宇宙天気ニュース (これは過去のニュースです)

 
当時「情報通信研究機構宇宙環境計測グループ」よりお届けした記事です
太陽フレア・磁気嵐・オーロラ活動など、宇宙天気の最新情報をお知らせするページです。

リアルタイムデータ
27日周期 (NICT)
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太陽黒点 (SOHO)
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これまでの経過 (過去のニュースの全リスト)
2006/11/18 12:14 太陽風の速度は下がり(350km/秒)、概ね穏やかな状態が続いています。太陽風速度の長期変化の図をごらん下さい。
2006/11/19 12:04 太陽風磁場が強まっています。南寄りになると、オーロラ活動などが強まる可能性があります。
2006/11/20 10:42 太陽風は通常の速度です(400km/秒)。オーロラ活動は穏やかです。
2006/11/21 13:04 太陽風の粒子密度がかなり下がっています。磁気圏は穏やかな状態です。
2006/11/22 11:42 太陽風は低速で、地球は静穏です。CMEの動画を掲載します。
最新のニュース

2006/11/23 10:48 更新
太陽風の磁場強度とプラズマ密度が増加しています。高速太陽風がまもなくやって来そうです。

担当 篠原

太陽風に変化が見えています。
高速風の到来が近づいているのかもしれません。

ACE衛星のデータを見ると、太陽風の磁場が、5nTの通常レベルからゆっくりと上昇して、
現在9nTくらいまで強まっています。
プラズマの密度(橙色線)も同じように上昇をして、
2個/立方cmから、10個/立方cmへ増加しています。

高速太陽風の前面では、これからやってくる高速風が、前にある低速風を押しこむために、
磁場強度やプラズマ密度が増加する傾向があります。
現在見えている変化は、この変化である可能性があります。

現在の太陽風の速度は、350km/秒を前後していて、やや低速のままです。
27日周期の図を見ると、磁場強度の変化は1日ほど早まって発生しています。
図の上段の前周期には、10月27日の後半に磁場の変化(青線)が見られました(図は世界時です)。
これを単純に下段に持って来ると11月23日の後半になりますが、
この図で見ると、既に昨日、11月22日の後半に変化が始まっています。

高速風の到来が1日ほど早まっているとすると、
今日の夜くらいから速度が上昇を始めると予想されます。

現在の磁気圏ですが、まだ、速度が遅いために概ね静穏です。
ただし、磁場強度が強まっているので、南向きが強まりやすい状態にあります。
実際、ACEの図で-5nTの強い南向きが4時間ほど発生している時間帯があります。
ここでは、小規模のオーロラ活動が発生していました。
AE指数のグラフが500nTくらいまで盛り上がっています。
シベリア磁場データで見ると、へこんだ部分がその活動にあたります。
電離圏を流れるオーロラ電流が強まったのです。

この変動の時は、南向きの磁場は強まったものの、速度が低速だったために、
オーロラ活動としては小さなものに留まったのです。
今後、速度が上昇を始めると、南を向いた場合の影響はどんどん大きくなります。
磁場強度が強い状態で、速度が上がり始めた時間帯は、
オーロラ活動が激しくなりやすいので注意してください。


太陽は黒点が見えなくなっています。
X線のグラフは強度自体がどんどん下がっていて、
太陽面に活動的な領域が無くなっている事を示しています。
フレア活動は静穏な状態が続くでしょう。



SOHO衛星EIT284カメラの映像
(c) SOHO (ESA & NASA)

最新映像


ACEが観測した太陽風の磁場(1番上の枠、白線は全体の強度、赤線は南北成分)
および、太陽風の密度(3番目の橙線)、速度(4番目の黄線)
(c) NOAA/SEC



リアルタイムAE指数
下段のAEグラフの値が高くなると、オーロラ活動が活発化しています。
(c) 京都大学, NICT



シベリアで観測された3日間の磁場データ
右側の3分の1が、昨日のデータになります。グラフが上がったり下がったりすると、オーロラ活動が活発化しています。
(c) NICT



27日の太陽周期に合わせたデータプロット
太陽が同じ面を地球に向けていた27日前の変化から、今後を予想することができます。
(c) NICT
太陽X線
○はM以上
太陽風速度
km/sec
セクター
Bx (nT)
IMF Bz,Bt
nT
沖縄変動
nT
沖縄短期変動
nT
静止軌道電子
/cm^2 s sr
太陽X線
○はM以上
太陽風速度
km/sec
セクター
Bx (nT)
IMF Bz,Bt
nT
沖縄変動
nT
沖縄短期変動
nT
静止軌道電子
/cm^2 s sr
SOHO衛星のMDIカメラによる太陽黒点
(c) SOHO (ESA & NASA)



GOES衛星の太陽X線データ
(c) NOAA/SEC





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篠原 学( shino@kagoshima-ct.ac.jp )宛てお知らせ下さい。