宇宙天気ニュース (これは過去のニュースです)

 
当時「情報通信研究機構宇宙環境計測グループ」よりお届けした記事です
太陽フレア・磁気嵐・オーロラ活動など、宇宙天気の最新情報をお知らせするページです。

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これまでの経過 (過去のニュースの全リスト)
2007/ 6/ 5 07:42 M8.9の大きな中規模フレアが発生しました。960黒点群は引き続き活動的です。
2007/ 6/ 6 07:39 960黒点群がC6.6の小規模フレアを起こしました。活動は弱まっている様です。
2007/ 6/ 7 07:46 C9.7の大きな小規模フレアが発生しました。太陽風は低速で、磁気圏は穏やかです。
2007/ 6/ 8 08:03 小規模フレアが3回発生しました。960黒点群は縮小傾向が続いています。
2007/ 6/ 9 09:46 小規模フレアの発生が続いています。太陽風磁場南向きの影響で、磁気圏がやや乱れています。
最新のニュース

2007/ 6/10 11:56 更新
M1.0の中規模フレアが発生しました。しかし、960黒点群は弱まっています。

担当 篠原

昨夜、10日22時半(世界時10日13時半)に、
960黒点群が、M1.0の小さめの中規模フレアを起こしました。

960黒点群は、規模としては縮小の傾向が続いています。
黒点数もだいぶ減りましたし、面積も小さくなっています。
磁場構造の複雑さも下がっていて、
蓄えているエネルギーは小さくなっていると考えられます。

GOESのX線グラフを見ても、バックグラウンドのレベルが次第に下がっています。
これは、活動領域としての明るさが減少しているということです。
今回の中規模フレアは、960黒点群の大きな活動の最後になるかもしれません。
もうしばらく活動に注目する必要はありますが、重要度は下がっています。


太陽風は、昨夕、10日18時(世界時10日8時)に、450km/秒へ急に速度が上昇しました。
現在は、430km/秒へ下がっていますが、この間、やや高速の太陽風が続きました。

太陽風の磁場強度は、図の前半で強めでしたが、
中盤からは5nTくらいで普通の強度です。
ただし、南北成分が大きく振れていて、
-5nTくらいまで、強度いっぱいに南向きが続くという変化が見られています。

速度がやや上がったことと重なり、磁気圏では小規模の活動が発生しています。
AE指数では、300〜500nTの小規模の変動が記録されています。
シベリアの磁場データでは、今回はプラス方向の変動が目立っています。


シベリアの磁場変動でプラス方向に変化しているのは、
磁気圏活動が発生した時の観測点の地方時の関係です。
オーロラ活動が発生した時の磁気変動を地球規模で見ると、
変化がプラスに振れる時間帯(昼から夕方にかけて)と、
マイナスに振れる時間帯(夜中から朝、昼にかけて)の両方が存在します。

今日のシベリアの図で考えると、
図のまん中で見られている変化はマイナスに振れています。
この時は、世界時で16時から0時にかけてオーロラ活動が発生しています。
一方、図の右側のプラスの変化では、
オーロラ活動は世界時で8時から16時にかけて発生しています。

この、発生時間の違いが、磁場データがマイナスに振れるか、
プラスに振れるかを分けているのです。


最後に、今後の予想ですが、これから13日くらいまで、
太陽風、磁気圏は穏やかに推移すると考えられます。
27日周期の図を見ると、その後、高速の太陽風がやって来ると予想されます。

その発生源となるコロナホールは、
前周期の今日にあたる5月13日の太陽写真では、
太陽の左下にはっきりと見つけることができます(右側のEIT284写真)。
しかし、最新のEIT284の写真を見ると、このあたりの様子が変わっています。
コロナホールの姿は無く、黒い細い筋が見えている程度です。

もう2日くらい様子を見たいと思いますが、
今周期は、回帰して来る高速風は弱まっているかもしれません。




SOHO衛星EIT284カメラの映像
(c) SOHO (ESA & NASA)

6/ 9 19:06 UT

5/13 19:06 UT


GOES衛星の太陽X線データ
(c) NOAA/SEC



SOHO衛星のMDIカメラによる太陽黒点
(c) SOHO (ESA & NASA)



ACEが観測した太陽風の磁場(1番上の枠、白線は全体の強度、赤線は南北成分)
および、太陽風の密度(3番目の橙線)、速度(4番目の黄線)
(c) NOAA/SEC



シベリアで観測された3日間の磁場データ
右側の3分の1が、昨日のデータになります。グラフが上がったり下がったりすると、オーロラ活動が活発化しています。
(c) NICT



27日の太陽周期に合わせたデータプロット
太陽が同じ面を地球に向けていた27日前の変化から、今後を予想することができます。
(c) NICT
太陽X線
○はM以上
太陽風速度
km/sec
セクター
Bx (nT)
IMF Bz,Bt
nT
沖縄変動
nT
沖縄短期変動
nT
静止軌道電子
/cm^2 s sr
太陽X線
○はM以上
太陽風速度
km/sec
セクター
Bx (nT)
IMF Bz,Bt
nT
沖縄変動
nT
沖縄短期変動
nT
静止軌道電子
/cm^2 s sr


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篠原 学( shino@kagoshima-ct.ac.jp )宛てお知らせ下さい。