宇宙天気ニュース (これは過去のニュースです) |
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当時「情報通信研究機構宇宙環境計測グループ」よりお届けした記事です |
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太陽フレア・磁気嵐・オーロラ活動など、宇宙天気の最新情報をお知らせするページです。 |
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2006/11/18 12:14 更新 太陽風の速度は下がり(350km/秒)、概ね穏やかな状態が続いています。太陽風速度の長期変化の図をごらん下さい。 担当 篠原 太陽風は速度が400km/秒から350km/秒へと下がっています。 完全に低速になってしまいました。 磁場強度は5nTと通常の強さです。 磁場強度増加の気配は無く、このまま安定した太陽風が続きそうです。 27日周期の図で10月20〜24日にかけて見えていた高速風領域は、 どうやらなくなってしまったようです。 この部分の高速風が、これまで安定的にやってきていた様子を、 太陽風速度の長期変化の図で紹介しましょう。 今日掲載の2枚目の図は、27日周期で7周期前から今周期までの速度のプロットです。 図の中心付近に、安定して速度の山があったことが分かります。 毎回、最高速が600〜700km/秒に達していて、コロナホール起源としては活気のある高速風帯でした。 発生源のコロナホールの変化を、1枚目のSOHO EIT284の動画で示します。 こちらは4月以降のコロナホールの様子です。 途中、SOHOの欠測で飛んでいる期間があります。 最後の写真では、923黒点群による明るい領域がコロナホールに被さるように出現しています。 詳しい仕組みは分かりませんが、黒点群の発達の影響で太陽表面の磁場構造が変わり、 コロナホールが消えてしまったということでしょうか。 この様子では、この後も穏やかな太陽風が続きそうです。 もしかすると、高速風の痕跡の様な乱れがやって来るかもしれませんが、 大きなものではないでしょう。 すると、これから5日くらいは静穏となりそうです。 次の乱れは、27日周期の図で10月28日以降に見えている変化です。 その原因となるコロナホールが、SOHOの最新の写真の南東(左下)に見えています。 放射線帯の高エネルギー電子は、低めのレベルで推移しています。 こちらも、このまま穏やかに推移するでしょう。 太陽では、今日も3つの黒点群が見えています。 どれも規模の変化はほとんどありません。 X線のグラフでは、とても小さな活動が2回見えています。 もしかすると、この流れでCクラスに達する活動が起こるかもしれません。 それでも、小規模のフレアにとどまるでしょう。 SOHO EIT284による太陽の長期変化(2006年4月〜11月)。長期間存在していたコロナホールが、今周期見えなくなってしまった。 (c) ESA & NASA ACEが観測した太陽風速度の長期変化。図の中央部にあった速度の山が、今月に入ってなくなっている。 (c) NASA, NOAA SOHO衛星のEIT284カメラの映像 (c) SOHO (ESA & NASA)
ACEが観測した太陽風の磁場(1番上の枠、白線は全体の強度、赤線は南北成分) および、太陽風の密度(3番目の橙線)、速度(4番目の黄線) (c) NOAA/SEC リアルタイムAE指数 下段のAEグラフの値が高くなると、オーロラ活動が活発化しています。 (c) 京都大学, NICT 27日の太陽周期に合わせたデータプロット 太陽が同じ面を地球に向けていた27日前の変化から、今後を予想することができます。 (c) NICT
(c) NOAA/SEC SOHO衛星のMDIカメラによる太陽黒点 (c) SOHO (ESA & NASA) GOES衛星の太陽X線データ (c) NOAA/SEC | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
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