宇宙天気ニュース (これは過去のニュースです)

 
当時「情報通信研究機構宇宙環境計測グループ」よりお届けした記事です
太陽フレア・磁気嵐・オーロラ活動など、宇宙天気の最新情報をお知らせするページです。

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これまでの経過 (過去のニュースの全リスト)
2007/ 6/29 11:59 太陽風の速度は380km/秒で、まだ上昇は見られません。962黒点群が上がって来ました。
2007/ 6/30 10:27 太陽風の速度が上がりました(550km/秒)。磁気圏はあまり乱れていません。
2007/ 7/ 1 10:41 太陽風の速度は下がりつつあります。高速風は小規模のままでした。
2007/ 7/ 2 10:21 太陽風は普段の状態に戻りました(速度410km/秒)。磁気圏も概ね静穏です。
2007/ 7/ 3 12:39 太陽から、太陽風、磁気圏まで穏やかな状態が続いています。
最新のニュース

2007/ 7/ 4 10:17 更新
太陽風の乱れが来ています。速度が上がり(550km/秒)、オーロラも活発になっています。

担当 篠原

太陽風の速度が、350km/秒から550km/秒近くまで上昇しています。
小さなコロナホールが見えるので、多少の乱れが来るかも、
と書いていましたが、予想以上に立派な変化が起こっています。

太陽風の様子が変わったのは、3日19時(世界時3日10時)からです。
ACEの図を見ると、磁場の方向を示す水色の線が、
真ん中付近から、くるっと回って上の端にくっつくようになっています。

この変化は、27日周期の図では、セクターのグラフに対応します。
太陽風の磁場の大まかな方向が、「太陽から地球向き」から、
「地球から太陽向き」に切り替わったのです。
磁場の向きの反転は、太陽風が新しい領域に変わったと見ることもできます。


セクターが切り替わるとともに、磁場の強さが10nTにまで強まりました。
そして、速度がゆっくりと増加を始め、現在550km/秒に達しようとしています。
このように、セクターの境界が地球を通り過ぎるとともに、
太陽風の様子も切り替わるという傾向はよく見られます。
大きなコロナホールを伴う場合は、分かりやすいですが、
今回の様に、コロナホールが目立たない場合でも、
セクターが切り替わるとともに、太陽風がざわつくということがよく見られます。


磁場強度が強まったため、南北成分の振幅も大きくなっています。
そして、-5nT〜-8nTくらいの強い南向きがやって来ました。
この影響で、中規模のオーロラ活動が発生しています。
500nT〜800nTの変動がAE指数に記録されています。
シベリアの磁場データも、右端の昨日のところで、一気に活動的になっています。

現在は、磁場強度も8nT前後あり、速度も高まっているので、
オーロラ活動はより大きくなりやすい状況です。
今日いっぱいは、中規模の磁気圏活動が続く可能性があります。

ただし、コロナホールの規模が小さめだったことを考えると、
太陽風の乱れは、それほど長くは続かないだろうと思います。
明日には、もう、低下に向かうのではないでしょうか。


太陽のフレア活動は非常に静かです。
X線のグラフは全く変化がありません。
黒点群は、961群がひとつ見えているだけです。




SOHO衛星EIT284カメラの映像
(c) SOHO (ESA & NASA)

最新映像


ACEが観測した太陽風の磁場(1番上の枠、白線は全体の強度、赤線は南北成分)
および、太陽風の密度(3番目の橙線)、速度(4番目の黄線)
(c) NOAA/SEC



シベリアで観測された3日間の磁場データ
右側の3分の1が、昨日のデータになります。グラフが上がったり下がったりすると、オーロラ活動が活発化しています。
(c) NICT



27日の太陽周期に合わせたデータプロット
太陽が同じ面を地球に向けていた27日前の変化から、今後を予想することができます。
(c) NICT
太陽X線
○はM以上
太陽風速度
km/sec
セクター
Bx (nT)
IMF Bz,Bt
nT
沖縄変動
nT
沖縄短期変動
nT
静止軌道電子
/cm^2 s sr
太陽X線
○はM以上
太陽風速度
km/sec
セクター
Bx (nT)
IMF Bz,Bt
nT
沖縄変動
nT
沖縄短期変動
nT
静止軌道電子
/cm^2 s sr
GOES衛星の太陽X線データ
(c) NOAA/SEC



SOHO衛星のMDIカメラによる太陽黒点
(c) SOHO (ESA & NASA)





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篠原 学( shino@kagoshima-ct.ac.jp )宛てお知らせ下さい。