宇宙天気ニュース (これは過去のニュースです) |
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当時「情報通信研究機構宇宙環境計測グループ」よりお届けした記事です |
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太陽フレア・磁気嵐・オーロラ活動など、宇宙天気の最新情報をお知らせするページです。 |
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2007/ 5/25 08:29 更新 高速の太陽風がやって来ました(650km/秒)。磁気圏のオーロラ活動もたいへん活発です。 担当 篠原 予想よりもやや早く、高速の太陽風が地球へやってきました。 ACE衛星の観測によると、24日11時(世界時24日2時)頃から速度に上昇の兆しが現れ、 それから半日ほどかけて速度は650km/秒にまで上昇しました。 コロナホール起源の太陽風としては、かなり高速の風です。 掲載しているACEの図が、8時間ほど前で更新が止まっています。 補足すると、25日0時(世界時24日15時)以降も、 太陽風は650km/秒で安定した高速状態が続いています。 太陽風の磁場強度は、これまでの10nTから、5nTへ下がっています。 下がったと言っても、通常のレベルの強さです。 磁気圏への影響を決める磁場の南北成分は、 これまでと違って、細かく南北に振れる様になりました。 振れ方は比較的大きく、-5nTの南向きが頻繁に見られています。 そのため、磁気圏のオーロラ活動はかなり活発です。 シベリアの磁場データを見ると、 昨日の変動も(右側3分の1)かなり大きくなっています。 この3日間、一貫して激しく変化が発生しています。 AE指数でも、1000nTに達する大規模な変化が何度も見られています。 夏も近づき、北極の空は夜がほとんどなくなっているのでしょうが、 空が暗ければ、かなりきれいなオーロラが見られたことでしょう。 STEREO衛星の太陽コロナ写真を見ると、 やって来た高速風の原因であるコロナホールが、 太陽のやや西寄り(右寄り)のところに大きく見えています。 この穴の様に見える場所から吹き出した高速のプラズマガスが、 3日ほどかけて地球へやってきているのです。 27日周期の図を参考にすると、 高速風は、今日を含めて4〜5日ほど、28日か29日あたりまで続くと思われます。 太陽風の磁場強度が現在の5nTレベルを保っている間は、 磁気圏活動も活発な状態が続くでしょう。 やがて、磁場強度が下がって来ると、磁気圏の乱れも小規模に変わって行きます。 放射線帯の高エネルギー電子が大きく増加して、 一気に警戒レベルに到達しています。 今日の図では、青線のGOES11だけですが、明日には赤線のGOES12も達しそうです。 これからしばらく、衛星の運用では注意が必要になります。 太陽では、956黒点群は見えなくなってしまった様です。 太陽は無黒点になりました。 X線グラフの強度も下がり、フレア活動は穏やかになっています。 STEREO衛星紫外線望遠鏡EUVI195の太陽写真。25日6時(世界時24日21時) (c) NASA ACEが観測した太陽風の磁場(1番上の枠、白線は全体の強度、赤線は南北成分) および、太陽風の密度(3番目の橙線)、速度(4番目の黄線) (c) NOAA/SEC シベリアで観測された3日間の磁場データ 右側の3分の1が、昨日のデータになります。グラフが上がったり下がったりすると、オーロラ活動が活発化しています。 (c) NICT 27日の太陽周期に合わせたデータプロット 太陽が同じ面を地球に向けていた27日前の変化から、今後を予想することができます。 (c) NICT
(c) NOAA/SEC SOHO衛星のMDIカメラによる太陽黒点 (c) SOHO (ESA & NASA) GOES衛星の太陽X線データ (c) NOAA/SEC | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
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