宇宙天気ニュース (これは過去のニュースです)

 
当時「情報通信研究機構宇宙環境計測グループ」よりお届けした記事です
太陽フレア・磁気嵐・オーロラ活動など、宇宙天気の最新情報をお知らせするページです。

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これまでの経過 (過去のニュースの全リスト)
2007/ 4/26 10:01 太陽に黒点が出現しています。太陽風は普通の速度(450km/秒)で、磁気圏は概ね穏やかです。
2007/ 4/27 10:41 太陽風、磁気圏は概ね穏やかです。これから明日にかけて、高速太陽風がやってくるでしょう。
2007/ 4/28 10:37 高速太陽風がやってきました(650km/秒)。オーロラも活発化しています。
2007/ 4/29 11:04 高速太陽風(650km/秒)と、活発なオーロラ活動が続いています。放射線帯高エネルギー電子が増加しています。
2007/ 4/30 14:47 放射線帯高エネルギー電子がかなり増加しています。高速風と活発な磁気圏活動が続いています。
最新のニュース

2007/ 5/ 1 11:32 更新
太陽風の速度が下がり始めました(550km/秒)。磁気圏活動も落ち着いてきました。

担当 篠原

953黒点群が太陽の中心近くに移動しています。
発生している場所は、太陽の赤道に近い低緯度です。
太陽活動が極小を迎えると、黒点の発生場所が低緯度から中緯度へ切り替わります。
ですので、現在の黒点の出現場所から考えると、
太陽活動は新しい周期をまだ迎えてはいないようです。

太陽黒点はたいへん強い磁場を持っています。
その様子は、SOHO衛星の太陽写真で見ることができます。
今日の1枚目で、太陽面の磁場写真を紹介しましょう。

写真に見える白と黒の模様は、磁石のN極・S極を示しています。
953黒点群が見えている場所に、複雑な白と黒の構造が見えています。
普通、黒点群は、その中に白と黒の両方を持っています。
そして、白と黒の分布が複雑なほど、黒点群はエネルギーを蓄えていると考えられます。
953黒点群は、フレア活動はほとんど起こしていませんが、
磁場の構造としては、かなり複雑な種類に分類されています。

一方、左に見えている954黒点群は、白と黒がふたつにはっきりと分かれています。
こちらは単純な構造です。


太陽風は、速度の低下が始まりました。
切り替わったのは、30日17時(世界時30日8時)くらいでしょうか。
磁場強度が5nTから3nTに下がり、速度がゆっくりと低下を始めました。
現在の太陽風は、速度が550km/秒まで下がり、
磁場強度も3nTに弱まったままで安定してます。

今回の高速風では、太陽風磁場の南北成分が南に偏って続き、
活発なオーロラ活動をもたらしていました。
しかし、磁場強度が弱まった後は、傾向が変わったようで、
南北成分はほとんど0nT付近にとどまっています。
このため、オーロラ活動は穏やかになっています。
速度が下がって来ている事も影響しているでしょう。

シベリアの磁場データを見ると、この3日間のオーロラ活動の変化が分かります。
左側、真ん中の2日間が活発だったのに比較して、
昨日のデータである右側は、ずいぶん穏やかになっています。

引き続き太陽風の速度は低下を続け、
明日くらいに、地球は高速風帯を抜け出すでしょう。


放射線帯の高エネルギー電子は、
昨日の活発な磁気圏活動が影響したようで、数値としては下がっています。
GOES12(赤線)は10,000にやっと達する程度で、GOES11(青線)は10,000を割ってしまいました。
再び増加する可能性がありますので、引き続き注意する必要があります。




SOHO MDIカメラによる、黒点群の磁場の様子。5月1日7時半(世界時4月30日22時半)。
(c) ESA & NASA


SOHO衛星EIT284カメラの映像
(c) SOHO (ESA & NASA)

最新映像


SOHO衛星のMDIカメラによる太陽黒点
(c) SOHO (ESA & NASA)



GOES衛星の太陽X線データ
(c) NOAA/SEC



ACEが観測した太陽風の磁場(1番上の枠、白線は全体の強度、赤線は南北成分)
および、太陽風の密度(3番目の橙線)、速度(4番目の黄線)
(c) NOAA/SEC



リアルタイムAE指数
下段のAEグラフの値が高くなると、オーロラ活動が活発化しています。
(c) 京都大学, NICT



シベリアで観測された3日間の磁場データ
右側の3分の1が、昨日のデータになります。グラフが上がったり下がったりすると、オーロラ活動が活発化しています。
(c) NICT



27日の太陽周期に合わせたデータプロット
太陽が同じ面を地球に向けていた27日前の変化から、今後を予想することができます。
(c) NICT
太陽X線
○はM以上
太陽風速度
km/sec
セクター
Bx (nT)
IMF Bz,Bt
nT
沖縄変動
nT
沖縄短期変動
nT
静止軌道電子
/cm^2 s sr
太陽X線
○はM以上
太陽風速度
km/sec
セクター
Bx (nT)
IMF Bz,Bt
nT
沖縄変動
nT
沖縄短期変動
nT
静止軌道電子
/cm^2 s sr
GOES衛星による、静止衛星軌道における高エネルギー電子の変化
(c) NOAA/SEC





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篠原 学( shino@kagoshima-ct.ac.jp )宛てお知らせ下さい。