宇宙天気ニュース (これは過去のニュースです)

 
当時「情報通信研究機構宇宙環境計測グループ」よりお届けした記事です
太陽フレア・磁気嵐・オーロラ活動など、宇宙天気の最新情報をお知らせするページです。

リアルタイムデータ
27日周期 (NICT)
短期太陽風電子
太陽黒点 (SOHO)
太陽X線 (GOES)
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これまでの経過 (過去のニュースの全リスト)
2007/ 4/22 11:29 太陽風の磁場強度がやや強まっています。これから高速風が始まりそうです。
2007/ 4/23 10:06 太陽風は通常の速度に上がった程度です。小規模のオーロラ活動が発生しています。
2007/ 4/24 11:36 太陽風が一時的に高速になりました。強い南向き磁場の影響で、活発なオーロラ活動が見られました。
2007/ 4/25 09:03 久しぶりにCクラスの小規模フレア活動が発生しました。太陽風は比較的穏やかです。
2007/ 4/26 10:01 太陽に黒点が出現しています。太陽風は普通の速度(450km/秒)で、磁気圏は概ね穏やかです。
最新のニュース

2007/ 4/27 10:41 更新
太陽風、磁気圏は概ね穏やかです。これから明日にかけて、高速太陽風がやってくるでしょう。

担当 篠原

太陽風は速度440km/秒と、やや高まった値で安定しています。
磁場強度は5nTで、普通の強さです。

ちょうど日付が今日に変わる頃に(27日2時、世界時26日17時頃)、
太陽風磁場の大まかな向きが、
「太陽から地球向き(A)」から、「地球から太陽向き(T)」切り替わる、
セクター境界を地球は通過しました。
ACEの図で、水色の線が真ん中あたりから上寄りにジャンプしていますが、
その境目がセクター境界です。


セクターが切り替わること自体は、地球への目立った影響は起こしません。
しかし、それとともに高速風がやって来たりするなど、
太陽風の状態が変化することはよく見られます。

今回の場合は、太陽風磁場の南北成分(赤線)に変化が見られています。
図の前半では0nT付近にあったものが、
後半からは-3nTの弱い南向きが続くようになっています。
セクターをまたいで、太陽風の様子が変わったためだと思います。

ただし、今回は速度などに目立った変化は発生しておらず、影響は小規模です。


磁場が南向きになったため、磁気圏がやや活動的になっています。
AE指数の後半で、500nT規模の小規模変動が捉えられています。
しかし、速度や磁場強度が現状程度では、活動も小規模に留まるでしょう。

そして、今夜か明日くらいから、高速の太陽風がやって来ると予想されています。
SOHO EIT284では、発生源のコロナホールがよく見えています。
27日周期の図から前周期の高速風を見ると、
最高速は650km/秒に達し、高速状態は3〜4日続きました。

速度が上がる前に、磁場強度が強まるでしょう。
その際に大きく南を向くと、
磁気嵐を起こしたり、活発なオーロラ活動が発生する可能性があります。
また、高速風の後半からは、放射線帯高エネルギー電子が増加すると思われます。
29日以降は注意が必要となるでしょう。


太陽の東端の黒点群の姿が、よく見えるようになって来ました。
規模はなかなか立派ですが、活動度は低い様です。
X線のグラフは、レベルは上がっていますが、目立った変化は起きていません。
太陽のフレア活動は穏やかに推移しそうです。



SOHO衛星EIT284カメラの映像
(c) SOHO (ESA & NASA)

最新映像


ACEが観測した太陽風の磁場(1番上の枠、白線は全体の強度、赤線は南北成分)
および、太陽風の密度(3番目の橙線)、速度(4番目の黄線)
(c) NOAA/SEC



リアルタイムAE指数
下段のAEグラフの値が高くなると、オーロラ活動が活発化しています。
(c) 京都大学, NICT



27日の太陽周期に合わせたデータプロット
太陽が同じ面を地球に向けていた27日前の変化から、今後を予想することができます。
(c) NICT
太陽X線
○はM以上
太陽風速度
km/sec
セクター
Bx (nT)
IMF Bz,Bt
nT
沖縄変動
nT
沖縄短期変動
nT
静止軌道電子
/cm^2 s sr
太陽X線
○はM以上
太陽風速度
km/sec
セクター
Bx (nT)
IMF Bz,Bt
nT
沖縄変動
nT
沖縄短期変動
nT
静止軌道電子
/cm^2 s sr
GOES衛星による、静止衛星軌道における高エネルギー電子の変化
(c) NOAA/SEC



SOHO衛星のMDIカメラによる太陽黒点
(c) SOHO (ESA & NASA)



GOES衛星の太陽X線データ
(c) NOAA/SEC





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篠原 学( shino@kagoshima-ct.ac.jp )宛てお知らせ下さい。