宇宙天気ニュース (これは過去のニュースです) |
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当時「情報通信研究機構宇宙環境計測グループ」よりお届けした記事です |
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太陽フレア・磁気嵐・オーロラ活動など、宇宙天気の最新情報をお知らせするページです。 |
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2007/ 1/30 10:08 更新 太陽風の速度が大きく上昇しています(700km/秒)。激しいオーロラ活動が発生しました。 担当 篠原 昨日の夕方から太陽風の速度が上昇を始め、 一気に700km/秒まで上がっています。 27日周期の図で速度(緑色)の変化を見てください。 前周期の1月1-2日の変化と比較すると、 今回はとても急傾斜で速度が上がっています。 変化が1日遅れた分を、取り戻そうとしているかの様です。 昨日のニュースの直後、29日12時(世界時29日3時)頃から、 太陽風の磁場(ACEの白線)に変化が始まりました。 5nTから、7時間ほどかけて20nTまで強まっています。 かなりの振幅です。 それとともに、速度にも変化が始まり、 それまでの400km/秒から、 今朝、30日6時(世界時30日21時)頃に700km/秒へ達しました。 コロナホールの高速風としては、かなり高速の状態です。 その一方、速度が上がるとともに磁場強度は下がって行き、 現在は5nTへ弱まっています。 このことから、地球は高速風帯の最高速部分に達したと思われます。 また、昨日のニュースで密度(橙色線)が上がっていると書きましたが、 この変化も、高速風と関連した現象だった様です。 ACEの図を見ると、速度の上昇の前に密度の山ができ、 速度が上がるとともに密度は下がっています。 磁場強度の上昇と、速度の上昇が連続的に発生し、 磁気圏の活動がかなり活発になりました。 オーロラの活動を示すAE指数を見ると、 1500nTにも達する激しい変化がいきなり発生し、 その後も、1000nT規模の大きな変化が続いています。 ACEのデータを見ると、図の中ほどで、 磁場の南北成分が大きく-15nTも南を向いています。 この頃、速度は既に550km/秒に上がっていました。 この結果、1500nTの激しいオーロラが発生したのだと思われます。 極域の空では、壮大なオーロラを見ることができたのではないでしょうか。 その後、磁場強度が下がり、大きな南向きは見られなくなっています。 その一方、速度は700km/秒とかなり高くなりました。 この両者の兼ね合いでオーロラ活動の大きさが決まります。 速度がかなり高いので、中規模の変動がしばらく続くのではないでしょうか。 太陽では、30日1時半(世界時29日16時半)に、 C3.4の小規模フレアが発生しています。 その後にも、もうひとつC1のフレアが見られます。 発生箇所は940黒点群の様です。 黒点写真が更新されていませんので、SOHO EIT284の写真を見てください。 太陽の東側(左側)に、明るい領域が2つ見えていますが、 右側が940黒点群です。 左の明るい領域は、941黒点群と番号が付けられたそうです。 Cクラスを起こす様になり、940群は活動度が増しているようです。 今後も、小中規模のフレア活動を起こすかもしれません。 放射線帯の高エネルギー電子は、磁気圏活動の影響で大きく減少しています。 今後は、高速風の影響で、増加を始めると思われます。 明日、明後日にかけての変化に注目して下さい。 SOHO衛星のEIT284カメラの映像 (c) SOHO (ESA & NASA)
ACEが観測した太陽風の磁場(1番上の枠、白線は全体の強度、赤線は南北成分) および、太陽風の密度(3番目の橙線)、速度(4番目の黄線) (c) NOAA/SEC リアルタイムAE指数 下段のAEグラフの値が高くなると、オーロラ活動が活発化しています。 (c) 京都大学, NICT 27日の太陽周期に合わせたデータプロット 太陽が同じ面を地球に向けていた27日前の変化から、今後を予想することができます。 (c) NICT
右側の3分の1が、昨日のデータになります。グラフが上がったり下がったりすると、オーロラ活動が活発化しています。 (c) NICT GOES衛星の太陽X線データ (c) NOAA/SEC GOES衛星による、静止衛星軌道における高エネルギー電子の変化 (c) NOAA/SEC | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
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