宇宙天気ニュース (これは過去のニュースです) |
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当時「情報通信研究機構宇宙環境計測グループ」よりお届けした記事です |
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太陽フレア・磁気嵐・オーロラ活動など、宇宙天気の最新情報をお知らせするページです。 |
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2006/11/14 10:28 更新 太陽風は通常の速度に戻りました(400km/秒)。放射線帯の高エネルギー電子は高いレベルで安定しています。 担当 篠原 太陽では、923黒点群が中心近くで大きな姿を見せています。 このくらい大きいと、肉眼でも見えるかもしれません。 適切な遮光板を使うか、日没直前の暗くなった太陽で挑戦してみてはいかがでしょうか。 (くれぐれも減光に注意してください) この923黒点群でCクラスの小規模フレアが続きましたが、 昨日は13日15時半(世界時13日6時半)にC1の小さなフレアを起こしただけで、 活動は落ち着きつつあるようです。 X線のグラフで見ても、小刻みな変化が減っています。 ただし、黒点群の規模は大きいので、小規模フレアが発生する可能性は十分あると思います。 また、太陽の東端(左端)に新しい黒点群が見えています。 まだ番号が付いていませんが、924黒点群です。 太陽風はどんどん速度を落としています。 昨日の460km/秒から、現在は400km/秒まで下がりました。 穏やかな太陽風に戻ったといってよいでしょう。 磁場強度は3nTとやや弱く、南北成分も0nTからやや北寄りに推移していて、 地球磁気圏への影響はとても小さくなっています。 オーロラの活動度を示すAE指数のグラフには全く変化が無く、 オーロラ活動がとても穏やかだったことを示しています。 27日周期の図を見ると、前周期の10月20日から高速の太陽風がやって来ています。 この乱れはずいぶん前から、ずっとここで安定して発生していました。 発生源となるコロナホールもなかなか立派で、 参考のため、過去2周期(10月17日、9月20日)のSOHO EIT284画像を掲載します。 ところが、今周期は太陽の様子が変わっています。 923黒点群の発達の影響か、このコロナホールがすっかり姿を消しているのです。 SOHO EIT284の左端の写真と、他の2枚の写真を比べてください。 コロナホールが見えなくなっています。 この影響が今周期の太陽風にどのように現れるのか、16日以降の変動が注目されます。 発達した活動領域の明るいガスに隠れているだけで、 吹き出しの構造は残っているのかもしれません。 あるいは、太陽風の吹き出し自体が弱まってしまっているのでしょうか。 放射線帯の高エネルギー電子は、増加はほぼ止まりましたが、 たいへん高いレベルが続いています。 衛星の運用では注意が必要な状況です。 SOHO衛星のEIT284カメラの映像 (c) SOHO (ESA & NASA)
SOHO衛星のMDIカメラによる太陽黒点 (c) SOHO (ESA & NASA) GOES衛星の太陽X線データ (c) NOAA/SEC ACEが観測した太陽風の磁場(1番上の枠、白線は全体の強度、赤線は南北成分) および、太陽風の密度(3番目の橙線)、速度(4番目の黄線) (c) NOAA/SEC リアルタイムAE指数 下段のAEグラフの値が高くなると、オーロラ活動が活発化しています。 (c) 京都大学, NICT 27日の太陽周期に合わせたデータプロット 太陽が同じ面を地球に向けていた27日前の変化から、今後を予想することができます。 (c) NICT
(c) NOAA/SEC | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
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