宇宙天気ニュース (これは過去のニュースです) |
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当時「情報通信研究機構宇宙環境計測グループ」よりお届けした記事です |
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太陽フレア・磁気嵐・オーロラ活動など、宇宙天気の最新情報をお知らせするページです。 |
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2007/ 3/ 2 11:27 更新 太陽風の速度が下がり始めています(550km/秒)。放射線帯高エネルギー電子が増加しています。 担当 篠原 高速太陽風は後半に入った様です。 今朝になって、速度の低下が始まっています。 昨日のニュース以降、今朝2日7時頃までは600km/秒を超える高速風が続いていました。 そこから速度が下がり始め、現在、550km/秒に下がっています。 27日周期の図を見てください。 前周期と比較すると、高速風帯の発生が2日ほど遅くなっています。 コロナホールの分布がだいぶ変化したのでしょう。 高速風も後半に入り、今日から明日にかけて速度の低下が続きます。 明後日には、通常の太陽風に戻っているのではないでしょうか。 昨日は、高速風の影響で活発なオーロラ活動も見られました。 AE指数で500〜800nTの変動が記録されています。 ただ、連続的というよりも、AEの図の中心付近で高まっているだけに見えます。 その原因は、太陽風磁場の南北成分にあるようです。 ACEの図の赤線(磁場の南北成分)を見て下さい。 図の中心付近で、マイナス方向(南向き)にかたよっている時間帯があります。 ここで太陽風のエネルギーが地球磁気圏に流れ込み、オーロラを作ったのです。 一方、図の後半では、磁場はプラス(北向き)寄りになっています。 ここでは、エネルギー流入のスイッチが切れたため、 オーロラは穏やかになってしまったのです(AEの後半を見てください)。 オーロラの発生には、太陽風の速度と磁場の変化の両方が重要なのです。 STEREOの最新の太陽写真と、SOHOの27日前の太陽写真を比較してみましょう。 写真の明るさなどの処理が違うものの、 太陽の中心にふたつに分かれて明るい領域が見える、という構造は同じです。 問題は、その間にコロナホールの様な暗い構造があるように見えることです。 衛星が違うので比較が難しいですが、前周期よりもコロナホールが目立っているように感じます。 27日周期の図では、2月6-9日に、高速風のなりかけのような変化が見られました。 今回は、もう少し立派な高速風がやってくるのかもしれません。 3日後の、3月5日くらいから注目です。 放射線帯高エネルギー電子が増加しています。 GOES11が警戒ラインの10000に達しました。 衛星の運用では、しばらく注意が必要です。 太陽では、945黒点群は消えてしまったようです。 X線グラフはとても穏やかで、フレア活動は見られません。 STEREO衛星紫外線望遠鏡EUVI284の太陽写真。2日0時(世界時1日15時) (c) NASA SOHO衛星のEIT284カメラの映像 (c) SOHO (ESA & NASA)
ACEが観測した太陽風の磁場(1番上の枠、白線は全体の強度、赤線は南北成分) および、太陽風の密度(3番目の橙線)、速度(4番目の黄線) (c) NOAA/SEC リアルタイムAE指数 下段のAEグラフの値が高くなると、オーロラ活動が活発化しています。 (c) 京都大学, NICT 27日の太陽周期に合わせたデータプロット 太陽が同じ面を地球に向けていた27日前の変化から、今後を予想することができます。 (c) NICT
(c) NOAA/SEC SOHO衛星のMDIカメラによる太陽黒点 (c) SOHO (ESA & NASA) GOES衛星の太陽X線データ (c) NOAA/SEC | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
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