速度も上がっていたので、磁気圏への影響も大きくなりました。
AE指数では、800nTから1000nTに達する、活発なオーロラ活動が記録されています。

シベリアの磁場データも、かなり大きく変動しています。
今回のシベリアでは、観測した時間帯の関係で、プラス側に大きく振れています。
(この時、地球の別の場所では、大きくマイナスに変化しています)
白夜でなければ、アラスカなどできれいなオーロラが見えていたことでしょう。

沖縄の磁場データは、静穏レベル(青の横線)から、-50nTくらい減少しています。
弱い磁気嵐状態になっているようです。


現在の太陽風は、磁場強度が3nT近くに下がっています。
速度が高速なので、オーロラ活動が見られる可能性は続いていますが、
規模はだいぶ小さくなるでしょう。

磁場強度が下がったことで、高速風も最高速度の領域に入っていると思われます。
今後は、低下の傾向に向かうと思われますが、
数日前のSTEREEOの写真で紹介していた様に、
今回のコロナホールは、細長い形で不規則に分布していたので、
太陽風も、下がったり、上がったり、と不規則な変化をするかもしれません。

SOHO EIT284の写真でも、太陽の中心からやや南寄り(下寄り)に
コロナホールが見えています。
2日後くらいには、ここからの影響も考えられます。


放射線帯の高エネルギー電子は、一気に数を減らしています。
現在、高速状態が続いているので、今後の増加が予想されます。
変化に注意してください。




SOHO衛星EIT284カメラの映像
(c) SOHO (ESA & NASA)

最新映像


GOES衛星の太陽X線データ
(c) NOAA/SEC



SOHO衛星のMDIカメラによる太陽黒点
(c) SOHO (ESA & NASA)



ACEが観測した太陽風の磁場(1番上の枠、白線は全体の強度、赤線は南北成分)
および、太陽風の密度(3番目の橙線)、速度(4番目の黄線)
(c) NOAA/SEC



シベリアで観測された3日間の磁場データ
右側の3分の1が、昨日のデータになります。グラフが上がったり下がったりすると、オーロラ活動が活発化しています。
(c) NICT



27日の太陽周期に合わせたデータプロット
太陽が同じ面を地球に向けていた27日前の変化から、今後を予想することができます。
(c) NICT
太陽X線
○はM以上
太陽風速度
km/sec
セクター
Bx (nT)
IMF Bz,Bt
nT
沖縄変動
nT
沖縄短期変動
nT
静止軌道電子
/cm^2 s sr
太陽X線
○はM以上
太陽風速度
km/sec
セクター
Bx (nT)
IMF Bz,Bt
nT
沖縄変動
nT
沖縄短期変動
nT
静止軌道電子
/cm^2 s sr
GOES衛星による、静止衛星軌道における高エネルギー電子の変化
(c) NOAA/SEC





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篠原 学( shino@kagoshima-ct.ac.jp )宛てお知らせ下さい。