宇宙天気ニュース (これは過去のニュースです) |
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当時「情報通信研究機構宇宙環境計測グループ」よりお届けした記事です |
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太陽フレア・磁気嵐・オーロラ活動など、宇宙天気の最新情報をお知らせするページです。 |
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2006/11/10 12:55 更新 高速太陽風がやってきました。速度は500km/秒を超えています。磁気圏の活動も活発に発生しています。 担当 篠原 高速太陽風がいよいよやってきました。 9日21時(世界時9日12時)に、太陽風の密度(ACEの橙色線)と速度(黄色線)に飛びが発生していますが、 そこから速度がゆっくりと上昇を始めています。 それまで300km/秒を切るくらいに低速になっていたのですが、 半日ほどを経過して、現在は520km/秒に達しています。 太陽風の磁場強度も、速度の飛びと同じ頃から強まり始め、 10日3時(世界時9日18時)には20nTにまで強まりました。 かなりの強度です。 この状態は4時間ほど続き、現在は10nTから15nTの間で大きく変化しています。 磁場強度としては、依然大きな値です。 磁気圏への影響を決定する、太陽風磁場の南北成分は、 磁場の強まりとともに、南を大きく向く傾向が続いていました。 ACEの図を見ると、8時間ほどの間、 最大で-15nTに達するほどの大きな南向きの傾向が続いています。 このため、磁気圏はかなり活動的になりました。 オーロラの活動度を示すAE指数は、1000nTを超える大きな変動が記録されています。 また、磁気嵐も発生しているようです。 沖縄の磁場データでは、最大になった値から-70nTほど一気に下がっています。 世界的な観測でも、磁場強度が-100nTほど下がっていて、 中規模の磁気嵐になっている様です。 ただし、ここまでの変動は、磁場がかなり大きく南を向いたほどには、 激しい変化になっていません。 その理由は、磁場が南を向いた頃の太陽風の速度がまだ遅めで、 350〜450km/秒ほどしかなかったためです。 磁気圏へのエネルギーの流れ込みは、速度と南向きの磁場の強さの両方に影響されるのです。 さて、磁場強度は依然強いままですので、 高速風は、まだ最高速度に達していない可能性があります。 27日周期の図で、前回の速度変化を見ると(10月14-15日)、 速度はゆっくりと上がり続け、後半で600km/秒に達するという変化をしています。 今回も同様にとは言えませんが、磁場強度が弱まるまでは注意が必要です。 速度が上がって来ると、磁場が南を向いた時に、磁気圏の乱れ方も激しくなります。 現在はやや北寄りになっていて、磁気圏活動も一段落となっていると思いますが、 今後の変化に注目する必要があります。 高速風は3日くらい続くと予想されます。 放射線帯の高エネルギー電子は、磁気圏の乱れにともなって、 大きく減少しています。 しかし、今後、増加に転じると思われますので、明日以降の変化に注意してください。 太陽では、923黒点群が、姿を現した後はおとなしくなっていて、 目立った活動を起こしていません。 X線のグラフも基本的に静かです。 923黒点群は黒点の規模は大きいのですが、エネルギーを示す磁場構造の複雑さはそれほどでもありません。 注目していただけに、やや拍子抜けの印象です。 太陽面の向こう側でエネルギーを使い果たしてしまったのでしょうか。 しかし、しばらく休んだ後に、再び活動的になることもありますので、 当面注目しておく必要はあるでしょう。 SOHO衛星のEIT284カメラの映像 (c) SOHO (ESA & NASA)
ACEが観測した太陽風の磁場(1番上の枠、白線は全体の強度、赤線は南北成分) および、太陽風の密度(3番目の橙線)、速度(4番目の黄線) (c) NOAA/SEC リアルタイムAE指数 下段のAEグラフの値が高くなると、オーロラ活動が活発化しています。 (c) 京都大学, NICT シベリアで観測された3日間の磁場データ 右側の3分の1が、昨日のデータになります。グラフが上がったり下がったりすると、オーロラ活動が活発化しています。 (c) NICT 沖縄の磁場擾乱 下へ下がるほど、擾乱が発達している事を意味します。 (c) NICT 27日の太陽周期に合わせたデータプロット 太陽が同じ面を地球に向けていた27日前の変化から、今後を予想することができます。 (c) NICT
(c) NOAA/SEC SOHO衛星のMDIカメラによる太陽黒点 (c) SOHO (ESA & NASA) GOES衛星の太陽X線データ (c) NOAA/SEC | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
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