宇宙天気ニュース (これは過去のニュースです)

 
当時「情報通信研究機構宇宙環境計測グループ」よりお届けした記事です
太陽フレア・磁気嵐・オーロラ活動など、宇宙天気の最新情報をお知らせするページです。

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これまでの経過 (過去のニュースの全リスト)
2007/ 3/27 10:24 太陽風の速度は450km/秒で、高速風にはなりませんでした。
2007/ 3/28 13:56 急に高速風がやってきました。太陽風の速度は600km/秒近くにまで上がっています。
2007/ 3/29 10:01 太陽風の速度は下がり、通常の状態に戻っています。次のコロナホールが見えています。
2007/ 3/30 11:12 太陽風(390km/秒)、磁気圏ともに穏やかです。
2007/ 3/31 11:01 太陽風の速度は下がり、磁気圏も概ね静穏です。明日以降、高速風がやってきます。
最新のニュース

2007/ 4/ 1 12:05 更新
太陽風が変化を始めています。これから高速風が始まるでしょう。

担当 篠原

太陽風に変化が始まっています。
4月1日5時(世界時31日20時)頃から、磁場強度と速度の両方が強まっています。

磁場強度(ACEの白線)は5nTから10nTに一気に強まって、以後、このレベルで推移しています。
速度(黄色線)は、350km/秒からゆっくりと上昇を始め、現在は450km/秒に達しています。
まだ、やや高速という程度で、今後の上昇に注目する必要があります。


磁場の南北成分(ACEの赤線)で、図の右端付近に-10nTと強く南を向いた時間帯があります。
まだ、地球に到来したばかりというタイミングですが、
この影響で、ある程度活発なオーロラや小規模の磁気嵐が発生しているかもしれません。
沖縄の磁場データを見ると、図の右端に-30nTほどの急な減少が観測されています。
シベリアの磁場データにもいくらか変化が出ていますが(図の右端)、
観測には時間帯があまり良くないと思います。

南向きとしてはなかなかの大きさだったのですが、
速度がまだ低かったので(400km/秒)、激しい変動にはなっていません。


27日周期の図によると、変化の開始としては、
前周期の磁場の乱れの開始と同じタイミングになりました。
このまま一気に高速風へ移行するのか、
高速風本体の到来は、前周期同様にもう1日ほど遅れるのか、
これからの変化に注目したいところです。

これから、高速風領域の最高速に達するくらいまで、
活発なオーロラ活動が期待できます。
明後日にかけてとなるでしょう。


放射線帯の高エネルギー電子は、強い南向き磁場の影響で、
一気に減少しています。
これからの高速風の到来によって、再び上昇すると予想されます。
明後日以降は注意が必要となるでしょう。

太陽のフレア活動は概ね静穏です。
949黒点群がB2のたいへん小さなフレアをひとつ起こしていますが、
それ以降は静かです。
949黒点群自体も規模がかなり小さく、掲載の写真では見つけることができません。
太陽は、静かな状態が続くでしょう。



STEREO衛星紫外線望遠鏡EUVI195の太陽写真。31日18時(世界時31日9時)
(c) NASA


ACEが観測した太陽風の磁場(1番上の枠、白線は全体の強度、赤線は南北成分)
および、太陽風の密度(3番目の橙線)、速度(4番目の黄線)
(c) NOAA/SEC



沖縄の磁場擾乱
下へ下がるほど、擾乱が発達している事を意味します。
(c) NICT



シベリアで観測された3日間の磁場データ
右側の3分の1が、昨日のデータになります。グラフが上がったり下がったりすると、オーロラ活動が活発化しています。
(c) NICT



27日の太陽周期に合わせたデータプロット
太陽が同じ面を地球に向けていた27日前の変化から、今後を予想することができます。
(c) NICT
太陽X線
○はM以上
太陽風速度
km/sec
セクター
Bx (nT)
IMF Bz,Bt
nT
沖縄変動
nT
沖縄短期変動
nT
静止軌道電子
/cm^2 s sr
太陽X線
○はM以上
太陽風速度
km/sec
セクター
Bx (nT)
IMF Bz,Bt
nT
沖縄変動
nT
沖縄短期変動
nT
静止軌道電子
/cm^2 s sr
GOES衛星による、静止衛星軌道における高エネルギー電子の変化
(c) NOAA/SEC



SOHO衛星のMDIカメラによる太陽黒点
(c) SOHO (ESA & NASA)



GOES衛星の太陽X線データ
(c) NOAA/SEC





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篠原 学( shino@kagoshima-ct.ac.jp )宛てお知らせ下さい。