宇宙天気ニュース (これは過去のニュースです) |
|
当時「情報通信研究機構宇宙環境計測グループ」よりお届けした記事です |
|
太陽フレア・磁気嵐・オーロラ活動など、宇宙天気の最新情報をお知らせするページです。 |
| ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
|
2006/12/19 10:24 更新 太陽風の速度が上昇しています(550km/秒)。太陽は無黒点になりました。 担当 篠原 太陽風の速度が上昇しています。 ACE衛星の観測によると、18日18時(世界時18日9時)から、 太陽風の速度、磁場強度の増加が始まっています。 速度は400km/秒くらいに下がっていましたが、 それから半日ほどかけて、現在は550km/秒に上昇しています。 一方、磁場強度は、それまでの3nTから、 8時間ほどで10nTを超える程度に強まりました。 そこでピークを迎え、現在は5nTくらいに弱まっています。 磁場強度が落ちたということで、 速度の上昇は、このあたりで一段落しそうです。 SOHO EIT284の太陽写真を見ると(左側が最新です)、コロナホール (かなり淡いですが、南寄りやや西(下寄りやや右)に見える暗い領域です)は、 まだ大きくは西に進んでおらず、この影響が地球に及ぶにはやや早い感じがします。 ちなみに、27日前の前周期の写真(右側)と比較すると、 コロナホールの位置に大きな違いはありません。 そして、27日周期の図で速度の変化を見ると、 前周期は11月23日から本格的な上昇を始めていて(今周期では12月20日に相当します)、 12月18日の上昇はだいぶ早まっていることになります。 以上のことから、現在の乱れは、もう少し規模の小さな変動で、 コロナホールの本格的な影響は、これから改めて始まるのではないかと思います。 これから明日にかけての、太陽風の変化に注目してください。 前周期の高速風は、最高が650km/秒を超えるほどになり、 6日にわたって高速風が続く、かなり立派なものでした。 速度の上昇によって、オーロラ活動も発生しています。 AEデータは、観測点の数が揃っていないためか、目立った変化はありませんが、 シベリアの磁場データで、小規模の変動が記録されています。 速度が高まっていますので、今後も同じ様な状況が続くでしょう。 ただし、磁場強度は弱まっているので、大きな変動は発生しないと思います。 930黒点群が太陽の向こう側に回り、太陽は無黒点になっています。 X線の強度も一気に下がり、穏やかな太陽が帰って来ました。 放射線帯の高エネルギー電子は、 グラフとしては、昨夜まで高いレベルを保っています。 しかし、最後の部分で大きく減少を示しています。 これは、太陽風の速度が上昇して、磁気圏がやや活動的になった影響だと思われます。 今日のピークでは、だいぶ下がっているのではないでしょうか。 警戒レベル(10,000の線)を割っている可能性もあります。 SOHO衛星のEIT284カメラの映像 (c) SOHO (ESA & NASA)
ACEが観測した太陽風の磁場(1番上の枠、白線は全体の強度、赤線は南北成分) および、太陽風の密度(3番目の橙線)、速度(4番目の黄線) (c) NOAA/SEC リアルタイムAE指数 下段のAEグラフの値が高くなると、オーロラ活動が活発化しています。 (c) 京都大学, NICT シベリアで観測された3日間の磁場データ 右側の3分の1が、昨日のデータになります。グラフが上がったり下がったりすると、オーロラ活動が活発化しています。 (c) NICT 27日の太陽周期に合わせたデータプロット 太陽が同じ面を地球に向けていた27日前の変化から、今後を予想することができます。 (c) NICT
(c) SOHO (ESA & NASA) GOES衛星の太陽X線データ (c) NOAA/SEC GOES衛星による、静止衛星軌道における高エネルギー電子の変化 (c) NOAA/SEC | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
|