宇宙天気ニュース (これは過去のニュースです)

 
当時「情報通信研究機構宇宙環境計測グループ」よりお届けした記事です
太陽フレア・磁気嵐・オーロラ活動など、宇宙天気の最新情報をお知らせするページです。

リアルタイムデータ
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これまでの経過 (過去のニュースの全リスト)
2006/10/14 12:58 高速風が始まりました(500km/秒)。活発なオーロラ活動が発生してます。
2006/10/15 12:45 高速風は650km/秒に上がっています。最高速に達したと思われます。オーロラの活動も活発です。
2006/10/16 12:00 高速風はピークを過ぎ、速度は低下に向かっています(500km/秒)。放射線帯の高エネルギー電子が増加しています。
2006/10/17 10:25 太陽風の速度は下がり(420km/秒)、地球は高速風領域を抜け出しました。放射線帯高エネルギー電子は強まった状態が続いています。
2006/10/18 11:02 太陽風は低速となり(350km/秒)、オーロラ活動も穏やかです。放射線帯高エネルギー電子は高いレベルを保っています。
最新のニュース

2006/10/19 12:03 更新
低速太陽風のため(310km/秒)、磁気圏はとても穏やかです。高エネルギー電子は高レベルが続いています。

担当 篠原

太陽風はとても穏やかになっています。
速度は310km/秒まで下がりました。かなり低速です。
磁場強度も2nT前後と弱まったままです。

27日周期の図を見てください。
太陽は地球から見ると27日程度で一回転します。
そのため、太陽から吹き出す太陽風も27日くらいの周期で
同じ変化を繰り返す傾向があります。
その様子を分かりやすくまとめたのが27日周期の図です。

上の段は27日前(一回転前)の宇宙天気データです。
太陽風の速度(緑色線)を見ると、
9月18-19日と9月24-26日にふたつの山(高速風帯)が見えます。
これらは、コロナホールなど太陽風の吹き出し構造に関係した変化です。
従って、太陽の自転とともに繰り返してやってきます。
下の段を見ると、10月14-15日に、9月18-19日と対応する速度の上昇が発生しています。
(一日ほどずれていますが、この程度のずれは普通に起こります)
この図の上下を見比べると、今後の宇宙天気を予想できるのです。

上の段の9月22日は、下の段では10月19日になっています。
従って、今日の太陽風は、9月22日に見られた様な300km/秒の低速風となるでしょう。
(この図は世界時です。日本時間は+9時間で求められます)

そして、9月23日に太陽風速度の上昇が始まり、
9月24日には、速度が650km/秒から700km/秒近くに達する本格的な高速太陽風がやって来ています。
この変化は、10月20日から21日にかけて見られると予想されます。

速度の上昇の前には、太陽風の磁場強度(青線)が強まります。
9月23日から24日のときも、20nTを超えるほどにたいへん強まっています。
この変化も明日以降注目してください。

27日の周期性は、必ず発生するわけではありません。
しかし、現在の様に太陽活動が安定した状態の時には、今後を予想する有効な手法です。


さて、低速太陽風のため、現在の磁気圏活動はたいへん低レベルです。
AE指数のグラフにはほとんど変化は見られません。
この状態は今日から、明日にかけて続き、
その後の高速風の到来とともに活動度は増加します。

放射線帯の高エネルギー電子は、高レベルで推移しています。
高エネルギー電子は、磁気圏が安定している間は、とてもゆっくりと減少して行きます。
そのため、警戒状態はまだしばらく続くでしょう。
高速風の到来によって磁気圏が乱されると、高エネルギー電子は一気に減少します。

太陽は依然無黒点です。
フレア活動もなく、とても穏やかです。




SOHO衛星EIT284カメラの映像
(c) SOHO (ESA & NASA)

最新映像


ACEが観測した太陽風の磁場(1番上の枠、白線は全体の強度、赤線は南北成分)
および、太陽風の密度(3番目の橙線)、速度(4番目の黄線)
(c) NOAA/SEC



27日の太陽周期に合わせたデータプロット
太陽が同じ面を地球に向けていた27日前の変化から、今後を予想することができます。
(c) NICT
太陽X線
○はM以上
太陽風速度
km/sec
セクター
Bx (nT)
IMF Bz,Bt
nT
沖縄変動
nT
沖縄短期変動
nT
静止軌道電子
/cm^2 s sr
太陽X線
○はM以上
太陽風速度
km/sec
セクター
Bx (nT)
IMF Bz,Bt
nT
沖縄変動
nT
沖縄短期変動
nT
静止軌道電子
/cm^2 s sr
リアルタイムAE指数
下段のAEグラフの値が高くなると、オーロラ活動が活発化しています。
(c) 京都大学, NICT



GOES衛星による、静止衛星軌道における高エネルギー電子の変化
(c) NOAA/SEC



SOHO衛星のMDIカメラによる太陽黒点
(c) SOHO (ESA & NASA)



GOES衛星の太陽X線データ
(c) NOAA/SEC





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篠原 学( shino@kagoshima-ct.ac.jp )宛てお知らせ下さい。