宇宙天気ニュース (これは過去のニュースです)

 
当時「情報通信研究機構宇宙環境計測グループ」よりお届けした記事です
太陽フレア・磁気嵐・オーロラ活動など、宇宙天気の最新情報をお知らせするページです。

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これまでの経過 (過去のニュースの全リスト)
2007/ 6/25 10:28 太陽風の速度が下がり、地球は高速風帯を抜け出しています。次のコロナホールが見えて来ました。
2007/ 6/26 10:02 太陽風は通常の速度で安定しています(420km/秒)。磁気圏は静穏です。
2007/ 6/27 10:13 コロナホールが太陽の中心に来ました。現在は低速風で、磁気圏は穏やかです。
2007/ 6/28 09:45 太陽風・磁気圏は、比較的穏やかな状態が続いています。960黒点群が再びこちら側に回り込んできそうです。
2007/ 6/29 11:59 太陽風の速度は380km/秒で、まだ上昇は見られません。962黒点群が上がって来ました。
最新のニュース

2007/ 6/30 10:27 更新
太陽風の速度が上がりました(550km/秒)。磁気圏はあまり乱れていません。

担当 篠原

ようやく太陽風の速度に変化が始まりました。
今日の未明、30日3時(世界時29日18時)頃に、
太陽風の速度が、350km/秒から550km/秒に一気に上がりました。
コロナホールの位置から考えると、遅めの到来になったと思います。
550km/秒という速度は、普通の高速風といったところです。

太陽風磁場も、速度の上昇と同じ頃に10nTに強まりました。
現在は、やや下がって8nTくらいです。
まだ、強めの状態ですので、もう一段速度が上昇する可能性はあります。
しかし、到来が遅めだったことも考えると、
今回は、あまり大きな高速風にはならないだろうと思われます。


太陽風磁場の南北成分は、0nT付近から、やや北寄りに推移しています。
そのため、磁気圏はそれほどの影響を受けていません。

ACEの図では、速度が上がった頃に、一時的に磁場が大きく南を向いています。
その影響で、AE指数で500nTくらいの中規模の活動が見られています。
この変化は、シベリアの磁場データでも見ることができます。
しかし、これ以降は穏やかで、目立った活動は見られません。

今後、太陽風磁場が南寄りに変わらなければ、
このまま比較的穏やかな状態が続くでしょう。
南向きに傾向が変わると、オーロラ活動も活発化します。

今回の高速風は、2〜3日程度続くのではないでしょうか。


放射線帯の高エネルギー電子は、磁気圏活動の影響で減少しています。
高速風の乱れ方が現状程度だと、今後大きく増加することはないように思われます。

太陽では、C1.1の小さな小規模フレアが起こっています。
発生箇所は962黒点群です。
X線のグラフでは、この他にもBクラスの小さな活動が活発に見られています。
962群はなかなか活動的な様子です。
ただし、黒点群の規模は小さいので、フレア活動は小規模なものに留まるでしょう。



SOHO衛星EIT284カメラの映像
(c) SOHO (ESA & NASA)

最新映像


ACEが観測した太陽風の磁場(1番上の枠、白線は全体の強度、赤線は南北成分)
および、太陽風の密度(3番目の橙線)、速度(4番目の黄線)
(c) NOAA/SEC



シベリアで観測された3日間の磁場データ
右側の3分の1が、昨日のデータになります。グラフが上がったり下がったりすると、オーロラ活動が活発化しています。
(c) NICT



27日の太陽周期に合わせたデータプロット
太陽が同じ面を地球に向けていた27日前の変化から、今後を予想することができます。
(c) NICT
太陽X線
○はM以上
太陽風速度
km/sec
セクター
Bx (nT)
IMF Bz,Bt
nT
沖縄変動
nT
沖縄短期変動
nT
静止軌道電子
/cm^2 s sr
太陽X線
○はM以上
太陽風速度
km/sec
セクター
Bx (nT)
IMF Bz,Bt
nT
沖縄変動
nT
沖縄短期変動
nT
静止軌道電子
/cm^2 s sr
GOES衛星による、静止衛星軌道における高エネルギー電子の変化
(c) NOAA/SEC



GOES衛星の太陽X線データ
(c) NOAA/SEC



SOHO衛星のMDIカメラによる太陽黒点
(c) SOHO (ESA & NASA)





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篠原 学( shino@kagoshima-ct.ac.jp )宛てお知らせ下さい。