宇宙天気ニュース (これは過去のニュースです)

 
当時「情報通信研究機構宇宙環境計測グループ」よりお届けした記事です
太陽フレア・磁気嵐・オーロラ活動など、宇宙天気の最新情報をお知らせするページです。

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これまでの経過 (過去のニュースの全リスト)
2007/ 1/ 9 11:53 太陽風はかなり低速になっています(320km/秒)。磁気圏は概ね静穏です。
2007/ 1/10 12:04 太陽風の速度が通常レベルへと上がっています(380km/秒)。太陽風に小規模の乱れがやってきているのでしょう。
2007/ 1/11 11:25 太陽風の速度がやや上がり(420km/秒)、小規模のオーロラ活動が見えています。小さな小規模フレアが発生しました。
2007/ 1/12 10:32 太陽風の速度が500km/秒まで上昇しています。
2007/ 1/13 11:34 マックノート彗星がSOHOの視野に見えています。太陽風の速度が下がり、磁気圏は静穏です。
最新のニュース

2007/ 1/14 11:05 更新
マックノート彗星が太陽の横に来ています。太陽風の密度が下がっています。速度はやや遅めになり、磁気圏は静穏です。

担当 篠原

マックノート彗星がどんどん太陽に近づいています。
写真では、今日にも太陽の横を通過しそうです。
実際の彗星は、昨日、13日4時(世界時12日19時)が太陽との最接近だったそうです。
距離は0.17天文単位ということで、地球と太陽の距離の約5分の1です。
現在の最新写真と、動画を掲載します。
また、リアルタイムのページで、最新画像をどうぞ。

マックノート彗星に浮かれているうちに、という訳でもありませんが、
太陽風のデータも面白い状況になっています。
3枚目の図に、7日間の太陽風のデータを掲載します。
このなかで、橙色線のプラズマ密度のグラフに注目してください。
図の後半の2日間で、密度が1個/ccを切って、
0.2〜0.5個/ccあたりに下がっているのが分かります。
普段は、図の前半の様に、数個/ccくらいあります。
10分の1とまではいきませんが、数分の1には減少していると行ってよいでしょう。

この影響で、磁気圏の中、静止軌道にあるGOES衛星の磁場変化が
普段と違う様子になっています。
4枚目の図を見てください。
これは、GOESで観測された、北向き磁場の3日間の変化です。
最初の1日目は、正弦波の様に周期的な波打ちをしています。
ところが、2日目以降は、この変化が消え、平坦な形をしています。

地球の磁気圏は、プラズマの流れである太陽風の影響を受け、
太陽側は押しつぶされ、反対側は吹き流しの様に引き延ばされた形をしています。
太陽風が強い(密度が高かったり、速度が速かったり)と、より大きく変形を受け、
磁気圏の磁場の形がゆがみます。
GOES衛星の1日目の波打ちは、磁気圏の形のゆがみを観測しているのです。
一方、太陽風が弱まる(密度が下がったり、速度が遅くなる)と、
磁気圏の変形が小さくなって、磁気圏の形はより対称にもどります。
磁気圏の中を1日で1周するGOES衛星の磁場データも、変化が小さくなるのです。
この2日間のGOESの磁場データはこの状況を示しているのです。

密度の低い太陽風はやがて終わりを迎えます。
その時に、GOESの変化も同様に回復していることを確認してみてください。


さて、太陽風は、速度が360〜380km/秒とやや遅めになっています。
磁場強度は5nTでほぼ安定。
南北成分は北向きで安定しています。
このため、磁気圏のオーロラ活動もとても穏やかです。
AE指数の図が更新されていないので、シベリアの磁場データを掲載します。
後半の2日間(前日も太陽風磁場は北寄りでした)は、とても静穏です。
観測器が壊れているのでは?と勘違いしそうなくらいです。

今日から明日にかけて、穏やかな太陽風が続くでしょう。
明後日の16日に入るくらいから、次の高速太陽風がやって来ると予想されます。
発生源のコロナホールが、SOHO EIT284の写真で、
太陽の中心を過ぎたところに見えています。
太陽風の磁場の変化は、やや早く、明日の15日からはじまるかもしれません。

太陽のフレア活動は概ね穏やかです。
細かいBクラスの変化が見えていますが、大きな黒点群はなく、
今後の目立った活動につながることはなさそうです。
太陽の東側に新しく928黒点群が見えています(写真には番号はありません)。




SOHO衛星LASCO C3カメラでマックノート彗星が見えています(14日9時、世界時14日0時)。
(c) ESA & NASA


SOHO LASCO C3による、マックノート彗星の動画。
(c) ESA & NASA


ACE衛星による、7日間の太陽風データ。橙色の密度データが減少しています。
(c) NOAA/SEC


GOES衛星が観測した、静止軌道における北向き磁場の変化。後半の2日間の変動がとても小さくなっている。
(c) NOAA/SEC


SOHO衛星EIT284カメラの映像
(c) SOHO (ESA & NASA)

最新映像


ACEが観測した太陽風の磁場(1番上の枠、白線は全体の強度、赤線は南北成分)
および、太陽風の密度(3番目の橙線)、速度(4番目の黄線)
(c) NOAA/SEC



リアルタイムAE指数
下段のAEグラフの値が高くなると、オーロラ活動が活発化しています。
(c) 京都大学, NICT



シベリアで観測された3日間の磁場データ
右側の3分の1が、昨日のデータになります。グラフが上がったり下がったりすると、オーロラ活動が活発化しています。
(c) NICT



27日の太陽周期に合わせたデータプロット
太陽が同じ面を地球に向けていた27日前の変化から、今後を予想することができます。
(c) NICT
太陽X線
○はM以上
太陽風速度
km/sec
セクター
Bx (nT)
IMF Bz,Bt
nT
沖縄変動
nT
沖縄短期変動
nT
静止軌道電子
/cm^2 s sr
太陽X線
○はM以上
太陽風速度
km/sec
セクター
Bx (nT)
IMF Bz,Bt
nT
沖縄変動
nT
沖縄短期変動
nT
静止軌道電子
/cm^2 s sr
SOHO衛星のMDIカメラによる太陽黒点
(c) SOHO (ESA & NASA)



GOES衛星の太陽X線データ
(c) NOAA/SEC





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篠原 学( shino@kagoshima-ct.ac.jp )宛てお知らせ下さい。