宇宙天気ニュース (これは過去のニュースです)

 
当時「情報通信研究機構宇宙環境計測グループ」よりお届けした記事です
太陽フレア・磁気嵐・オーロラ活動など、宇宙天気の最新情報をお知らせするページです。

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これまでの経過 (過去のニュースの全リスト)
2007/ 5/ 2 10:26 太陽風の速度が下がり(470km/秒)、地球は高速風帯を抜け出しつつあります。
2007/ 5/ 3 10:21 C9の大きめの小規模フレアが発生しました。太陽風は低速になっています。
2007/ 5/ 4 11:45 太陽風は低速(320km/秒)で、磁気圏も概ね静穏です。
2007/ 5/ 5 11:25 太陽風は低速で、磁気圏は静穏です。明日から高速太陽風がやってくるでしょう。
2007/ 5/ 6 11:32 低速の太陽風が続いています(280km/秒)。高速風はまだ来ていません。
最新のニュース

2007/ 5/ 7 12:29 更新
太陽風は低速のままです(290km/秒)。磁気圏も穏やかです。

担当 篠原

穏やかな太陽風が続いています。
高速風帯は、一段と弱まっている様です。

ここで、「高速風が弱まった」と書きましたが、
これはあくまで、高速風が地球へ来なかったという意味です。
コロナホールから飛び出した高速風は、
飛び出す方向が地球から逸れてしまったのかもしれません。
高速風領域そのものが消えたかどうかまでは分かりません。


さて、ACE衛星の観測によると、
現在の太陽風は、速度が290km/秒、磁場強度は4nTとかなり穏やかです。
詳しく見ると、7日6時(世界時6日21時)からいくらか変化が見えていて、
磁場強度が、2nTから4nTを超えるくらいに強まり、
速度は、260km/秒まで下がっていた(たいへん低速です)ものが、
290km/秒へ上がっています。

しかし、どちらも、規模としては小さな変化です。
かなり低速の太陽風が続いていることに変わりはありませんし、
磁場の強まりも、これから高速風が始まると言えるほどの変化ではありません。


引き続き、太陽風の変化に注目する必要はあるでしょう。
前周期の変化を見ても、
明日、明後日くらいまでは、太陽風の速度が上がる可能性があります。
ただし、SOHO EIT284の太陽写真を見ると、
コロナホールは、既に太陽の西側半分の位置に達し、次第に西の端へ向かっています。
従って、これから本格的な高速風が来ることは難しい様に思われます。
やって来たとしても、前周期同様の、500km/秒台の高速風が来る程度に留まりそうです。


太陽風の速度が遅いため、磁気圏の活動は概ね静穏です。
シベリアの磁場データは、3日間にわたってほとんど変化していません。
ただ、ACEの図を見ると、太陽風磁場が3時間ほど、-4nTの南向きになっていました。
この影響だと思いますが、放射線帯の高エネルギー電子が、
GOES12で一気に数を減らしています。
(掲載している図の直後に発生しています。詳細は、左のリンクから最新の図をご覧下さい)


太陽では、953黒点群がいよいよ西に没しつつあります。
今朝、7日8時(世界時6日23時)に、C1.1の小さな小規模フレアを起こした様です。
これが最後のフレアになりそうです。




SOHO衛星EIT284カメラの映像
(c) SOHO (ESA & NASA)

最新映像


ACEが観測した太陽風の磁場(1番上の枠、白線は全体の強度、赤線は南北成分)
および、太陽風の密度(3番目の橙線)、速度(4番目の黄線)
(c) NOAA/SEC



シベリアで観測された3日間の磁場データ
右側の3分の1が、昨日のデータになります。グラフが上がったり下がったりすると、オーロラ活動が活発化しています。
(c) NICT



27日の太陽周期に合わせたデータプロット
太陽が同じ面を地球に向けていた27日前の変化から、今後を予想することができます。
(c) NICT
太陽X線
○はM以上
太陽風速度
km/sec
セクター
Bx (nT)
IMF Bz,Bt
nT
沖縄変動
nT
沖縄短期変動
nT
静止軌道電子
/cm^2 s sr
太陽X線
○はM以上
太陽風速度
km/sec
セクター
Bx (nT)
IMF Bz,Bt
nT
沖縄変動
nT
沖縄短期変動
nT
静止軌道電子
/cm^2 s sr
GOES衛星による、静止衛星軌道における高エネルギー電子の変化
(c) NOAA/SEC



SOHO衛星のMDIカメラによる太陽黒点
(c) SOHO (ESA & NASA)



GOES衛星の太陽X線データ
(c) NOAA/SEC





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篠原 学( shino@kagoshima-ct.ac.jp )宛てお知らせ下さい。