宇宙天気ニュース (これは過去のニュースです) |
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当時「情報通信研究機構宇宙環境計測グループ」よりお届けした記事です |
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太陽フレア・磁気嵐・オーロラ活動など、宇宙天気の最新情報をお知らせするページです。 |
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2006/10/29 11:48 更新 地球は高速風領域に入りました。速度が550km/秒へ上昇しています。オーロラ活動も活発です。 担当 篠原 太陽風の速度が上昇しています。 昨日のニュース以降、太陽風の磁場は10nT前後の強まった状態が続きました。 そして、28日22時(世界時18日13時)ころから速度が上がり始め、 350km/秒から、29日5時(世界時28日20時)ころに550km/秒に達しました。 速度の変化はそこで落ち着いて、現在は520km/秒の高速状態にあります。 27日周期で見ると、高速風は半日ほど遅れて始まったように見えます。 磁場強度は前回ほどには強まりませんでした(前回は20nT近い)。 速度は、今のところ、前回と同程度に高まっています。 太陽風の磁場強度は現在も10nT近くまで強まった状態が続いています。 従って、このあともう一度、速度に変化が起こるかもしれません。 (起こっても、それほど大きな上昇ではないと思います) 今後、磁場強度が下がって、5nTくらいに戻る様でしたら、 速度は最高速に達していると考えてよいでしょう。 もうしばらく注目する必要があります。 太陽風磁場の南北成分は、南寄りに推移しています。 磁場強度が強まっていることもあり、 -5nTくらいの南向きがかなり続いています。 そのため、磁気圏の活動も活発化しています。 オーロラ活動を示すAE指数は、図の中盤で700nTくらいの中規模の活動が見られ、 後半には1000nTを超える大きな変動が発生しています。 これは、速度が上昇したので、磁気圏に流れ込むエネルギーが大きくなったためです。 シベリアの観測点の、活発な磁場変化の図も見て下さい。 前の2日がかなり穏やかだったのに対し、太陽風が乱れ始めた右端の1日は、 データが大きく変動しています。 この変化は、オーロラ活動に伴って観測点の電離圏を流れている電流によるものです。 磁場の変化が大きいほど、オーロラも活発になっていると考えることができます。 ACEの図を見ると、依然、太陽風磁場は南に向かって振れています。 この状態が続く間、オーロラの活動は活発に続くでしょう。 今後、磁場強度が下がり始めると、南向きも弱くなって、 オーロラの規模は次第に小さいものになって行きます。 太陽では、919黒点群に続いて、西の端に920黒点群が出現したそうです。 しかし、掲載の写真では、どちらの群もほとんど見えません。 とても小さな黒点の様です。 フレア活動は穏やかで、静かな状態が続いています。 SOHO衛星のEIT284カメラの映像 (c) SOHO (ESA & NASA)
ACEが観測した太陽風の磁場(1番上の枠、白線は全体の強度、赤線は南北成分) および、太陽風の密度(3番目の橙線)、速度(4番目の黄線) (c) NOAA/SEC リアルタイムAE指数 下段のAEグラフの値が高くなると、オーロラ活動が活発化しています。 (c) 京都大学, NICT シベリアで観測された3日間の磁場データ 右側の3分の1が、昨日のデータになります。グラフが上がったり下がったりすると、オーロラ活動が活発化しています。 (c) NICT 27日の太陽周期に合わせたデータプロット 太陽が同じ面を地球に向けていた27日前の変化から、今後を予想することができます。 (c) NICT
(c) SOHO (ESA & NASA) GOES衛星の太陽X線データ (c) NOAA/SEC | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
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