宇宙天気ニュース (これは過去のニュースです) |
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当時「情報通信研究機構宇宙環境計測グループ」よりお届けした記事です |
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太陽フレア・磁気嵐・オーロラ活動など、宇宙天気の最新情報をお知らせするページです。 |
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2007/ 1/20 11:15 更新 600km/秒台の高速の太陽風が続いています。放射線帯の高エネルギー電子が高いレベルです。 担当 篠原 600km/秒台の、かなり高速の太陽風が続いています。 昨日から今日にかけてのACEデータ(黄色線)の変化を見ると、 600km/秒と700km/秒のかなり高速の領域を、上がったり、下がったりしています。 一方、磁場強度(白線)はゆっくりと下がり始めています。 5nTから4nTへ、明らかに弱まりの傾向にあります。 磁場強度は、この後も次第に低下していくでしょう。 磁場強度が下がってきたことから、高速風帯も後半に入ったと考えられます。 この後は、速度も次第に下がって行くことになるでしょう。 27日周期の図も参考に考えると、明日にかけて600km/秒台が続き、 それから本格的な低下が始まりそうです。 SOHO EIT284の太陽写真を見ると、 西側(右側)に移動して行ったコロナホールは、かなり見にくくなっています。 やがて、地球はその影響域から脱することになります。 太陽風が通常の速度レベルにもどるのは、23日頃になりそうです。 オーロラ活動への影響度を決定する、太陽風磁場の南北成分(ACEの赤線)は、 南北(マイナス=南、プラス=北)に細かく振動する変化に変わっています。 昨日のゆったりとした変化と雰囲気がだいぶ変わったことを、 図を参照して比べてみてください。 時間的にまとまった南向きでない分、 地球の磁気圏へのエネルギーの流れ込みが減少した様です。 オーロラの活動度はずいぶん弱まっています。 AE指数では、時々500nTに達する中規模の変動が見られているだけで、 その他は300nTくらいの小規模の変化に弱まっています。 シベリアの3日間の磁場変化の図を見ると、 活動度が弱まっているのがよくわかります。 この図では、オーロラが発生すると、オーロラ電流のためにグラフが下へ下がります。 下へ下がるほど、激しい活動が発生していたことを示しています。 3日間の変化の幅が、次第に小さくなっているのがお分かりでしょうか。 この後も磁場強度は弱まり、やがて速度も下がり始めます。 どちらも、オーロラ活動を弱める要因です。 一時的に活発な変化が見られることはありますが、 全体的には、次第に穏やかになっていきます。 放射線帯の高エネルギー電子は、警戒状態が続いています。 大きな増加は止まりましたが、赤線のGOES12が、 しっかりと警戒レベルを超える様になりました。 この状態はこれから数日間(前周期を参考にすると約1週間) にわたって続くと予想されます。 太陽のフレア活動はたいへん穏やかです。 938黒点群はとても小さくなっていて、やっと見える程度です。 SOHO LASCO C3では、淡いCME(太陽ガスの放出現象)が見られていますが、 太陽面で対応する現象は見られず、裏側の現象だと思われます。 SOHO衛星のEIT284カメラの映像 (c) SOHO (ESA & NASA)
SOHO衛星のLASCO C3カメラの映像 (c) SOHO (ESA & NASA)
ACEが観測した太陽風の磁場(1番上の枠、白線は全体の強度、赤線は南北成分) および、太陽風の密度(3番目の橙線)、速度(4番目の黄線) (c) NOAA/SEC リアルタイムAE指数 下段のAEグラフの値が高くなると、オーロラ活動が活発化しています。 (c) 京都大学, NICT シベリアで観測された3日間の磁場データ 右側の3分の1が、昨日のデータになります。グラフが上がったり下がったりすると、オーロラ活動が活発化しています。 (c) NICT 27日の太陽周期に合わせたデータプロット 太陽が同じ面を地球に向けていた27日前の変化から、今後を予想することができます。 (c) NICT
(c) NOAA/SEC SOHO衛星のMDIカメラによる太陽黒点 (c) SOHO (ESA & NASA) GOES衛星の太陽X線データ (c) NOAA/SEC | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
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