宇宙天気ニュース (これは過去のニュースです)

 
当時「情報通信研究機構宇宙環境計測グループ」よりお届けした記事です
太陽フレア・磁気嵐・オーロラ活動など、宇宙天気の最新情報をお知らせするページです。

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これまでの経過 (過去のニュースの全リスト)
2007/ 5/21 09:53 太陽風の速度が下がり始めています(550km/秒)。高速風領域は後半です。
2007/ 5/22 15:56 太陽風の磁場強度が強まっています。太陽風磁場のかたまりが到来している様です。
2007/ 5/23 16:15 太陽風磁場が安定した南向きになり、活発な磁気圏活動が発生しています。太陽風はやや乱れた状態です。
2007/ 5/24 10:30 南向き磁場の影響で、激しい磁気圏活動が発生してます。今夜以降、高速風もやってきそうです。
2007/ 5/25 08:29 高速の太陽風がやって来ました(650km/秒)。磁気圏のオーロラ活動もたいへん活発です。
最新のニュース

2007/ 5/26 12:09 更新
たいへん高速の太陽風が続き、磁気圏活動も活発です。放射線帯の高エネルギー電子が、かなり強まっています。

担当 篠原

高速の太陽風と、活発なオーロラ活動が続いています。

昨日のニュース以降、太陽風の速度は670km/秒前後まで上昇し、
今日未明の26日2時(世界時25日17時)頃まで、たいへん高速の風が続きました。
それ以降はやや速度を下げて、現在は600km/秒くらいになっています。
依然かなりの高速状態です。

太陽風磁場の強度は4nTレベルです。
やや弱まっていますが、まだ、高速風の後半に入ったという印象ではありません。
(高速風が終わりに近づくと、もう一段磁場強度が弱まります)
南北成分は、+4nTから-4nTの間で細かく振動しています。
南向きが頻繁に現れているため、高速であることと重なって、
磁気圏に大きなエネルギーを流し込んでいます。

シベリアの磁場データを見てください。
右側3分の1の昨日分のデータも、大きく変動をしていて、
活発なオーロラ活動が続いていた様です。

この3日間の図は、毎日大きく乱れていますが、
変化の大きさは次第に小さくなっています。
3日間の太陽風を通してみると、速度は後半の方が上がりましたが、
磁場強度は次第に弱まっています。
そのため、前半では比較的強い南向き磁場が見られたのに対して、
後半では南向きの振幅は弱まりました。
オーロラ活動の大きさの変化は、速度と南向き磁場の掛け合わせで決まります。
磁場強度が弱まった影響で、
シベリアの磁場変動(オーロラ活動)は次第に小さくなっていったのです。

AE指数では、500〜1000nTの中規模の変動が見られています。
(速報用の図の作成が止まっているので、掲載していません)


現在、地球は高速太陽風領域のまっただ中にいます。
今日いっぱいは現在の様な状態が続き、
明日から次第に、速度の低下が始まって行くでしょう。


太陽風の乱れの影響で、放射線帯の高エネルギー電子が大きく増加しています。
GOES衛星の観測によると、GOES12(青線)では、50000近い高レベルに達しています。
もうひとつのGOES11(赤線)も警戒レベルの10000に達しており、
これからしばらく衛星の運用では注意が必要な状態が続きます。

太陽は無黒点です。
X線のグラフは低いレベルで、フレア活動はたいへん静穏です。




STEREO衛星紫外線望遠鏡EUVI195の太陽写真。26日6時(世界時25日21時)
(c) NASA


ACEが観測した太陽風の磁場(1番上の枠、白線は全体の強度、赤線は南北成分)
および、太陽風の密度(3番目の橙線)、速度(4番目の黄線)
(c) NOAA/SEC



シベリアで観測された3日間の磁場データ
右側の3分の1が、昨日のデータになります。グラフが上がったり下がったりすると、オーロラ活動が活発化しています。
(c) NICT



27日の太陽周期に合わせたデータプロット
太陽が同じ面を地球に向けていた27日前の変化から、今後を予想することができます。
(c) NICT
太陽X線
○はM以上
太陽風速度
km/sec
セクター
Bx (nT)
IMF Bz,Bt
nT
沖縄変動
nT
沖縄短期変動
nT
静止軌道電子
/cm^2 s sr
太陽X線
○はM以上
太陽風速度
km/sec
セクター
Bx (nT)
IMF Bz,Bt
nT
沖縄変動
nT
沖縄短期変動
nT
静止軌道電子
/cm^2 s sr
GOES衛星による、静止衛星軌道における高エネルギー電子の変化
(c) NOAA/SEC



SOHO衛星のMDIカメラによる太陽黒点
(c) SOHO (ESA & NASA)



GOES衛星の太陽X線データ
(c) NOAA/SEC





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篠原 学( shino@kagoshima-ct.ac.jp )宛てお知らせ下さい。