宇宙天気ニュース (これは過去のニュースです) |
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当時「情報通信研究機構宇宙環境計測グループ」よりお届けした記事です |
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太陽フレア・磁気嵐・オーロラ活動など、宇宙天気の最新情報をお知らせするページです。 |
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2007/ 6/12 10:37 更新 太陽風は低速で、磁気圏も穏やかです。細長くなったコロナホールが、太陽の中央に見えています。 担当 篠原 SOHO EIT284の太陽写真で、 現在と前周期のコロナホールの様子を比較してみましょう。 2枚掲載している写真の、左が最新の太陽、 右は27日前、ちょうど一回転分前の太陽です。 右の写真では、太陽の中心からやや下よりに、黒いコロナホールが丸く見えています。 一方、左の写真では、前周期(右の写真)にコロナホールがあったあたりに、 小さいですが明るい活動領域が発生しています。 その影響でしょう、コロナホールは端に追いやられてしまい、 暗く細い筋が斜めに長く伸びているように見えるだけです。 コロナホールは、太陽の磁場が太陽から外側に向かって大きく広がっている場所にできます。 太陽のコロナガスが磁場に沿って周囲に吹き出すため、 高温のガスが少なくなり、暗い穴の様に見えるのです。 一方、活動領域では、強い磁場が小さく固まって存在しています。 磁場が閉じているので、コロナガスが周辺に閉じ込められ、 明るく光って見えるのです。 2枚の写真を比較すると、 前周期(右の写真)のコロナホールがあった領域に活動領域が発生したために、 この辺りの太陽の磁場構造が変化して、 現在の様なコロナホールの分布に変わったのだと思われます。 コロナホールから吹き出している高速の太陽風も、 今周期は様子が変わっている可能性があります。 コロナホールが小さくなっているため、高速風の規模は縮小しているのではないかと思われます。 また、コロナホールの位置を見ると、より西側(右側)に伸びているようです。 このことから、太陽風に影響が現れるのが、1日程度早まるかもしれません。 27日周期の図で考えると、高速風は明後日の14日くらいに回帰して来ます。 これが13日からに早まるのか、 また、最高速が前回の650km/秒まで上がるのかどうかなど、 前周期との違いを見比べながら、今後の変化に注目してください。 現在の太陽風は、プラズマの密度が下がり、希薄な太陽風になっています。 通常の太陽風は、密度が数個/cm^3程度あるのですが、現在は、0.1-0.4個/cm^3に下がっています。 この影響で、速度の測定値がかなりばらついています。 これは、太陽風の観測装置の問題です。 現在の速度は、350km/秒程度の低速風になっているようです。 また、磁場強度は5nTと普通の状態です(磁場の観測装置には問題ありません)。 南北成分は0nT付近の小さな値となっており、磁気圏は概ね静穏です。 シベリアの磁場データはほとんど変化が見られません。 明日から、明後日にかけて、穏やかな状態が続くでしょう。 太陽のフレア活動はすっかり落ち着いています。 昨日のニュース以降はフレア活動は見られていません。 960黒点群はますます小さくなり、 2つ見えていた大きな黒点の片方が次第に見にくくなっています。 太陽はこのまま穏やかな状態が続くでしょう。 SOHO衛星のEIT284カメラの映像 (c) SOHO (ESA & NASA)
ACEが観測した太陽風の磁場(1番上の枠、白線は全体の強度、赤線は南北成分) および、太陽風の密度(3番目の橙線)、速度(4番目の黄線) (c) NOAA/SEC シベリアで観測された3日間の磁場データ 右側の3分の1が、昨日のデータになります。グラフが上がったり下がったりすると、オーロラ活動が活発化しています。 (c) NICT 27日の太陽周期に合わせたデータプロット 太陽が同じ面を地球に向けていた27日前の変化から、今後を予想することができます。 (c) NICT
(c) NOAA/SEC SOHO衛星のMDIカメラによる太陽黒点 (c) SOHO (ESA & NASA) | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
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