宇宙天気ニュース (これは過去のニュースです) |
|
当時「情報通信研究機構宇宙環境計測グループ」よりお届けした記事です |
|
太陽フレア・磁気嵐・オーロラ活動など、宇宙天気の最新情報をお知らせするページです。 |
| ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
|
2007/ 5/29 10:20 更新 太陽風の速度は下がり、磁気圏も穏やかになっています。放射線帯は強まったままです。 担当 篠原 高速太陽風は、もう2〜3日続くのではないかと思っていたのですが、 昨日のうちに、あっさりと太陽風の速度は下がってしまいました。 ACEの図をご覧下さい。 図の左端、28日11時(世界時28日2時)には、まだ620km/秒程度あった太陽風の速度が、 そこからぐんぐん下がって行って、 約半日後の29日1時(世界時28日16時)には、450km/秒になってしまいました。 やや高速の風、という速度です。 現在は430km/秒に下がり、ほとんど普段の速度に戻っています。 27日周期の図を見ると、今回の速度の下がりっぷりがよく分かります。 5月28日(図は世界時)の枠で、一気に落ちています。 高速風の継続期間として見ると、終わり方は前周期よりもいくらか早まっています。 太陽風の磁場強度は2nTと弱まったままです。 速度が下がったこともあり、磁気圏の乱れはほとんどなくなっています。 シベリアの磁場データの昨日分(右側3分の1)は、全く変化が見られません。 世界的変動であるAE指数を見ると、 まだ速度が高かったところで、400nTくらいの小規模変動が見られていますが、 速度が下がった後は、完全に静穏です。 これから5日間程度、穏やかな日が続くと予想されます。 STEREOの太陽写真を見ると、次のコロナホールが太陽の左下寄りに見えています。 この写真では、まだ影がはっきりとしていません。 参考のため、27日前のSOHOの太陽コロナ写真も掲載します。 2枚を見比べると、コロナホールの位置も分かりやすいのではないでしょうか。 このコロナホールの影響は、6月3日くらいから始まると予想されます。 SOHOの写真を見ると、前周期には明るい活動領域(可視光では黒点群)が、 太陽の中心部にあったことが分かります。 この群は、今周期は見られません。 放射線帯の高エネルギー電子は、警戒レベルを超えた状態です。 昨日から、ほとんど減衰が見られません。 このまま、次の高速風まで警戒状態が続くのではないかと思います。 太陽は黒点は見られず、フレア活動もたいへん穏やかです。 STEREOの太陽写真の東端(左端)に、強い光は見られず、 しばらく無黒点が続くかもしれません。 STEREO衛星紫外線望遠鏡EUVI195の太陽写真。29日6時(世界時28日21時) (c) NASA SOHO衛星のEIT284カメラの映像 (c) SOHO (ESA & NASA)
ACEが観測した太陽風の磁場(1番上の枠、白線は全体の強度、赤線は南北成分) および、太陽風の密度(3番目の橙線)、速度(4番目の黄線) (c) NOAA/SEC シベリアで観測された3日間の磁場データ 右側の3分の1が、昨日のデータになります。グラフが上がったり下がったりすると、オーロラ活動が活発化しています。 (c) NICT 27日の太陽周期に合わせたデータプロット 太陽が同じ面を地球に向けていた27日前の変化から、今後を予想することができます。 (c) NICT
(c) NOAA/SEC SOHO衛星のMDIカメラによる太陽黒点 (c) SOHO (ESA & NASA) GOES衛星の太陽X線データ (c) NOAA/SEC | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
|