宇宙天気ニュース (これは過去のニュースです)

 
当時「情報通信研究機構宇宙環境計測グループ」よりお届けした記事です
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これまでの経過 (過去のニュースの全リスト)
2007/ 5/28 10:45 高速の太陽風が続いています(600km/秒)。放射線帯が強まっています。
2007/ 5/29 10:20 太陽風の速度は下がり、磁気圏も穏やかになっています。放射線帯は強まったままです。
2007/ 5/30 10:41 太陽風は通常の速度で、磁気圏も穏やかです。
2007/ 5/31 12:43 太陽風は低速で、磁気圏も穏やかです。太陽風の密度が下がっています。
2007/ 6/ 1 12:50 太陽風の密度減少は終わりました。引き続き、太陽風、磁気圏ともに穏やかな状態です。
最新のニュース

2007/ 6/ 2 10:06 更新
960黒点群が姿を現し、Mクラスの中規模フレアが3回発生しました。また、これから高速風が始まりそうです。

担当 篠原

昨日、3つのMクラス中規模フレアが発生しました。
発生箇所は、太陽の東側から姿を現して来た、960黒点群です。
この黒点群は、まだこちら側に見える前から、
Cクラスの活動を起こしたり、活発な様子がうかがえましたが、
とうとう姿を現しました。

イベントを順番にあげると、6月1日16時(世界時6月1日7時)にM1.0、
6月1日23時半(世界時6月1日14時半)にM2.8、
そして、今朝、6月2日6時半(世界時6月1日21時半)にM2.1の3つです。
GOESのX線グラフを見ると、どれも比較的短時間のフレアで、
目立ったCME(太陽ガスの放出現象)は伴っていないと思われます。
もっとも、黒点群はまだ東の端にありますので、
CMEが起きたとしても、地球への影響はほとんどありません。


Mクラスのフレアは、今年になって初めての発生だと思います。
昨年12月の、Xクラスに達する太陽の大規模な活動以来ではないでしょうか。
半年にわたって、Mクラスが起こらなかったのですから、
現在の太陽がいかに静かであるか、よく分かります。

太陽写真を見ると、端っこに560黒点群の姿が見えています。
黒点群の磁場の複雑さなど、詳細はもうしばらく待たないと見ることができません。
そして、960群の少し右に小さく、559黒点群が出現しています。

今回の黒点群も、赤道付近の発生でした。
太陽活動はまだ新しい周期には入っていない様です。

今後の960黒点群の活動に注意してください。
引き続き、中規模のフレア活動が見られる可能性が高いです。


太陽風では、前周期より1日以上早く、高速太陽風の兆しが見えています。
太陽風の磁場強度(白線)が、5nTから10nTへと強まっています。
密度も3個/cm^3という普通の状態から、10個/cm^3へ上昇しています。
これらの変化は、高速太陽風の始まりによく見られます。

27日周期の図を見ると、前周期と比べたときに、
変化が1日以上早く始まっていることが分かります。
この図でセクターの線を見ると、
セクターの切り替わりがつい先ほど起こったことが分かります。
この変化は、前周期でも高速風の始まりで見られていました(5月7日)。
これも、高速風の始まりを告げる要素のひとつです。

現在の太陽風は、速度が36okm/秒と低速で安定しています。
これから次第に上昇して行くと考えられますので、注目してください。
速度が上がり始め、太陽風磁場が強く南を向くと、磁気圏が活動的になります。
これから明日にかけて、オーロラ活動や磁気嵐が発生する可能性があります。

前周期は、高速風は2日間ほどでした。
今回はどうなるでしょうか。


昨日速報的にお知らせしましたが、放射線帯の高エネルギー電子は、
太陽風の変化(密度や磁場の強まり)に反応したと思われる、急な減少を示しています。
GOES11(青線)はまだ警戒レベル(10000の線)を超えていますが、
GOES12(赤線)はこの線を切っています。
この後の高速風の始まりで、両者とも更に大きく減少すると思われます。
そして、高速風の中盤から再び増加が見られるでしょう。



SOHO衛星EIT284カメラの映像
(c) SOHO (ESA & NASA)

最新映像


GOES衛星の太陽X線データ
(c) NOAA/SEC



SOHO衛星のMDIカメラによる太陽黒点
(c) SOHO (ESA & NASA)



ACEが観測した太陽風の磁場(1番上の枠、白線は全体の強度、赤線は南北成分)
および、太陽風の密度(3番目の橙線)、速度(4番目の黄線)
(c) NOAA/SEC



シベリアで観測された3日間の磁場データ
右側の3分の1が、昨日のデータになります。グラフが上がったり下がったりすると、オーロラ活動が活発化しています。
(c) NICT



27日の太陽周期に合わせたデータプロット
太陽が同じ面を地球に向けていた27日前の変化から、今後を予想することができます。
(c) NICT
太陽X線
○はM以上
太陽風速度
km/sec
セクター
Bx (nT)
IMF Bz,Bt
nT
沖縄変動
nT
沖縄短期変動
nT
静止軌道電子
/cm^2 s sr
太陽X線
○はM以上
太陽風速度
km/sec
セクター
Bx (nT)
IMF Bz,Bt
nT
沖縄変動
nT
沖縄短期変動
nT
静止軌道電子
/cm^2 s sr
GOES衛星による、静止衛星軌道における高エネルギー電子の変化
(c) NOAA/SEC





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篠原 学( shino@kagoshima-ct.ac.jp )宛てお知らせ下さい。