宇宙天気ニュース (これは過去のニュースです) |
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当時「情報通信研究機構宇宙環境計測グループ」よりお届けした記事です |
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太陽フレア・磁気嵐・オーロラ活動など、宇宙天気の最新情報をお知らせするページです。 |
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2007/ 5/24 10:30 更新 南向き磁場の影響で、激しい磁気圏活動が発生してます。今夜以降、高速風もやってきそうです。 担当 篠原 このところ更新がどたばたして申し訳ありません。 ふと気づくと、SOHOのLASCO C3に見えていた「すばる」(プレアデス星団)が、 画面の中央を過ぎています。 太陽望遠鏡ですばるを楽しめるのも、もう数日です。 磁場強度が強まった、太陽風の乱れた状態が続いています。 南北成分が大きく連続的に南を向いたために、磁気圏への影響も大きくなっています。 それには、昨日から速度が500km/秒に上がったことで、 地球へ流れ込むエネルギーが大きくなったことも関係しています。 ACE衛星の図をご覧下さい。 太陽風の磁場強度は、10nTに強まった状態が安定的に続いています。 南北成分は大きな振れ幅で、ゆっくりと変化しています。 そのため、-10nT近い大きな南向きが数時間にわたって続くという変化が、 図の前半と後半それぞれで見られています。 このため、磁気圏では、AE指数で1500nTに達する激しい活動が発生しています。 シベリアの磁場データをご覧下さい(この図は3日幅です)。 図のまん中あたりから、急に活動的になっています。 強い南向き磁場の影響によるもので、かなり大きな変化です。 磁場の変化を見ると、大きくプラス側に増えている部分と、 大きくマイナス側に変化している部分があります。 プラスの変化は、観測点の上空の電離層に 東向きのオーロラ電流が流れていたことを示しています。 マイナスの変化は、電離層に西向きの電流が流れていたことを示しています。 観測点が午前にあるとプラスの方向に、 午後から深夜にかけてはマイナスの方向に変化するという傾向があります。 これらを組み合わせて、地球全体のオーロラ活動を評価するのがAE指数です。 沖縄の磁場データを見ると、 磁場強度が静穏時の青線から、最大で-80nTくらい下がっています。 小規模の磁気嵐が発生している様です。 世界規模で平均すると、-60nTくらいの下げ幅になっています。 強い南向き磁場が長時間続いたため、磁気嵐が発達したのです。 27日周期の図を見ると、強い磁場のかたまりが5月22-23日と、 2日間にまたがって見えています。 19日の弱いCME(太陽ガスの放出現象)が原因だと思われますが、 それほど目立った現象ではなかったのに、太陽風の乱れは長い時間続いています。 太陽風の磁場強度は、依然10nTレベルを保っています。 速度も500km/秒を維持しており、引き続き強い南向きに注意していください。 また、今夜以降は、コロナホールと関係する高速太陽風がやってくると予想されます。 その到来時に、再び大きく乱れる可能性があります。 太陽では、956黒点群がB5クラスの小さなフレアを起こしています。 CMEを伴っていたそうですが、西に向いているため、地球への影響はないでしょう。 956黒点群は、弱まりつつ西へ傾いています。 この後、太陽は無黒点の状態になりそうです。 SOHO衛星LASCO C3カメラを、プレアデス星団(すばる)が通過中です。上のほうに見える星のかたまりです。 (c) ESA & NASA STEREO衛星紫外線望遠鏡EUVI195の太陽写真。24日7時(世界時23日22時) (c) NASA ACEが観測した太陽風の磁場(1番上の枠、白線は全体の強度、赤線は南北成分) および、太陽風の密度(3番目の橙線)、速度(4番目の黄線) (c) NOAA/SEC シベリアで観測された3日間の磁場データ 右側の3分の1が、昨日のデータになります。グラフが上がったり下がったりすると、オーロラ活動が活発化しています。 (c) NICT 沖縄の磁場擾乱 下へ下がるほど、擾乱が発達している事を意味します。 (c) NICT 27日の太陽周期に合わせたデータプロット 太陽が同じ面を地球に向けていた27日前の変化から、今後を予想することができます。 (c) NICT
(c) SOHO (ESA & NASA) GOES衛星の太陽X線データ (c) NOAA/SEC | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
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