宇宙天気ニュース (これは過去のニュースです)

 
当時「情報通信研究機構宇宙環境計測グループ」よりお届けした記事です
太陽フレア・磁気嵐・オーロラ活動など、宇宙天気の最新情報をお知らせするページです。

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これまでの経過 (過去のニュースの全リスト)
2007/ 4/13 11:22 太陽風磁場が南を向き、中規模のオーロラ活動が見られました。高速風は終わりつつあります。
2007/ 4/14 11:17 太陽風の速度は下がり(380km/秒)、磁気圏はたいへん穏やかです。太陽は無黒点が続いています。
2007/ 4/15 10:36 太陽風は低速です(360km/秒)。磁場が安定して-4nTの南向きになっています。
2007/ 4/16 10:17 太陽風はやや低速(350〜380km/秒)で、磁気圏も概ね静穏です。
2007/ 4/17 10:07 太陽風は低速(300km/秒)で、磁気圏も穏やかです。太陽は無黒点のままです。
最新のニュース

2007/ 4/18 12:41 更新
太陽風磁場が安定して南を向き続けたため、小規模の磁気嵐が発生しました。

担当 篠原

太陽風は速度はやや低速でしたが、
磁場が急に大きく南を向き続ける変化が発生しました。
そのため、小規模ですが磁気嵐が起こっています。

太陽風に変化が始まったのは、17日14時(世界時17日5時)頃からです。
太陽風の磁場強度が、急に8nTに強まりました(その後10nTまで上がっています)。
速度は340km/秒くらいで、低速のままです。
特徴的だったのは、その後、南北成分が大きく南に向き、
-5〜-10nTくらいの強度で半日にわたって安定した南向きが続いたことです。
このため、急に磁気圏がざわつきました。

速度が遅かったので、大きな変動には発達しませんでしたが、
AE指数では、500〜700nTの中規模の変化が連続的に発生しています。
沖縄の磁場強度は、静穏レベル(青の横線)から最大で-70nTの低下を示しています。
地球の周りに環電流が発達し、小規模の磁気嵐が起こりました。

太陽風磁場の南北成分の変化をみると、
開始から17日21時(世界時17日12時)にかけてひとつの山が、
そこから18日4時(世界時17日19時)にかけてもうひとつの山が、
さらにそれ以降も小さな安定した南向きが、
と3つのまとまった変化が連続してやって来たように見えます。
この様子は、磁場の南北成分に加えて東西成分も一緒に見ることで、
太陽風磁場の向きが大きく変化している様子をイメージできます。


現在の太陽風は、磁場強度は4nTくらいに弱まりました。
依然、南向きにかたよった変化を続けていますが、
強度が下がったため、南向きの振幅もだいぶ小さくなっています。
速度は400km/秒と通常のレベルにまで回復していますが、
磁場強度が弱まっているので、磁気嵐の発達などは起こらないでしょう。
今後は、中・小規模のオーロラ活動に留まると思われます。

今回の変化は、太陽風の一時的な変動です。
この後は、一旦落ち着くでしょう。
そして、21日に入るくらいから高速の太陽風がやって来ます。
発生源となるコロナホールが、SOHO EIT284の太陽写真に写っています。
前周期は、高速風はあまり強まらなかったのですが、
今回はどうなるでしょうか。


太陽では、西の端(右端)に小さく952黒点群が発生したそうです。
写真では見つける事ができません。
SOHO EIT284の写真で明るく輝いている小さな点が、その黒点群です。
フレア活動は穏やかなままです。




SOHO衛星EIT284カメラの映像
(c) SOHO (ESA & NASA)

最新映像


ACEが観測した太陽風の磁場(1番上の枠、白線は全体の強度、赤線は南北成分)
および、太陽風の密度(3番目の橙線)、速度(4番目の黄線)
(c) NOAA/SEC



リアルタイムAE指数
下段のAEグラフの値が高くなると、オーロラ活動が活発化しています。
(c) 京都大学, NICT



沖縄の磁場擾乱
下へ下がるほど、擾乱が発達している事を意味します。
(c) NICT



27日の太陽周期に合わせたデータプロット
太陽が同じ面を地球に向けていた27日前の変化から、今後を予想することができます。
(c) NICT
太陽X線
○はM以上
太陽風速度
km/sec
セクター
Bx (nT)
IMF Bz,Bt
nT
沖縄変動
nT
沖縄短期変動
nT
静止軌道電子
/cm^2 s sr
太陽X線
○はM以上
太陽風速度
km/sec
セクター
Bx (nT)
IMF Bz,Bt
nT
沖縄変動
nT
沖縄短期変動
nT
静止軌道電子
/cm^2 s sr
SOHO衛星のMDIカメラによる太陽黒点
(c) SOHO (ESA & NASA)



GOES衛星の太陽X線データ
(c) NOAA/SEC





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篠原 学( shino@kagoshima-ct.ac.jp )宛てお知らせ下さい。