宇宙天気ニュース (これは過去のニュースです)

 
当時「情報通信研究機構宇宙環境計測グループ」よりお届けした記事です
太陽フレア・磁気嵐・オーロラ活動など、宇宙天気の最新情報をお知らせするページです。

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これまでの経過 (過去のニュースの全リスト)
2007/ 1/11 11:25 太陽風の速度がやや上がり(420km/秒)、小規模のオーロラ活動が見えています。小さな小規模フレアが発生しました。
2007/ 1/12 10:32 太陽風の速度が500km/秒まで上昇しています。
2007/ 1/13 11:34 マックノート彗星がSOHOの視野に見えています。太陽風の速度が下がり、磁気圏は静穏です。
2007/ 1/14 11:05 マックノート彗星が太陽の横に来ています。太陽風の密度が下がっています。速度はやや遅めになり、磁気圏は静穏です。
2007/ 1/15 11:18 太陽風の磁場強度が強まっています。速度はやや遅めです。
最新のニュース

2007/ 1/16 09:22 更新
マックノート彗星が、SOHOの視野を去りつつあります。太陽風は高速状態です(550km/秒)。

担当 篠原

この数日話題となっていたマックノート彗星が、
いよいよSOHO衛星LASCO C3カメラの視野から外れて行きます。
今日も動画を掲載します。
日増しに、サイズが大きくなっています(4.5MB)。
今後は、南半球側の空で見える様になるそうで、
Webでも、美しい彗星の姿が紹介される様になるでしょう。


昨日、太陽風の磁場強度が急に強くなり、
その後どうなるか注目していたのですが、
15日16時(世界時15日7時)頃から、速度が急に上昇を始め、
16日0時(世界時15日15時)には、600km/秒にまであがりました。
かなりの高速状態です。

その後、速度は一旦500km/秒に下がりましたが、
現在は550km/秒に再び上がっています。
地球は高速風の中です。

太陽風の磁場強度を見ると、10nT前後と強い状態を保っています。
速度が上がり始めた頃に、南北成分が大きく南を向き、
この影響で、たいへん激しいオーロラ活動が発生しました。
AE指数によると、15日23時(世界時15日14時)に、
1700nTに達するとても大きな変動が記録されています。
磁場が-8nTの強い南を向き、速度が500km/秒に上がった頃で、
かなり大きなエネルギーが一気に地球の磁気圏へ流れ込んだのでしょう。
その後は、500nT程度の小規模の活動が続いています。

SOHO EIT284の太陽写真では、高速風の原因となっているコロナホールが、
太陽の中心やや南寄り(下寄り)に見えています。
コロナホールの左端がちょうど太陽の中心線に達した頃です。
今、ここから最後尾の高速風が地球方向へ飛び出しているところです。
従って、高速風はもう3〜4日くらいは続くのではないかと思います。
磁場強度は依然10nTと強まったままですので、
もう一段、速度が上がるかもしれません。

現在は北寄りに推移しているため、オーロラ活動は低調ですが、
磁場が南寄りに切り替わると、速度が高いために一気に活動的になります。
磁場強度が強まっている間は、注意が必要です。


放射線帯の高エネルギー電子は、現在は低いレベルです。
今後、上昇に転じると予想されますので、注意する必要があります。

太陽では、938黒点群
(写真に番号がありませんが、太陽の中心から東寄り(左寄り)の位置です)が、
C1.4の小規模フレアを起こしました。
その他にも、Bクラスの小さなざわつきを続けています。
今後も、小規模フレアが発生する可能性があります。
ただし、黒点群の規模は小さいので、大きな活動にはならないでしょう。




SOHO LASCO C3の画面を、マックノート彗星が通過しています。
(c) ESA & NASA


SOHO衛星EIT284カメラの映像
(c) SOHO (ESA & NASA)

最新映像


ACEが観測した太陽風の磁場(1番上の枠、白線は全体の強度、赤線は南北成分)
および、太陽風の密度(3番目の橙線)、速度(4番目の黄線)
(c) NOAA/SEC



リアルタイムAE指数
下段のAEグラフの値が高くなると、オーロラ活動が活発化しています。
(c) 京都大学, NICT



シベリアで観測された3日間の磁場データ
右側の3分の1が、昨日のデータになります。グラフが上がったり下がったりすると、オーロラ活動が活発化しています。
(c) NICT



27日の太陽周期に合わせたデータプロット
太陽が同じ面を地球に向けていた27日前の変化から、今後を予想することができます。
(c) NICT
太陽X線
○はM以上
太陽風速度
km/sec
セクター
Bx (nT)
IMF Bz,Bt
nT
沖縄変動
nT
沖縄短期変動
nT
静止軌道電子
/cm^2 s sr
太陽X線
○はM以上
太陽風速度
km/sec
セクター
Bx (nT)
IMF Bz,Bt
nT
沖縄変動
nT
沖縄短期変動
nT
静止軌道電子
/cm^2 s sr
GOES衛星による、静止衛星軌道における高エネルギー電子の変化
(c) NOAA/SEC



SOHO衛星のMDIカメラによる太陽黒点
(c) SOHO (ESA & NASA)



GOES衛星の太陽X線データ
(c) NOAA/SEC





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篠原 学( shino@kagoshima-ct.ac.jp )宛てお知らせ下さい。