宇宙天気ニュース (これは過去のニュースです)

 
当時「情報通信研究機構宇宙環境計測グループ」よりお届けした記事です
太陽フレア・磁気嵐・オーロラ活動など、宇宙天気の最新情報をお知らせするページです。

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これまでの経過 (過去のニュースの全リスト)
2007/ 5/30 10:41 太陽風は通常の速度で、磁気圏も穏やかです。
2007/ 5/31 12:43 太陽風は低速で、磁気圏も穏やかです。太陽風の密度が下がっています。
2007/ 6/ 1 12:50 太陽風の密度減少は終わりました。引き続き、太陽風、磁気圏ともに穏やかな状態です。
2007/ 6/ 2 10:06 960黒点群が姿を現し、Mクラスの中規模フレアが3回発生しました。また、これから高速風が始まりそうです。
2007/ 6/ 3 12:06 今日、M7.0の中規模フレアが発生しました。960黒点群が活発に活動を続けています。
最新のニュース

2007/ 6/ 4 07:43 更新
引き続き、中規模フレアが発生しています。960黒点群には注意を続けてください。

担当 篠原

960黒点群が活発な活動を続けています。
昨日、M7.0のフレアが発生しことをお伝えしましたが、
その後も、3日15時半(世界時3日6時半)にM4.5の中規模フレアと、
3日18時半(世界時3日9時半)にC5.3の小規模フレアを起こしています。

太陽写真を見ると、東西に延びる様に、960黒点群は大きな規模を保っています。
磁場構造の複雑さも継続していて、大きなエネルギーを蓄えていると考えられます。
引き続き、中規模、大規模フレアの発生に注意してください。

GOESのX線グラフを見ると、昨日のMクラスフレア以降、
黒点群は活動を一休みしているように見えます。
大きなフレア活動の場合、ある程度まとまって活動が発生し、
一休みして、再び活発化するというパターンはよく見られます。
従って、注目を続ける必要はあります。

960黒点群は、太陽の自転によって次第に太陽の中心に近づいています。
大規模なフレアが発生した場合、これから日を追う毎に、
太陽放射線、CME(太陽ガスの放出現象)が地球を襲う可能性が高くなります。

ちなみに、現在の太陽放射線は低いレベルで安定しています。


太陽風は速度が上がり、500km/秒の高速風になっています。
といっても、やっと上がった様な、小規模な変化です。
ACEの図を見ると、3日23時(世界時3日14時)くらいから上がり始め、
4日6時(世界時3日21時)ころに500km/秒に達しています。

その一方、7〜10nTに強まっていた太陽風の磁場強度は、
速度が500km/秒に達したところで、すっと下がって、
現在は2nTくらいに弱まっています。
このため、速度の変化は500km/秒で頭打ちなのではないでしょうか。

STEREOの太陽コロナ写真では、コロナホールは西の方に遠ざかりつつあります。
今回の高速風領域は、だいぶ規模が弱まっているようです。
太陽風速度は、今日から明日にかけて、
通常レベルへと戻って行くのではないでしょうか。


速度が上がりかけたときに、太陽風磁場が南に-5nT向いた時間帯がありました。
この影響で、中規模のオーロラ活動が発生しています。
シベリアの磁場データに変化がひとつ見えています。
AE指数では600nTくらいの変化になっています。

ただし、磁場強度は弱まっていますので、
今後は目立った磁気圏活動は起こりそうにありません。

放射線帯の高エネルギー電子は、警戒ラインをやや下回ったあたりで、
やや高めの状態を保っています。
現在の太陽風を考えると、ここから大きく上昇することはないように思います。


昨日より、研究会のため網走に来ています。
周囲はまぶしいほどの新緑に包まれています。
金曜日まで、更新時刻が不定期になるかもしれません。
ご了解ください。




STEREO衛星紫外線望遠鏡EUVI195の太陽写真。4日6時半(世界時3日21時半)
(c) NASA


GOES衛星の太陽X線データ
(c) NOAA/SEC



SOHO衛星のMDIカメラによる太陽黒点
(c) SOHO (ESA & NASA)



GOES衛星の太陽放射線データ
(c) NOAA/SEC



ACEが観測した太陽風の磁場(1番上の枠、白線は全体の強度、赤線は南北成分)
および、太陽風の密度(3番目の橙線)、速度(4番目の黄線)
(c) NOAA/SEC



シベリアで観測された3日間の磁場データ
右側の3分の1が、昨日のデータになります。グラフが上がったり下がったりすると、オーロラ活動が活発化しています。
(c) NICT



27日の太陽周期に合わせたデータプロット
太陽が同じ面を地球に向けていた27日前の変化から、今後を予想することができます。
(c) NICT
太陽X線
○はM以上
太陽風速度
km/sec
セクター
Bx (nT)
IMF Bz,Bt
nT
沖縄変動
nT
沖縄短期変動
nT
静止軌道電子
/cm^2 s sr
太陽X線
○はM以上
太陽風速度
km/sec
セクター
Bx (nT)
IMF Bz,Bt
nT
沖縄変動
nT
沖縄短期変動
nT
静止軌道電子
/cm^2 s sr
GOES衛星による、静止衛星軌道における高エネルギー電子の変化
(c) NOAA/SEC





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篠原 学( shino@kagoshima-ct.ac.jp )宛てお知らせ下さい。