宇宙天気ニュース (これは過去のニュースです)

 
当時「情報通信研究機構宇宙環境計測グループ」よりお届けした記事です
太陽フレア・磁気嵐・オーロラ活動など、宇宙天気の最新情報をお知らせするページです。

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これまでの経過 (過去のニュースの全リスト)
2007/ 6/ 8 08:03 小規模フレアが3回発生しました。960黒点群は縮小傾向が続いています。
2007/ 6/ 9 09:46 小規模フレアの発生が続いています。太陽風磁場南向きの影響で、磁気圏がやや乱れています。
2007/ 6/10 11:56 M1.0の中規模フレアが発生しました。しかし、960黒点群は弱まっています。
2007/ 6/11 10:22 太陽風は通常の状態で、オーロラ活動も見られています。960群は小規模フレアを起こしています。
2007/ 6/12 10:37 太陽風は低速で、磁気圏も穏やかです。細長くなったコロナホールが、太陽の中央に見えています。
最新のニュース

2007/ 6/13 10:03 更新
太陽風、磁気圏ともに穏やかです。明日くらいから、回帰性の高速風がやってくると思われます。

担当 篠原

穏やかな太陽風が続いています。
昨日より、太陽風の速度(ACE黄色線)は300km/秒と低速状態が続いています。
プラズマ密度(橙色線)の減少が見られていましたが、
今朝、13日5時(世界時12日20時)くらいに終わり、現在は2個/cm^3程度に戻っています。

太陽風の磁場強度(白線)は、4nTで通常のレベルです。
全体的に弱い南向きの傾向が見られます。
南北成分(赤線)は、-2nTくらいの南を向いている時間が続いています。

しかし、速度が遅いため、磁気圏へのエネルギーの流入は小さく、
オーロラ活動はほとんど見られません。
シベリアの磁場データは、ほぼ平坦です。


これから高速風の回帰が見られると予想されます。
27日周期の図を見てください。
先月の5月18日から始まった高速風です(図は世界時です)。
この日は、今周期では明日の6月14日に相当します。

これまで紹介したように、高速風の発生源であるコロナホールが、
今回はずいぶん規模が縮小しています。
これからどのような高速風がやってくるのか、興味が持たれます。

速度の上昇に先立って、磁場強度の上昇が始まると予想されます。
5月18日の変化でも、速度の上昇(緑色線)より半日ほど早く、
磁場強度の上昇(青線)がやって来ています。
これは、回帰性の高速風の到来を察知するひとつの方法です。

磁場強度が強まると、強い南向きによって磁気圏が活動的になりやすくなります。
高速風の始まりは、特に注意が必要です。


960黒点群は、次第に太陽の西端に近づいています。
Bクラスの小さなフレアを起こしていますが、すっかりおとなしくなりました。
この黒点が西に没するとともに、太陽は無黒点に戻りそうです。



SOHO衛星EIT284カメラの映像
(c) SOHO (ESA & NASA)

最新映像


ACEが観測した太陽風の磁場(1番上の枠、白線は全体の強度、赤線は南北成分)
および、太陽風の密度(3番目の橙線)、速度(4番目の黄線)
(c) NOAA/SEC



シベリアで観測された3日間の磁場データ
右側の3分の1が、昨日のデータになります。グラフが上がったり下がったりすると、オーロラ活動が活発化しています。
(c) NICT



27日の太陽周期に合わせたデータプロット
太陽が同じ面を地球に向けていた27日前の変化から、今後を予想することができます。
(c) NICT
太陽X線
○はM以上
太陽風速度
km/sec
セクター
Bx (nT)
IMF Bz,Bt
nT
沖縄変動
nT
沖縄短期変動
nT
静止軌道電子
/cm^2 s sr
太陽X線
○はM以上
太陽風速度
km/sec
セクター
Bx (nT)
IMF Bz,Bt
nT
沖縄変動
nT
沖縄短期変動
nT
静止軌道電子
/cm^2 s sr
SOHO衛星のMDIカメラによる太陽黒点
(c) SOHO (ESA & NASA)



GOES衛星の太陽X線データ
(c) NOAA/SEC





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篠原 学( shino@kagoshima-ct.ac.jp )宛てお知らせ下さい。