宇宙天気ニュース (これは過去のニュースです)

 
当時「情報通信研究機構宇宙環境計測グループ」よりお届けした記事です
太陽フレア・磁気嵐・オーロラ活動など、宇宙天気の最新情報をお知らせするページです。

リアルタイムデータ
27日周期 (NICT)
短期太陽風電子
太陽黒点 (SOHO)
太陽X線 (GOES)
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EIT284 (SOHO)
EIT195 (SOHO)
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LASCO C3 (SOHO)
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これまでの経過 (過去のニュースの全リスト)
2007/ 4/ 4 10:15 太陽風の速度が下がり始めました(550km/秒)。高速風は後半を迎えています。
2007/ 4/ 5 14:20 太陽風の速度は下がり、通常の速度に戻っています。放射線帯の高エネルギー電子が高まっています。
2007/ 4/ 6 12:42 太陽風は通常の状態に戻りました。放射線帯高エネルギー電子が高い状態です。
2007/ 4/ 7 10:23 太陽風は低速になっています(350km/秒)。放射線帯の警戒状態が続いています。
2007/ 4/ 8 09:11 太陽風はとても低速(300km/秒)で、磁気圏活動も穏やかです。明日以降、高速風がやってきます。
最新のニュース

2007/ 4/ 9 10:04 更新
太陽風の磁場強度、密度、速度などで変化が始まっています。高速風が始まると思われます。

担当 篠原

太陽風に変化が始まった様です。
ACE衛星の観測によると、今日の早朝、9日6時半(世界時8日21時半)頃に、
太陽風磁場、密度、速度のデータが大きく変化しました。

太陽風磁場(白線)は、それまで5nT以下だったものが、
急激に強まって、一時20nTにまで上昇しています。
かなり強い磁場強度です。
また、密度(橙色線)は、5個/cm^3から40個/cm^3へ上がりました。
速度も同じく、300km/秒から400km/へ上がりましたが、
これは、低速から通常の速度へ回復した程度です。

太陽風の密度が急に上がったため、
磁気圏に対する太陽風の圧力が増加して、磁気圏が圧縮される変化が発生しています。
沖縄の磁場データをご覧下さい。
図の右端、9日7時半(世界時8日22時半)頃に、磁場強度の急な上昇が発生しています。
これは、磁気圏が圧縮されたために、
磁気圏の内側の磁場強度が強まったために起こった変化です。


また、太陽風の磁場強度は、20nTに強まった後、
一時的に0nT付近まで下がり、再び10nT強へ戻っています。
面白い変化ですが、ここでセクターの切り替わりが起こっているのかもしれません。
前周期でも、高速風の到来とともに、セクターの切り替わりが見られています。

この太陽風の変化は、SOHO EIT284の太陽写真で見えていたコロナホールによる
高速風の開始にあたるのではないかと思います。
引き続き、速度が上昇を続けて行く可能性が高いですので、注目してください。

磁場強度が強まっていますが、
ここまでの南北成分(赤線)は北向き(プラス方向)で推移しています。
この状態では、磁気圏への影響は小さいままですが、
向きが反転して、南向き(マイナス方向)で推移するようになると、
オーロラや磁気嵐などの磁気圏活動が活発化します。

前周期の高速風は、最高速度が700km/秒に達し、
高速状態が6日間にわたって続きました。
今週いっぱいは注意が必要となりそうです。


現在までの磁気圏活動は静穏です。
AE指数にはほとんど変化がありません。

また、放射線帯高エネルギー電子は高いレベルが続いていますが、
今朝の太陽風の乱れで、急な減少も示しています。
どこまで下がるかは、明日まで様子を見る必要がありますが、
その一方、太陽風速度が本格的に上昇すると、一気に減少する可能性が高まります。

太陽は無黒点のままです。
ほんとうに穏やかな状態が続いています。
極小期も極まりつつあるのでしょうか。




SOHO衛星EIT284カメラの映像
(c) SOHO (ESA & NASA)

最新映像


ACEが観測した太陽風の磁場(1番上の枠、白線は全体の強度、赤線は南北成分)
および、太陽風の密度(3番目の橙線)、速度(4番目の黄線)
(c) NOAA/SEC



沖縄の磁場擾乱
下へ下がるほど、擾乱が発達している事を意味します。
(c) NICT



リアルタイムAE指数
下段のAEグラフの値が高くなると、オーロラ活動が活発化しています。
(c) 京都大学, NICT



27日の太陽周期に合わせたデータプロット
太陽が同じ面を地球に向けていた27日前の変化から、今後を予想することができます。
(c) NICT
太陽X線
○はM以上
太陽風速度
km/sec
セクター
Bx (nT)
IMF Bz,Bt
nT
沖縄変動
nT
沖縄短期変動
nT
静止軌道電子
/cm^2 s sr
太陽X線
○はM以上
太陽風速度
km/sec
セクター
Bx (nT)
IMF Bz,Bt
nT
沖縄変動
nT
沖縄短期変動
nT
静止軌道電子
/cm^2 s sr
GOES衛星による、静止衛星軌道における高エネルギー電子の変化
(c) NOAA/SEC



SOHO衛星のMDIカメラによる太陽黒点
(c) SOHO (ESA & NASA)



GOES衛星の太陽X線データ
(c) NOAA/SEC





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篠原 学( shino@kagoshima-ct.ac.jp )宛てお知らせ下さい。