宇宙天気ニュース (これは過去のニュースです)

 
当時「情報通信研究機構宇宙環境計測グループ」よりお届けした記事です
太陽フレア・磁気嵐・オーロラ活動など、宇宙天気の最新情報をお知らせするページです。

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これまでの経過 (過去のニュースの全リスト)
2007/ 5/ 3 10:21 C9の大きめの小規模フレアが発生しました。太陽風は低速になっています。
2007/ 5/ 4 11:45 太陽風は低速(320km/秒)で、磁気圏も概ね静穏です。
2007/ 5/ 5 11:25 太陽風は低速で、磁気圏は静穏です。明日から高速太陽風がやってくるでしょう。
2007/ 5/ 6 11:32 低速の太陽風が続いています(280km/秒)。高速風はまだ来ていません。
2007/ 5/ 7 12:29 太陽風は低速のままです(290km/秒)。磁気圏も穏やかです。
最新のニュース

2007/ 5/ 8 10:20 更新
太陽風の大きな乱れがやって来ました。磁場強度、速度が強まり、活発なオーロラ活動も発生しています。

担当 篠原

これまでの穏やかな風から一転して、急に太陽風が乱れました。
ACEの図をご覧下さい。
7日16時半(世界時7日7時半)から乱れは始まっています。

7日16時半(世界時7日7時半)から4時間にわたって見られた、
プラズマ粒子密度(橙色線)の増加に注目してください。
10個/cm^3から、一気に50個/cm^3に増えています(普段は数個/cm^3です)。

太陽風の密度が濃くなったため、磁気圏を押し込む圧力が増加しました。
沖縄の磁場データをご覧下さい。
7日17時(世界時7日8時)から21時(世界時12時)にかけて、
磁場の盛り上がりが見えています。
これは、磁気圏が圧縮されたために、地上の磁場が増加した現象だと思います。


粒子が増加すると同時に、太陽風の磁場強度(白線)、速度(黄色線)も変化を始めました。
磁場強度は10nTに強まり、更に20nTへと上がります。
20nTに強まったところで、大きく南北成分が変化をしています。
初め、北向きに大変強まっていたのが、
7日22時(世界時7日13時)に急に南に反転し、-10nTを超える強い南向きが続いたのです。

ここで、シベリアの磁場データをご覧下さい。
8日1時(世界時7日16時)から、急に強いマイナスの変化が発生しています。
太陽風磁場の強い南向きの影響で、激しいオーロラ活動が発生したのです。
AE指数では、1000nTを超える活発な活動が観測されました。

強い南向きは4時間ほど続き、その後は北寄りに変わりました。
磁場強度もやや下がって、まだ十分強いですが、現在は10nTになっています。


太陽風の速度は、変化の開始以降ゆっくりと上昇を続けています。
半日ほどかけて、300km/秒から600km/秒まで上がりました。
磁場強度が強まったままですので、もう一段上昇する可能性もあります。


昨日のニュースでは、たいした高速風は来ないのではないかと書きましたが、
いきなり大きく乱れが始まりました。
27日周期の図を見ると、速度、磁場ともに、前周期の変化よりも大きくなっています。
現在、磁場強度と速度が共に高まっています。
南北成分が再び南寄りに変わると、活発なオーロラ活動が始まるでしょう。


放射線帯の高エネルギー電子は、磁気圏の乱れに影響を受けて激しく変化しています。
レベルは低い状態ですが、今後の増加に注意する必要があります。


太陽では、953黒点群が西(右)に没しつつあります。
一旦太陽は無黒点になりそうです。
SOHO EIT284の写真では、東の端(左端)に明るい領域が見えています。
ここから次の黒点群が上がって来るのでしょうか。




SOHO衛星EIT284カメラの映像
(c) SOHO (ESA & NASA)

最新映像


ACEが観測した太陽風の磁場(1番上の枠、白線は全体の強度、赤線は南北成分)
および、太陽風の密度(3番目の橙線)、速度(4番目の黄線)
(c) NOAA/SEC



沖縄の磁場擾乱
下へ下がるほど、擾乱が発達している事を意味します。
(c) NICT



シベリアで観測された3日間の磁場データ
右側の3分の1が、昨日のデータになります。グラフが上がったり下がったりすると、オーロラ活動が活発化しています。
(c) NICT



27日の太陽周期に合わせたデータプロット
太陽が同じ面を地球に向けていた27日前の変化から、今後を予想することができます。
(c) NICT
太陽X線
○はM以上
太陽風速度
km/sec
セクター
Bx (nT)
IMF Bz,Bt
nT
沖縄変動
nT
沖縄短期変動
nT
静止軌道電子
/cm^2 s sr
太陽X線
○はM以上
太陽風速度
km/sec
セクター
Bx (nT)
IMF Bz,Bt
nT
沖縄変動
nT
沖縄短期変動
nT
静止軌道電子
/cm^2 s sr
GOES衛星による、静止衛星軌道における高エネルギー電子の変化
(c) NOAA/SEC



SOHO衛星のMDIカメラによる太陽黒点
(c) SOHO (ESA & NASA)



GOES衛星の太陽X線データ
(c) NOAA/SEC





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篠原 学( shino@kagoshima-ct.ac.jp )宛てお知らせ下さい。