宇宙天気ニュース (これは過去のニュースです) |
|
当時「情報通信研究機構宇宙環境計測グループ」よりお届けした記事です |
|
太陽フレア・磁気嵐・オーロラ活動など、宇宙天気の最新情報をお知らせするページです。 |
| |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
|
2007/ 5/31 12:43 更新 太陽風は低速で、磁気圏も穏やかです。太陽風の密度が下がっています。 担当 篠原 30日23時(世界時30日14時)に、C2.0の小規模フレアが発生しました。 長時間型のフレアで、X線のグラフがゆっくりと盛り上がっています。 フレアの発生箇所は、太陽の東端付近と見られています。 現在、太陽には958黒点群が見えていますが、ここではありません。 STEREOの写真で、東端(左端)に明るく見えている部分がありますが、 この辺りなのではないでしょうか。 GOESのX線のグラフは、フレアの後、ゆっくりとレベルが上がっています。 今後、この領域が太陽のこちら側に回って来ると、 黒点群が見えて来るのではないかと思います。 太陽風は、ゆっくりと速度が下がり、低速風になっています。 掲載しているACEの図では、380km/秒から320km/秒へと落ちています。 速度が落ちるとともに、グラフの黄色の点がばらつく様になっています。 これは、太陽風のプラズマの密度が下がっているため、 計測の誤差が大きくなっているからです。 密度のグラフを見ると(橙色線)、 現在の太陽風の密度は1個/cm^3を割って、0.2〜0.5個/cm^3程度に落ちています。 普段と比べると、10分の1程度に薄まっています。 更に薄くなると、ACEのグラフも更にばらつくようになります。 擾乱とは反対の静かな乱れですが、この後の太陽風の変化にも注目してみてください。 太陽風の磁場強度は2nTに弱まったままです。 (磁場の計測には、太陽風が薄くなった影響はありません) -2nTくらいの、振幅の小さな南向き磁場が見られていますが、 速度も遅く、磁気圏には目立った影響はありません。 シベリアの磁場データは、ほぼ平坦になっています。 AE指数でも、200nT弱程度の、ごく小さな変化が見られている程度です。 この静かな状態は、明後日くらいまで続くと考えられます。 その後、高速の太陽風がやってくるでしょう。 発生源のコロナホールは、STEREOの太陽写真で、 太陽の中心からやや下がった所に見えています。 ここから吹き出している風が、3日ほどかけて地球までやってきます。 放射線帯の高エネルギー電子は、高いレベルで安定しています。 太陽風、磁気圏が静かになると、高エネルギー電子の減少はとてもゆっくり進みます。 このまま、次の高速風が来るまで警戒状態が続くことになるでしょう。 STEREO衛星紫外線望遠鏡EUVI195の太陽写真。31日3時(世界時30日18時) (c) NASA GOES衛星の太陽X線データ (c) NOAA/SEC SOHO衛星のMDIカメラによる太陽黒点 (c) SOHO (ESA & NASA) ACEが観測した太陽風の磁場(1番上の枠、白線は全体の強度、赤線は南北成分) および、太陽風の密度(3番目の橙線)、速度(4番目の黄線) (c) NOAA/SEC シベリアで観測された3日間の磁場データ 右側の3分の1が、昨日のデータになります。グラフが上がったり下がったりすると、オーロラ活動が活発化しています。 (c) NICT 27日の太陽周期に合わせたデータプロット 太陽が同じ面を地球に向けていた27日前の変化から、今後を予想することができます。 (c) NICT
(c) NOAA/SEC | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
|