宇宙天気ニュース (これは過去のニュースです)

 
当時「情報通信研究機構宇宙環境計測グループ」よりお届けした記事です
太陽フレア・磁気嵐・オーロラ活動など、宇宙天気の最新情報をお知らせするページです。

リアルタイムデータ
27日周期 (NICT)
短期太陽風電子
太陽黒点 (SOHO)
太陽X線 (GOES)
活動領域 (NASA)
EIT284 (SOHO)
EIT195 (SOHO)
LASCO C2 (SOHO)
LASCO C3 (SOHO)
コロナホール (NAOJ)
太陽風 1日 (ACE)
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これまでの経過 (過去のニュースの全リスト)
2007/ 1/25 11:43 太陽の東端でB9の小さなフレアが発生し、CMEが飛び出しています。地球への影響はないでしょう。
2007/ 1/26 11:59 C6.3の長時間型小規模フレアが発生し、CMEが見られています。太陽風は低速です(330km/秒)。
2007/ 1/27 12:13 940黒点群が顔を出しました。明日くらいから高速の太陽風がやってきます。
2007/ 1/28 12:08 太陽風速度は遅く(300km/秒)、磁気圏は穏やかです。高速風の始まりに注目してください。
2007/ 1/29 12:43 太陽風の速度はやや遅く(350km/秒)、高速風はまだ来ていません。
最新のニュース

2007/ 1/30 10:08 更新
太陽風の速度が大きく上昇しています(700km/秒)。激しいオーロラ活動が発生しました。

担当 篠原

昨日の夕方から太陽風の速度が上昇を始め、
一気に700km/秒まで上がっています。
27日周期の図で速度(緑色)の変化を見てください。
前周期の1月1-2日の変化と比較すると、
今回はとても急傾斜で速度が上がっています。
変化が1日遅れた分を、取り戻そうとしているかの様です。

昨日のニュースの直後、29日12時(世界時29日3時)頃から、
太陽風の磁場(ACEの白線)に変化が始まりました。
5nTから、7時間ほどかけて20nTまで強まっています。
かなりの振幅です。
それとともに、速度にも変化が始まり、
それまでの400km/秒から、
今朝、30日6時(世界時30日21時)頃に700km/秒へ達しました。
コロナホールの高速風としては、かなり高速の状態です。

その一方、速度が上がるとともに磁場強度は下がって行き、
現在は5nTへ弱まっています。
このことから、地球は高速風帯の最高速部分に達したと思われます。

また、昨日のニュースで密度(橙色線)が上がっていると書きましたが、
この変化も、高速風と関連した現象だった様です。
ACEの図を見ると、速度の上昇の前に密度の山ができ、
速度が上がるとともに密度は下がっています。


磁場強度の上昇と、速度の上昇が連続的に発生し、
磁気圏の活動がかなり活発になりました。
オーロラの活動を示すAE指数を見ると、
1500nTにも達する激しい変化がいきなり発生し、
その後も、1000nT規模の大きな変化が続いています。

ACEのデータを見ると、図の中ほどで、
磁場の南北成分が大きく-15nTも南を向いています。
この頃、速度は既に550km/秒に上がっていました。
この結果、1500nTの激しいオーロラが発生したのだと思われます。
極域の空では、壮大なオーロラを見ることができたのではないでしょうか。

その後、磁場強度が下がり、大きな南向きは見られなくなっています。
その一方、速度は700km/秒とかなり高くなりました。
この両者の兼ね合いでオーロラ活動の大きさが決まります。
速度がかなり高いので、中規模の変動がしばらく続くのではないでしょうか。


太陽では、30日1時半(世界時29日16時半)に、
C3.4の小規模フレアが発生しています。
その後にも、もうひとつC1のフレアが見られます。
発生箇所は940黒点群の様です。
黒点写真が更新されていませんので、SOHO EIT284の写真を見てください。
太陽の東側(左側)に、明るい領域が2つ見えていますが、
右側が940黒点群です。
左の明るい領域は、941黒点群と番号が付けられたそうです。
Cクラスを起こす様になり、940群は活動度が増しているようです。
今後も、小中規模のフレア活動を起こすかもしれません。


放射線帯の高エネルギー電子は、磁気圏活動の影響で大きく減少しています。
今後は、高速風の影響で、増加を始めると思われます。
明日、明後日にかけての変化に注目して下さい。



SOHO衛星EIT284カメラの映像
(c) SOHO (ESA & NASA)

最新映像


ACEが観測した太陽風の磁場(1番上の枠、白線は全体の強度、赤線は南北成分)
および、太陽風の密度(3番目の橙線)、速度(4番目の黄線)
(c) NOAA/SEC



リアルタイムAE指数
下段のAEグラフの値が高くなると、オーロラ活動が活発化しています。
(c) 京都大学, NICT



27日の太陽周期に合わせたデータプロット
太陽が同じ面を地球に向けていた27日前の変化から、今後を予想することができます。
(c) NICT
太陽X線
○はM以上
太陽風速度
km/sec
セクター
Bx (nT)
IMF Bz,Bt
nT
沖縄変動
nT
沖縄短期変動
nT
静止軌道電子
/cm^2 s sr
太陽X線
○はM以上
太陽風速度
km/sec
セクター
Bx (nT)
IMF Bz,Bt
nT
沖縄変動
nT
沖縄短期変動
nT
静止軌道電子
/cm^2 s sr
シベリアで観測された3日間の磁場データ
右側の3分の1が、昨日のデータになります。グラフが上がったり下がったりすると、オーロラ活動が活発化しています。
(c) NICT



GOES衛星の太陽X線データ
(c) NOAA/SEC



GOES衛星による、静止衛星軌道における高エネルギー電子の変化
(c) NOAA/SEC





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篠原 学( shino@kagoshima-ct.ac.jp )宛てお知らせ下さい。