宇宙天気ニュース (これは過去のニュースです) |
|
当時「情報通信研究機構宇宙環境計測グループ」よりお届けした記事です |
|
太陽フレア・磁気嵐・オーロラ活動など、宇宙天気の最新情報をお知らせするページです。 |
| |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
|
2007/ 2/13 11:35 更新 高速太陽風がやってきました。現在、速度は550km/秒。磁気圏活動は比較的穏やかなままです。 担当 篠原 高速の太陽風がやってきました。 ACE衛星の観測では、太陽風に変化が始まったのは、 昨日の夕方、12日18時(世界時12日9時)頃です。 磁場強度(白線)、粒子密度(橙色線)、速度(黄色線)のすべてが増加を示しています。 磁場強度は、5nT以下の状態から、8nT、15nTと段階的に増加し、 その後、10nTに強まった状態で安定しています。 粒子密度は、5個/ccから、30個/ccくらいに増加し、その後はゆっくりと減少しています。 速度は、変化が始まった頃は300km/秒とかなり低速だったのですが、 ゆっくりと上昇を続け、今朝、13日7時(世界時12日22時)頃に550km/秒に達しました。 現在まで、この速度で安定しています。 磁場強度が強まり、速度が上昇したことで、磁気圏が乱れやすい状態になっていますが、 AE指数を見ると、500nTの小規模変動はあるものの、目立った乱れは起きていません。 それは、太陽風磁場の南北成分(赤線)が、 北寄り(プラス方向)にかたよって変化しているためです。 太陽風磁場の南北成分は、オーロラ活動のスイッチの様な役割をしていて、 これが、南向き(マイナス方向)に切り替わらないと、 磁気圏へエネルギーが効率よく流れ込みません。 ここまでの変化では、大きな南向きが発生していないので、 磁気圏は比較的穏やかな状態を保っているのです。 高速風は、これから数日間にわたって続くと予想されます(もう一段上昇するかもしれません)。 高速風が続いている間に、磁場南北成分が南寄りに切り変わると、オーロラ活動も活発になります。 高速風が中盤を迎えると、次第に磁場強度は下がって行きます。 そうなると、大きな南向きが現れなくなるため、 オーロラ活動も小規模にとどまるようになります。 27日周期の図によると、高速風の始まりは1日半ほど遅くなりました。 SOHO EIT284の太陽写真では、太陽の中心から南寄りに、 今回の高速風の原因であるコロナホールが見えています。 コロナホールの左端がまだ中心線に達する手前くらいなので、 高速風はもう4日くらいは続くのではないでしょうか。 前周期の変化と同程度になるのかもしれません。 太陽のフレア活動は非常に穏やかです。 X線のグラフは最低レベルが続いています。 黒点も見られない状態です。 SOHO衛星のEIT284カメラの映像 (c) SOHO (ESA & NASA)
ACEが観測した太陽風の磁場(1番上の枠、白線は全体の強度、赤線は南北成分) および、太陽風の密度(3番目の橙線)、速度(4番目の黄線) (c) NOAA/SEC リアルタイムAE指数 下段のAEグラフの値が高くなると、オーロラ活動が活発化しています。 (c) 京都大学, NICT 27日の太陽周期に合わせたデータプロット 太陽が同じ面を地球に向けていた27日前の変化から、今後を予想することができます。 (c) NICT
(c) NOAA/SEC SOHO衛星のMDIカメラによる太陽黒点 (c) SOHO (ESA & NASA) | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
|