宇宙天気ニュース (これは過去のニュースです) |
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当時「情報通信研究機構宇宙環境計測グループ」よりお届けした記事です |
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太陽フレア・磁気嵐・オーロラ活動など、宇宙天気の最新情報をお知らせするページです。 |
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2006/11/ 1 12:32 更新 太陽風は通常の速度にもどっています(420km/秒)。921黒点群がやや大きくなっています。 担当 篠原 ACE衛星の観測によると、太陽風は昨日のニュースの後、 31日16時(世界時31日7時)頃に速度が420km/秒まで下がりました。 その後はほぼ安定した状態で、現在まで来ています。 太陽風の磁場は4nTで普段の強度を保っています。 ただ、南北成分がやや強まって、-2〜-4nTの南寄りの状態が半日ほど続きました。 その影響で、オーロラの活動もある程度強まっています。 AE指数で500nTくらいの中規模の変動が、 磁場の南寄りと対応するように、半日ほど続いています。 ここでは、磁場が南向きと言っても、それほどの振幅ではないこと、 速度が通常レベルに下がっていることなどの理由で、 比較的小規模のオーロラ活動に留まっていたのでしょう。 ACEの図の最後の部分を見ると、南北成分が弱まって、南寄りの傾向も一旦終わっています。 このまま南北成分が小さくなったままで推移すると、磁気圏も穏やかになって行きます。 南寄りが再び強まるようでしたら、オーロラ活動も中小規模のものが続くでしょう。 いずれにしても、現時点では太陽風が大きく乱れる要素はなく、 基本的には穏やかな状態が明後日くらいまで続くと思われます。 明後日の11月3日か、4日に入った頃から、次の乱れがやってくる可能性があります。 27日周期の図の、10月7-8日に見えている変動の回帰です。 SOHO EIT284の太陽写真で、太陽の北極(一番上)から中心付近にかけて、 南北(上下)に黒い筋が見えています。 あまりはっきりしたものではありませんが、 乱れが到来した場合は、このコロナホールが関係すると思われます。 放射線帯の高エネルギー電子は、それほど増加せず、 昨日の、警戒ラインのやや下というレベルに留まっています。 今回はこれ以上増加することはないでしょう。 太陽では、921黒点群の規模が大きくなっています。 黒点の数も増えていますし、エネルギーを示す磁場構造の複雑さも増しているようです。 この後、小規模のフレアくらいは起こすかもしれません。 この様な、黒点群の活動の程度を調べるには、GOESのX線動画を見るのが一番なのですが、 9月以来、GOES12のX線カメラに障害が発生していて、 動画として太陽の状況を見ることができません。 残念な状態です。 黒点群としては、921群の左下にもうひとつ922群が出現しています。 こちらは、小さな点がひとつ見えている程度です。 SOHO衛星のEIT284カメラの映像 (c) SOHO (ESA & NASA)
ACEが観測した太陽風の磁場(1番上の枠、白線は全体の強度、赤線は南北成分) および、太陽風の密度(3番目の橙線)、速度(4番目の黄線) (c) NOAA/SEC リアルタイムAE指数 下段のAEグラフの値が高くなると、オーロラ活動が活発化しています。 (c) 京都大学, NICT 27日の太陽周期に合わせたデータプロット 太陽が同じ面を地球に向けていた27日前の変化から、今後を予想することができます。 (c) NICT
(c) NOAA/SEC SOHO衛星のMDIカメラによる太陽黒点 (c) SOHO (ESA & NASA) GOES衛星の太陽X線データ (c) NOAA/SEC | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
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