宇宙天気ニュース (これは過去のニュースです)

 
当時「情報通信研究機構宇宙環境計測グループ」よりお届けした記事です
太陽フレア・磁気嵐・オーロラ活動など、宇宙天気の最新情報をお知らせするページです。

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これまでの経過 (過去のニュースの全リスト)
2007/ 5/20 11:46 高速の太陽風が続いています(650km/秒)。太陽では、次のコロナホールも見えています。
2007/ 5/21 09:53 太陽風の速度が下がり始めています(550km/秒)。高速風領域は後半です。
2007/ 5/22 15:56 太陽風の磁場強度が強まっています。太陽風磁場のかたまりが到来している様です。
2007/ 5/23 16:15 太陽風磁場が安定した南向きになり、活発な磁気圏活動が発生しています。太陽風はやや乱れた状態です。
2007/ 5/24 10:30 南向き磁場の影響で、激しい磁気圏活動が発生してます。今夜以降、高速風もやってきそうです。
最新のニュース

2007/ 5/25 08:29 更新
高速の太陽風がやって来ました(650km/秒)。磁気圏のオーロラ活動もたいへん活発です。

担当 篠原

予想よりもやや早く、高速の太陽風が地球へやってきました。
ACE衛星の観測によると、24日11時(世界時24日2時)頃から速度に上昇の兆しが現れ、
それから半日ほどかけて速度は650km/秒にまで上昇しました。
コロナホール起源の太陽風としては、かなり高速の風です。

掲載しているACEの図が、8時間ほど前で更新が止まっています。
補足すると、25日0時(世界時24日15時)以降も、
太陽風は650km/秒で安定した高速状態が続いています。


太陽風の磁場強度は、これまでの10nTから、5nTへ下がっています。
下がったと言っても、通常のレベルの強さです。
磁気圏への影響を決める磁場の南北成分は、
これまでと違って、細かく南北に振れる様になりました。
振れ方は比較的大きく、-5nTの南向きが頻繁に見られています。
そのため、磁気圏のオーロラ活動はかなり活発です。

シベリアの磁場データを見ると、
昨日の変動も(右側3分の1)かなり大きくなっています。
この3日間、一貫して激しく変化が発生しています。
AE指数でも、1000nTに達する大規模な変化が何度も見られています。
夏も近づき、北極の空は夜がほとんどなくなっているのでしょうが、
空が暗ければ、かなりきれいなオーロラが見られたことでしょう。


STEREO衛星の太陽コロナ写真を見ると、
やって来た高速風の原因であるコロナホールが、
太陽のやや西寄り(右寄り)のところに大きく見えています。
この穴の様に見える場所から吹き出した高速のプラズマガスが、
3日ほどかけて地球へやってきているのです。

27日周期の図を参考にすると、
高速風は、今日を含めて4〜5日ほど、28日か29日あたりまで続くと思われます。
太陽風の磁場強度が現在の5nTレベルを保っている間は、
磁気圏活動も活発な状態が続くでしょう。
やがて、磁場強度が下がって来ると、磁気圏の乱れも小規模に変わって行きます。


放射線帯の高エネルギー電子が大きく増加して、
一気に警戒レベルに到達しています。
今日の図では、青線のGOES11だけですが、明日には赤線のGOES12も達しそうです。
これからしばらく、衛星の運用では注意が必要になります。

太陽では、956黒点群は見えなくなってしまった様です。
太陽は無黒点になりました。
X線グラフの強度も下がり、フレア活動は穏やかになっています。



STEREO衛星紫外線望遠鏡EUVI195の太陽写真。25日6時(世界時24日21時)
(c) NASA


ACEが観測した太陽風の磁場(1番上の枠、白線は全体の強度、赤線は南北成分)
および、太陽風の密度(3番目の橙線)、速度(4番目の黄線)
(c) NOAA/SEC



シベリアで観測された3日間の磁場データ
右側の3分の1が、昨日のデータになります。グラフが上がったり下がったりすると、オーロラ活動が活発化しています。
(c) NICT



27日の太陽周期に合わせたデータプロット
太陽が同じ面を地球に向けていた27日前の変化から、今後を予想することができます。
(c) NICT
太陽X線
○はM以上
太陽風速度
km/sec
セクター
Bx (nT)
IMF Bz,Bt
nT
沖縄変動
nT
沖縄短期変動
nT
静止軌道電子
/cm^2 s sr
太陽X線
○はM以上
太陽風速度
km/sec
セクター
Bx (nT)
IMF Bz,Bt
nT
沖縄変動
nT
沖縄短期変動
nT
静止軌道電子
/cm^2 s sr
GOES衛星による、静止衛星軌道における高エネルギー電子の変化
(c) NOAA/SEC



SOHO衛星のMDIカメラによる太陽黒点
(c) SOHO (ESA & NASA)



GOES衛星の太陽X線データ
(c) NOAA/SEC





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篠原 学( shino@kagoshima-ct.ac.jp )宛てお知らせ下さい。