宇宙天気ニュース (これは過去のニュースです) |
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当時「情報通信研究機構宇宙環境計測グループ」よりお届けした記事です |
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太陽フレア・磁気嵐・オーロラ活動など、宇宙天気の最新情報をお知らせするページです。 |
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2007/ 2/10 11:03 更新 太陽風は普段のレベルで、磁気圏は穏やかです。明日以降の太陽風の変化が注目されます。 担当 篠原 SOHOのEIT 284で、コロナホールが良く見えてきました。 昨夜の写真(左)と、27日前に太陽が同じ面を地球に向けていた時の写真(右)を比較しましょう。 右の写真では、太陽の中心からやや下がったところに黒く見える部分があります。 ここがコロナホールと呼ばれる領域です。 コロナホールでは、太陽が持っている磁場が、宇宙空間に向かって広がっています。 そして、熱いコロナガスが、磁力線に沿って太陽の外へ勢いよく飛び出しているのです。 飛び出したガスは高速の太陽風となって、地球に磁気嵐などを起こします。 コロナホールでガスが噴き出しているため、SOHOの写真では周囲よりも暗く見えるのです。 さて、2枚の写真を比較すると、左側の最新の写真では、 コロナホールのあった場所に明るい領域ができています。 その影響で、コロナホールが見えにくくなってしまったか、 コロナホールの構造が消えてしまったように思われます。 その一方、明るい領域の左下には、別の暗い領域ができています。 新しくこちら側がコロナホールになっているのかもしれません。 27日前のデータを参考にすると、高速風が前回同様にやってきた場合は、 明日、11日くらいから太陽風に乱れが始まると予想されます。 しかし、SOHOの写真では、コロナホールの分布が変わっている様です。 もし、前に見えていたコロナホールが弱まり、新しく左側にできているのだとすると、 高速風の始まりは、1〜2日ほど遅くなるでしょう。 そして、SOHOの写真の印象では、 高速風の規模は、全体的に小さくなるかもしれません。 今後の変化が注目されます。 前回は、最高速度が700km/秒に達し、6日間にわたって500km/秒を超えるという、 ずいぶん立派な高速風領域でした。 さて、現在の太陽風は、速度420km/秒、磁場強度5nTで、平均的な状態にあります。 磁場の南北成分は、+3nTから-3nT程度で小さな変化を示しています。 そのため、オーロラ活動は概ね静穏で、AE指数には目立った変化は見られません。 今日いっぱいは静穏な状態が続くでしょう。 明日以降は、高速風の到来次第となります。 高速風がやってくる時は、初めに磁場強度が強まる傾向があります。 磁場が大きく南を向きやすくなり、磁気嵐や激しいオーロラ活動をもたらします。 太陽のフレア活動は静穏です。 X線グラフの強度は、とても低いレベルに下がっています。 941黒点群は西に没しつつあり、太陽の黒点は見えなくなってしまいそうです。 SOHO衛星のEIT284カメラの映像 (c) SOHO (ESA & NASA)
ACEが観測した太陽風の磁場(1番上の枠、白線は全体の強度、赤線は南北成分) および、太陽風の密度(3番目の橙線)、速度(4番目の黄線) (c) NOAA/SEC リアルタイムAE指数 下段のAEグラフの値が高くなると、オーロラ活動が活発化しています。 (c) 京都大学, NICT 27日の太陽周期に合わせたデータプロット 太陽が同じ面を地球に向けていた27日前の変化から、今後を予想することができます。 (c) NICT
(c) NOAA/SEC SOHO衛星のMDIカメラによる太陽黒点 (c) SOHO (ESA & NASA) | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
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